2011年5月16日月曜日

乳酸の知識②

ただの疲れではない、精神的疲労

「気分が沈みがち」「いつもなんとなく疲れている」「何事も億劫」「些細なことに腹が立つ」「他人と顔を合わせたくない」などの状態が続く場合は、“精神的疲労”が考えられます。
この状態を放置しておくと、こころもからだも病的な状態に陥ることがあるので注意が必要です。疲労は大きく「急性疲労」と「慢性疲労」に分類することができます。急性疲労は数分から数十分の短い時間で生じるものと数時間単位で生じるものとで分類されます。慢性疲労の場合は、1日の活動が翌日までに回復するかどうかを問題にする「日周性疲労」と1週間単位以上の疲労を問題にする「慢性疲労」に分類されます。
一方で、疲労を活動や作業の性質の違いから分類すると、「肉体的疲労」と「精神的(神経的)疲労」とに分類されます。肉体的疲労は言うまでもありませんが、精神的疲労は、複雑な計算や記憶、思考などの心理活動ばかりではなく、我慢や緊張、時間に追われて作業をすることの焦燥感やストレスなど、感情や意思の活動が過度に要求された場合に生じる疲労です。特徴として、肉体的疲労は、一日の活動と共に強くなり、活動を終えた夜間にピークになりますが、精神的疲労は朝、目が覚めた時、つまり、一日を始める前が大きい傾向があります。肉体的疲労は休息を取ると、回復する可能性がありますが、精神的疲労は休息をとっても、あまり疲れが取れない傾向があります。そして、この精神的疲労が問題となるのは、これがしばしば睡眠への導入の邪魔になったり、途中覚醒を引き起こし睡眠不足状態などの睡眠障害を引き起こす原因になることです。このような場合、疲労は1日のサイクルで処理されずに翌日に持ち越されます。
強調文この悪循環が起ると、心身は容易に慢性疲労へと陥ることになります。慢性的な精神疲労は生活の質を損なうばかりか、しばしば、うつなどの心の病気の引き金にもなりますので、普段から十分な対策を取る必要があります。疲労により乳酸の分泌が促進され、質の良い睡眠の導入に欠かせないセロトニンに影響を与えることがわかっています。     
※参考【疲労の科学・講談社】


■乳酸の知識②

乳酸は「疲労物質」ではありませんが、必要以上に体内に存在すると神経伝達物質の「セロトニン」に影響を与えることがわかっています。そして、脳疲労から結果的に肉体的な「疲労」「慢性疲労」という症状がでます。

セロトニンの再吸収を亢進する「乳酸」
神経伝達物質のセロトニンは、セロトニン神経の先端(終末部分)からセロトニンを放出します。そして、様々な標的細胞へセロトニンを供給していきますが、セロトニンを有効活用するため、使われなかったセロトニンを「セロトニン再取込み口」から取り込み再利用します(図上段)。しかし、「乳酸」は、そのセロトニン再取込み口の働きを亢進させ、セロトニンを必要以上に取り込んでしまい、結果的にセロトニンが枯渇した状態を作りだしてしまいます(図下段)。





乳酸も少ないうちは肝臓に運ばれ乳酸を糖に戻す働きで再び糖に還元されて肝臓に蓄えられますが、ストレスや過度の運動などで、過剰に乳酸がたまると還元されずに残り、セロトニン神経に影響を与えます。
そのため運動神経などが低下し力が出ない、疲労、気力が衰えるなどの症状が出てしまいます。
※参考『セロトニン呼吸法』(有田秀穂・高橋玄朴著)

【疲労対策】
乳酸そのものが疲労物質ではなくセロトニンに影響を与え疲労を発生させることがわかっています。セロトニンに影響を与えることは、疲労だけに留まらず、睡眠障害、倦怠感、抑うつなど精神神経系にも影響することが考えられます。セロトニン神経機能に影響を与える「ラフマ」に期待がもてます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 五月雨ジョージ

1 件のコメント:

  1. 「ストレスを理解する」今のようなどんよりとした日本の社会においては、ビジネスマンにとって必要な知識と思えます。

    しかし、なかなかそういった知識を得る機会に恵まれず、又はその機会に気付くことすらできずストレスに悩み続けているのが現実だと思います。私自身、そういった人間の一人であると感じていますから。

    「本当に伝えたいこと」私のような人間には、「本当に聞きたいこと」です。この機会に感謝です!

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