2011年12月28日水曜日

天災から絆へ


2011年を振り返って

今年一年を振り返り一番に心を痛めるのが、東日本を襲った大地震でした。M9.0を記録し復興に向けて現在も活動を続けている皆様がいます。また、東京電力福島原発放射能漏れによる汚染の問題が今も続いています。この出来事は、将来にわたり記憶に残る出来事になることは間違いありません。また、震災後から問題になった震災によるPTSDや長期にわたる避難生活によるストレスなどを抱えている人達がいまだにおられます。

そして今年、厚生労働省は、都道府県が作成する地域保健医療計画で、これまで「4大疾病」とされてきた、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病に精神疾患を追加して「5大疾患」とする方針を示しました。職場でのうつ病や高齢化に伴う認知症の患者数が年々増加し、国民に広く関わる疾患として重点的な対策が必要と判断したそうです。諸外国に比べて遅れている精神疾患の改善の充実を期待したいものです。

 本説伝で、今年連続して特集したのが「サルコペニア」でした。日本人女性は26年連続で長寿世界一となりましたが、言い換えれば超高齢社会ということ。要介護・要支援状態の高齢者は年々増加しているのが実態です。超高齢社会を迎えた今、「立ち上がれない」「つまずきやすい」「ものが握りにくい」など、生活の質(QOL)が低下している高齢者が増えています。ちょっとした段差につまずき、転倒して骨折することから寝たきりになることが多いようです。
転倒による骨折の背景には、カルシウム不足による骨密度の低下などがあります。そして、もう一つ意外と知られていない大きな原因に、“筋肉量の減少による筋力の低下”があります。加齢に伴い、生活していく上で支障をきたすほどの著しい筋力低下に「サルコペニア」という名称がつけられています。一因は、筋肉の素となるたんぱく質の不足なのです。

今年の日本漢字能力検定協会の2011年を表す漢字の3位は「震」、2位が「災」でした。そして、東日本大震災や台風被害で家族の大切さを感じ、支援の輪も広がったことに加え、女子サッカー・なでしこジャパンのチームワークも理由に挙がり第1位になったのが「絆」です。今年一年を思い、これからも大切にしていかなければならない「絆」でもあります。

今年も一年間、ご愛読ありがとうございました。本説伝(ホントツタエ)が皆様との「絆」になれるよう来年もがんばります。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

2011年12月24日土曜日

エネルギー不足⇒低体温


低体温と肥満の関係

普通、体温測定というと、わきの下や口の中をイメージします。しかし正確な意味での体温とは、深部体温によって表されるものです。体の表面の温度が外気温によって若干変動するのに対して、脳や内臓などの温度は一定に保たれており、深部体温とはこうした体の深部の温度を指します。人の一般的な深部体温は37℃を基準としています。

“体温が低い”ということで、まず最初に思い浮かべるものに「冷え症」があります。冷え性「体温に関わらず、手足などが部分的に冷たくなることを不快に感じること(自覚症状のあること)」を指します。
そして、もうひとつが「低体温」です。低体温(症)とは「体全体の体温が低下すること」を指す医学用語です。摂氏に換算して約35℃未満と捉えられていることもあるのですが、深部体温で測定した場合の低体温とは約36℃未満を指します。わきの下で測定する体温は、見かけ上は低くなりますので、これを考慮すると「一般的な体温計で測定したとき、35.4℃未満であれば低体温」と考えてよいそうです。

健康な人は、起床したときの体温が最も低く、活動するにつれて少しずつ上昇し、正午から夕方にかけてピークを迎えます。その後は睡眠時まで次第に低くなります。

一般的に低体温となるのは、「神経性食思不振症(拒食症)」や、過度のダイエットによる体のエネルギー不足、そして特に中高年以降では「甲状腺ホルモン低下症」という病気の存在が原因となる場合があるそうです。

ところが、最近はこうした病気がないにも関わらず、「平熱が低い」人がいます。中で最も注意していただきたいのは、肥満(皮下脂肪の増大)によって深部体温は正常なのに皮膚表面には温度が伝わらず、見かけ上の低体温となっているときです。まずは十分なエネルギーの産生と適度な運動によって、体温調節機能を整えることが大切です。低体温はそのことによって健康に害が生じるというよりも、何らかの前兆として低体温が生じているとも考えられます。

改善策として、まずはエネルギー産生の促進をすることです。すると基礎代謝が上がり、皮下脂肪の対策にもなります。


低体温は免疫力にも影響する
日頃から低体温で様々な不調に悩む人がたくさんいらっしゃいます。低体温は体質だけが原因ではなく、体温が低いうえに薄着などで熱が奪われたり、偏食(ダイエット等)などによる栄養不足、不規則な生活習慣、運動不足などが原因と考えられています。また、ストレスなどによる交感・副交感神経のバランスが崩れて36℃を下回り、低体温特有の疾患免疫力の低下などが表れることがわかっています。


体温調節は、体温を基準値に近づけようとする働きで、自律神経がコントロールしています。しかし低体温によって、リンパ球分泌の低下→免疫低下の原因にもなります。そして、基礎代謝エネルギーの産生(熱の産生)の低下も低体温の原因の一つです。

低体温はエネルギー代謝の低下が一因!



エネルギー代謝に不可欠な成分は、ビタミンやパントテン酸の他、重要なのがコエンザイムQ10α-リポ酸L-カルニチンです。そしてこれらの成分が、炭水化物(ブドウ糖)や脂肪などを細胞内でエネルギーに変えているのですが、そのエネルギー産生に必須となる酸素の供給量アップに影響するのが霊芝なのです。
またTCAサイクルでは、良質なたんぱく質(アミノ酸BCAA)をアミノ酸単体で摂取した場合、胃で壊される種類のアミノ酸があります。最終的に血中に取込まれたときにアミノ酸のバランス、アミノ酸スコアが100の状態で吸収できるのが、和漢研の『薬膳の素』なのです。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

2011年12月22日木曜日

冬の対策!


流行期に入ったインフルエンザ
             そして「ヒートショック」

厚生労働省は、全国約5,000か所の定点観測用医療機関から報告されたインフルエンザ患者数が、5,447人となったことを発表しました。
これで1医療機関あたりの平均患者報告数は1.11人となり流行開始の目安の1.00を上回ったことを受け、同省では今年度も「インフルエンザが流行シーズンに入った」ことを宣言しました。今年の流行のタイプは、直近の前5週ではAH3亜型(A香港型)がもっとも多く、またB型も報告されています。また、09年に流行した新型インフルエンザについては、今年から季節性インフルエンザ(感染力は変わらない)として取り扱われるようになりました。

本格的なシーズンを迎える冬場、心配なのはインフルエンザだけではありません。 冬に発症しやすい病気のうち、最も重大なものとして血管障害(心筋梗塞・脳卒中)が挙げられます。原因の1つは、低温環境そのもの、あるいは室内外の気温差が刺激になって脳や心臓へ負担がかかった結果、脳や心臓の血管が収縮することで血圧が急上昇したり、あるいは血液の流れが悪くなったりするためです。
これらの病気が元となる冬の突然死は、特に午前中の寒い時間帯に起こりやすいという特徴があります。体を冷やさないようにすること、あるいは温度差の小さい環境を保つことが対策になります。

このように急激な温度の変化が体に影響を及ぼすことを「ヒートショック」と言います。入浴の場合、まず寒い脱衣場で服を脱ぎ、浴室内で体を動かすことで血圧は急激に上昇します。そして、湯船に入ると心臓への負担がかかって血圧はさらに上昇します。しかし、お湯につかってしまえば温熱効果で血流が良くなり、血圧は急激に下降。そして、温まった体で浴室から出て、寒いところで体をふいたり服を着たりして体を動かすと、再び血圧は上昇します。ただでさえ入浴時にはこうした血圧の急激な変化が起こります。そのうえ脱衣場や浴室が寒くて湯の温度との差が大きいと、血圧が上がったり下がったりと体に負担をかけることになり、ヒートショックが起こりやすくなるのです。


冬のヒートショック対策!
冬のヒートショックが一因で血管障害(心筋梗塞・脳卒中)が発症するのは、高齢者だけとは限りません。日頃の高血圧に対するケアや微小循環の機能改善によって対処し、充分気をつけましょう。

◆霊芝の高血圧患者の血圧(kPa)への影響
※霊芝の高血圧への治療効果及び作用を検証するために、Ⅱ期高血圧患者(一カ月以上降圧剤を投与されても降圧作用が現れていない患者)を集め、霊芝を併用した。結果は、霊芝の併用により、顕著な降圧への影響がある【1kPa=7.5mmHg】

◆虚血性心疾患と霊芝
心臓の冠動脈の血液粘度や動脈硬化が進み血管が次第に狭くなると、血液が十分に送られず、需要と供給のバランスが崩れて心臓が酸素不足の状態に陥ります。これを「虚血性心疾患」と呼び、狭心症と心筋梗塞がその代表的なものです。
※霊芝3mg/ml組は灌流(血流)停止5分前と10分前、心拍数が激しくならなかった。対照組と比べて顕著な差があった。冠動脈流量は、対照組と差が出なかった。これは、霊芝を投与することによって摘出された心臓の損傷は軽いことを証明した(HR:心拍数 CF:冠動脈流量)

冬場のヒートショックは、血管系(脳・心臓)の基礎疾患や先天的なもの、加齢に伴うもの、生活習慣、ストレスなどが起因になります。
上記データが示すとおり、霊芝は、高血圧や狭心症・心筋梗塞・脳血管障害などの基礎疾患の改善に期待できるエビデンスを持っています。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

2011年12月20日火曜日

前回に続き「うつ」について


意外なうつの原因

うつの原因は、社会や家庭環境? 精神的なストレス? 実はうつの原因には知らないうちに身近に迫っているものもあるのです。冬の寒いこの時期のうつといえば、季節性情動障害(SAD)の冬季性うつがあります。

そして、意外なのが「タバコとうつの関係」です。これは“にわとりが先かタマゴが先か”と同じ類の話ですが、うつになりやすい人は、喫煙習慣を持ちやすい傾向があるということだそうです。タバコに含まれるニコチンは、脳内の神経伝達物質に働きかけて、ドーパミンとセロトニンを、より高いレベルで分泌させる働きがあります。
「それって、いいことじゃない?」と思った方、残念です! この働き、薬物に依存したり離脱時に気分が落ち着かなくなったりすることと関連があります。ニコチンはドーパミンとセロトニンを分泌させるのですが、ニコチンが切れると、このふたつも急激に低下し「禁煙すると、気分が落ちこんだ」「イライラする」ということになります。

もうひとつは、甲状腺ホルモンが充分に分泌されない状態を「甲状腺機能低下」といいますが、この病気の症状のひとつが“うつ”なのです。甲状腺ホルモンは多機能ですが、機能のひとつにセロトニンの分泌を制御する働きがあります。もし、急にうつの症状が出たとしたら、そして寒冷不耐性(寒さに弱い、冷え性など)や、便秘、疲労を伴っているとしたら、甲状腺機能検査をしてみる価ことをおすすめします。

食に関するものとしては、魚などに含まれるDHAなどのオメガ3脂肪酸が不足することが、うつのリスク増と関係すると考えられています。オメガ3脂肪酸は、セロトニン等の脳の伝達物質を制御しています。04年に行われたフィンランドの研究によると、うつと魚不足との関係が、女性には見られたのですが、男性には見られなかったそうです。

睡眠不足がイライラの原因になるのは周知の事実ですが、健康な被験者が睡眠不足に陥ると、落ち着いた映像よりも、イライラするような映像を見たときに脳が活性化することが判明しました。そしてこの反応は、うつ病患者に見られるものだとのことです。「もし睡眠をとらなければ、脳細胞を補充する時間を持てません。脳は正常に機能することができなくなり、数あるうつの原因のひとつとなってしまいます」とフロリダ州概日医学センター理事長のマシュー・エドランド医師は説明しています。


依存症はドーパミンの異常分泌

脳の中には快楽を感じさせる神経伝達物質のドーパミンという物質を作り出す仕組みがあり、より強い快楽を求めるようにできています。タバコのニコチンやアルコール・ギャンブルなどもすべて、突き詰めていくとこのドーパミンの分泌を増やす方向に働くことが知られています。


脳の抑制は戻りにくい!
ニコチンやアルコールに限らず、一度依存してしまうと脳の抑制の仕組みが壊れてしまい元通りになりにくく、悪化を抑えることはできても強まった快楽への衝動を小さくすることはできません。

ドーパミンは少なすぎても×
ドーパミンはバランスが大切です。トーパミン過剰は依存症の原因のひとつですが、分泌の低下は、筋固縮、無動などの運動障害が起こってしまう場合があります。パーキンソン病などはドーパミン分泌の低下が原因のひとつとして知られています。

■ラフマ錠剤のノルアドレナリン・ドーパミン神経伝達物質への影響
★ラフマ錠剤(15、60mg/kg)及びイミプラミン(15mg/kg経口投与)を、恐怖条件付けストレス試験(Conditioned fear test)をかけられているラットに8週間連続経口投与して、脳内の神経伝達物質であるモノアミンの変化をコントロール組と比較した。    *p<0.05、**p<0.01vs対照組



依存症に関与するドーパミン、そして、緊張やイライラしたときなどに分泌されるノルアドレナリンは、血管の収縮に関与し血圧上昇や様々な自覚症状を引起します。これら脳内神経伝達物質の情報をコントロールし、精神を安定させる作用があるのがセロトニンです。

神経伝達物質は、多すぎても少なすぎても、精神的・肉体的両方によくありません。伝達物質のバランスを整えるのがセロトニン神経です。そしてセロトニン神経活性に期待ができるのが和漢研『アンチストレス』(写真)の主原料「ラフマ」(紅麻=キョウチクトウ科)なのです。



いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

2011年12月15日木曜日

脳卒中とうつ

 
脳卒中・うつ

 脳卒中後にうつ状態が起こりやすいことは以前から知られていましたが、その症状は主に、脳卒中で体が不自由になったことに対する反応性のものと考えられていました。
 しかし、米国の精神科医の教授らがCT上の脳梗塞病巣とうつ状態の頻度を詳細に検討した結果、脳の病変自体がうつ状態を起こす可能性を示し、脳卒中後のうつ状態が単なる反応性のものではないことが明らかになってきたのです。

 脳卒中後のうつ状態は、大脳皮質(前頭葉の前方部分)と辺縁系(感情、本能などに関係する部位で脳の中心部にある)の障害、もしくはこれらを結ぶネットワークの障害が基礎にありますが、逆にうつから脳卒中になる場合もあるそうです。
 米ハーバード大学公衆衛生学部は、約32万人を対象とした28件の研究データを解析した結果、うつ病は脳卒中発症率および脳卒中による死亡率の上昇と関連していた、と米医学誌に発表しました。試験開始時にうつ病を発症していた場合と発症していなかった場合を比べた結果、うつ病患者は、すべての脳卒中リスクの45%上昇、死に至る致死性脳卒中リスクの55%上昇、脳梗塞など虚血性脳卒中リスクの25%上昇とそれぞれ関連していました。
 さらに、米国の最新の脳卒中統計を基にうつ病と脳卒中との関連を推算した結果、うつ病患者10万人当たりの脳卒中発症数は、全脳卒中で年間106人、虚血性脳卒中で同53人、致死性脳卒中で22人だったそうです。

 研究チームは「うつ病は、すでに明らかになっている神経内分泌作用や免疫学的作用、炎症作用、不健康な生活習慣(喫煙、運動不足、不健康な食事、服薬順守の不良)、肥満などのほか、脳卒中の危険因子として知られる糖尿病や高血圧といった合併症など、さまざまな仕組みを介して脳卒中の発症に影響しているのではないか」と考察。また、うつ病患者が服用する抗うつ薬が、今回観察された関連性に関与している可能性も指摘しています。さらに、「今回のメタ解析は、うつ病が脳卒中の危険因子になることを示す強力なエビデンス(科学的根拠)になる。うつ病と脳卒中がいずれもかかっている人が多いことを考慮すると、今回認められた両者の関連は、臨床上および公衆衛生上、見過ごすことができない。今後の研究で、うつ病と脳卒中を結び付けるメカニズムなどについて解明する必要がある」と述べています。


脳の微小循環

 脳卒中は脳血管障害の総称ですが、脳の微小循環は、中枢神経組織の毛細血管内皮細胞自体が有する特殊な生理的機能が積極的なメカニズムで関与し、脳の環境を常に維持しています。

■霊芝の微小循環(毛細血管)への影響
※霊芝投与組の服用二週間後、毛細血管の本数は対照組より明らかに多くなり毛細血管入口・出口の口径は対照組より拡張し、流速も対照組より顕著に速くなったことが臨床実験で確認された。これらのことによって腎臓のろ過率は高くなり、体内の老廃物、毒素、化学薬品などの排出は速くなる(エビデンスより)


■毛細血管内皮細胞は、繊細!
 脳の毛細血管は、脳内の血流はもちろんのこと、脳神経細胞へ酸素・栄養素を供給する重大の役目を担っています。そして、その毛細血管の内皮細胞は、とても繊細にできています。

■ラフマ錠剤組の短期/長期投与による
              5-HT(セロトニン)の変化(ng/g) 
セロトニン(5-HT3)及びその代謝物(5-HIAA)に対して、イミプラミンと同様に低、中用量のラフマは増加作用を有することが確認された。

 神経細胞が密集している脳は、毛細血管=微小循環が密集しています。「霊芝」は、微小循環における毛細血管の血管内皮の保護作用、損傷後の修復作用に期待が持てます。また、うつ病は、放っておけば高い確率で脳卒中になるといわれています。
 また、うつ状態に伴い、脳内神経伝達物質に変化が現れることがわかっています。「ラフマ」は、その脳内神経伝達物質「セロトニン」の分泌を促すセロトニン神経の活性化が期待されています。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

2011年12月10日土曜日

ウイルス対策に大切な粘膜の潤い


不感蒸泄(ふかんじょうせつ)

インフルエンザの季節を迎えましたが、鳥インフルエンザに関しては新聞等で扱うことが少なくなってきているようです。

しかし、海外のメディアでちょっと怖い話題をみつけました。強毒性の鳥インフルエンザウイルス「H5N1」に関するオランダや日本などの研究論文2本について、米科学誌サイエンスが生物テロに悪用される危険を理由に掲載を見合わせていることが分かったそうです。
オランダの論文では、H5N1の遺伝子を5か所変異させると人間同士での感染力を持つことが説明されており、同誌を発行する米科学振興協会は生物兵器開発の参考にされるのではと懸念しているそうです。

強毒性H5N1は、腸管の出血も起こし死亡率が高いウイルスです。現在は人間への感染力が非常に弱く、人間同士での感染例は限られています。しかし、同協会のホームページによると、オランダ・エラスムス医療センターのチームが、人間への感染力を生み出す変異を発見し、遺伝子を組み換えたウイルスを作製。人間と似た反応を示すフェレット(イタチ科に属する肉食性の哺乳小動物)の感染実験にも成功したとのこと。東京大医科学研究所の国際チームによる論文については、内容を明らかにしていないようですが‥‥。強毒性のウイルスは鳥ではなく人間の手によって蔓延してしまうのでしょうか? 

現実的な関心はシーズンを迎えたインフルエンザです。毎年冬に流行する風邪やインフルエンザは、なぜ冬にはやるかはっきり分かっていませんが、空気の乾燥と気温の低さに関係するとされています。そして、乾燥により体内から奪われる水分は、夏のより冬場のこの時期のほうが多いそうです。
快適な湿度は、約40%~60%といわれていますが、日本の冬の外気湿度は50%程度。夏の70%超に比べてかなり低下し、しかも、外気温が低いときに、室内を暖房で温めると、空気が膨張して増える一方、そこに含まれる水蒸気の量は変わらないために相対湿度は低下します。例えば、気温が10℃、相対湿度が100%の空気を25℃まで温めると、相対湿度は41%に落ちてしまうのです。

冬型の気圧配置により、空気が乾燥しやすいことに加え、屋外の気温が低いので、暖房中の室内は、屋外よりもはるかに強い乾燥状態になりやすくなっています。このような状態では、皮膚や呼気から知らず知らずのうちに水分が失われる「不感蒸泄」(発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失)が多くなります。そして、放っておけば体の中も“カラカラ”状態になってしまいます。


シーズン2011 ウイルス対策
■粘液線毛輸送機能

粘液線毛輸送機能とは、鼻や気管・気管支など、気道の粘膜にある線毛組織が、吸いこんだ空気中の細菌やウイルスなどの異物を排除する働きです。鼻腔(びくう)などを覆う線毛と、線毛の周りにある「線毛間液」、その上を覆う「外層粘液」の働きよって、鼻腔や気管、気管支に入りこんだ異物はのどに向かって運搬され、最終的に食道に排出されて処理されます。つまり、粘液線毛輸送機能は、口や鼻から体内に侵入する菌やウイルス、異物から身を守るための最前線なのです。

機能低下の原因のひとつは乾燥!
粘液線毛輸送機能は、左図のように「線毛間液」と「外層粘液」によって保たれています。しかし、乾燥する冬場のこの時期、呼気や皮膚から身体の水分が多く失われ、「線毛間液」が減少し、線毛が「外層粘液」に絡まったり粘液が濃くなったりするため、粘液線毛輸送機能が低下します(右図)。このため異物が排泄されにくくなってしまうのです。

冬場の乾燥対策には…
体内から奪われる水分は、夏場より冬のこの時期の方が多いことがわかっています。そして、粘液線毛輸送機能は、乾燥した環境では、水分が奪われて線毛間液が少なくなったり、外層粘液の粘度が上がったりするために、大切な防御機能が低下してしまいます。実際、先天的に粘液線毛輸送機能に障害がある患者は、子供の頃からカゼを引きやすく、気道の慢性的な炎症を起こすそうです。

日頃からできる対策としては、のど飴を舐めるのがよいでしょう。のど飴で唾液の分泌を促進させ粘膜に潤いをあたえて乾燥を防ぐことです。
暖房中の室内は外よりも乾燥している場合が多いのです。そんな時、私は『レイシセンダンのど飴』を舐めています。この飴特有の苦味の刺激が唾液の分泌に影響して、粘膜が潤ってくるのがわかります。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

2011年12月9日金曜日

マイコプラズマ肺炎(細菌)/風邪・インフル(ウイルス)


高齢者でも発症するマイコプラズマ肺炎

「マイコプラズマ肺炎」「RSウイルス感染症」などの患者が急増しています。特に今年のマイコプラズマ肺炎は流行っていて、2001年以降の平均患者数は最高値を記録しています(国立感染症研究所)。

 天皇陛下や、皇太子ご夫妻の長女・愛子さまも、一時、感染の可能性があると伝えられました。インフルエンザやRSウイルス感染症と違って、マイコプラズマは真正細菌です。この細菌による呼吸器系感染症がマイコプラズマ肺炎です。「症状が風邪に似ていて外来ですぐ診断するのは難しく、重篤化してしまうケースもある」と感染研の安井良則・感染症情報センター 主任研究官。ワクチンはなく治療は抗生物質が中心ですが、薬が効かない耐性菌の増加が拡大の要因になっている可能性もあるといいます。「今年はこれまで使われてきたマクロライド系の抗生物質が効かないケースが多い。2003年以降、耐性菌が増え、今では8割を超えるという報告もある」(安井研究官)。

 若い世代に多いマイコプラズマ肺炎ですが、65歳以上では獲得免疫などの関係でマイコプラズマによる肺炎を起こすことはほとんどないと言われています。しかし、実は風邪やインフルエンザに罹ると、その後に細菌性肺炎を起こしやすくなるとのこと。

「肺炎球菌やインフルエンザ桿菌(インフルエンザウイルスとは関係ない)などの細菌は、普段から鼻や口腔内の粘膜に住んでいることが多い。健康体なら気管支の粘膜表面に無数にある線毛が働いて病原体は痰(たん)と一緒に排出される。だが、風邪やインフルエンザを発症すると線毛の働きが低下するので、鼻や口腔内にいる細菌が肺の奥まで落ちて、その後、2次的に肺炎が起こるのです」と国際医療福祉大学三田病院・呼吸器センターの佐藤哲夫教授は言います。
 高齢者はもとから線毛の働きが弱いので、最初から合併するケースもあるということなので、注意が必要です。


シーズン2011 ウイルス対策
■ 唾液の効果

 唾液(だえき)は、唾液腺から口腔内に分泌される分泌液で、正常の場合1日に1~1.3リットルが分泌されます。デンプンを分解する消化液としての働きの他、口腔粘膜の保護や洗浄、殺菌、抗菌、排泄など、下記の作用があります。

 1)化学的消化作用:アミラーゼの働きによって、デンプンを分解します。

 2)飲食補助:咀嚼や飲み込みの補助作用をします。

 3)円滑作用:発音をスムーズにします。

 4)溶媒作用:溶解し、味覚を促進します。

 5)洗浄作用:食物残査を除去します。

 6)抗菌作用:リゾチーム、ペルオキシターゼ、ラクトフェリンなどにより、病原微生物に抵抗します。

 7)pH緩衝作用:急激なpHの変化を防ぐ。(虫歯予防など)

唾液に含まれるIgA
 唾液腺には右図のように大唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)と多数の小唾液腺があります。小唾液腺は口腔内の粘膜に広く分布しています。唾液は前述のように殺菌・抗菌作用を持つ成分があり、そのひとつが前回の「本説伝」でお伝えしたIgAなのです。

のど飴の唾液分泌効果
 のど飴をなめることで唾液の分泌が促進されることはよく知られています。そして、唾液には分泌型IgAやリゾチームなどの抗菌活性を有する成分が含まれています。唾液が増えることでこれらの成分の殺菌作用が増し、炎症が起きている喉を一定時間洗浄する効果も期待できます。『レイシセンダンのど飴』特有の苦味の刺激が唾液の分泌を促します。
 逆に、唾液の分泌や上気道の粘膜免疫にとって大敵となるのは、就寝時の口呼吸による“乾燥”です。対策として口テープなども商品化されていますが、私は就寝時に霊芝を1~2粒を(霊芝粒のコーティングにキズを付けて)口に含んでいます。これで無意識に口を閉じることになり、就寝時の乾燥を和らげるうえ、苦味の刺激で唾液が出て口内を潤すのです。

 “昼はのど飴、夜は霊芝粒”が私のウイルス対策です。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

2011年12月4日日曜日

インフルエンザと免疫の本説(ホント)


インフルエンザの関心は高いが・・・

9月9日号の本説伝でお伝えしていた、米国で2人の子どもの新種の豚インフルエンザ感染(間接的に豚に接触していた)記事は、当時感染の拡大は確認されていませんが、医療機関に注意を呼び掛けていました。そして、米疾病対策センター(CDC)は11月25日までに、米アイオワ州の子ども3人が新種の豚インフルエンザウイルスに感染したと発表しました。しかも、3人は豚との接触歴がなく、限定的に人から人への感染が広がったとみられるとのこと。米国では7月以降、同ウイルスへの感染がこのほか7人報告されていますが、豚との接点がないのは今回が初めてだそうです。

このウイルスは、2009年に新型インフルエンザとして世界的に大流行したH1N1型のウイルス遺伝子の一部を保有しているのが特徴だそうです。インフルエンザに詳しい東北大学の押谷仁教授は「今回の豚インフルエンザのケースでは、範囲が限定的とはいえ、状況からヒトからヒトへの感染があったことはほぼ間違いなく、このウイルスの特徴を詳しく調べてどの程度ヒトの間で感染しやすくなっているのかを見極める必要がある。今後さらにヒトに感染しやすくなる変異を起こすことも考えられるので、国内でもウイルスの監視を強めるべきだ」と指摘しています。

流行期をむかえるインフルエンザに関して、日本国内でインフルエンザにかかった子供を持つ母親の8割以上が、インフルエンザは「重症化、死に至る可能性がある病気」であると認識しているそうです(健康日本21推進フォーラム)。また、94.4%の人が今年の冬もインフルエンザが流行すると考え、「昨シーズンも今度の冬も、関心は高い」と答えた人が72.2%でした。そして、「新型インフルエンザ」と「季節性インフルエンザ」についての意識を比較すると、「新型の方が怖いと思う」と答えた人が24.6%、「どちらもあまり怖いとは思わない」が6.5%で、約3人に1人(31.1%)が季節性インフルエンザを軽視していることがわかりました。重症化すれば死亡のリスクを伴うのは季節性インフルエンザも同様であることを指摘し、「3割強の母親が季節性インフルエンザを軽視していることは、いざかかった時の対処に不安を感じる」(健康日本21推進フォーラム理事)と話しています。


シーズン2011:ウイルス対策
■粘膜免疫と免疫グロブリンA

粘膜は常時ウイルスや微生物にさらされており、これらから粘膜面を防御する局所免疫機構が存在します。これを粘膜免疫防御系と呼び、代表的なものとして気道免疫防御系、鼻腔免疫防御系、消化管免疫防御系が知られています。

粘膜免疫の主役、免疫グロブリンA(IgA)
抗体は主に血液中や体液中に存在し、体内に侵入してきた細菌・ウイルスなどの微生物や、微生物に感染した細胞を抗原として認識して結合します。物質としては免疫グロブリンと呼ばれます。
IgAは、のどの表面、気管支の内側の壁、腸の内側、などの粘膜表面に存在し、侵入してきた病原菌やウイルスなどの抗原と結合して、その侵入を食い止めるはたらきがあり、粘膜免疫では主役的な役割を果たします。




IgA産生細胞は粘膜下特有
上気道粘膜面は無菌ではなく、様々な細菌やウイルスなどの病原微生物が絶え間なく侵入を繰り返しています。生体はその侵入を阻止すべく、これらの病原微生物を排除、もしくは常在菌としてこれらと共存するシステムを有しており、これが分泌型IgAによる生体防御反応です。分泌型IgAは粘膜上に分泌されている状態で血中にはあまり廻りません
血中や組織液に存在する免疫グロブリンの75%を占めているのは免疫グロブリンG(IgG)です。しかし、インフルエンザウイルス感染により誘導される免疫は主に気道粘膜の分泌型IgAなのです。

霊芝で粘膜を刺激する
数々の「~免疫療法」などといわれるのは、血中や組織液に存在するIgGのことです。細菌やウイルスなどの侵入を阻止すべくIgAを産生する細胞は、粘膜の下の組織(IgGも産生できる)にしか存在しません。そして、粘膜免疫は粘膜の上から刺激することでIgAの分泌を促します。 霊芝のサプリメントを舐めれば、霊芝特有の苦味成分が上気道の粘膜を刺激して粘膜免疫に期待が持てるのです。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

2011年12月1日木曜日

サルコペニア⑬ 動物性たんぱく質


草食系と肉食系、そして・・・

植物を主な食物とする(草食性)動物のことを草食動物といいます。そして現在、人間のタイプを表して“草食系”と言われています。一般的な草食動物としてイメージされている事柄が、性格や行動様式に当てはまっているような人々を指して用いられている言葉です。対義語は“肉食系”です。

牛肉や豚肉をたくさん食べる肉食系女子は、あまり食べない女性より、大腸がんの一種、結腸がんのリスクが4割以上高くなるとの研究結果を、国立がん研究センター予防研究部が公表しました。90年代後半に45~74歳だった男女約80,000人を2006年まで追跡。食習慣の調査から1日の肉類摂取量を算出し、量に応じて5グループに分け、がんとの関係を調べました。期間中に788人が結腸がんになったそうです。その結果、女性で牛肉や豚肉を最も多く食べるグループ(1日約80グラム以上)は、最も少ないグループ(25グラム未満)より、結腸がんの発生リスクが48%高かったそうです。

欧米より肉を食べる量が少ない日本では、これまで結腸がんと肉食の因果関係が不明でした。しかし、動物性たんぱくは手軽に補給できるたんぱく源です。問題は摂取過剰による“たんぱく源以外”の弊害です。「肉」を摂りすぎることでコレステロールや脂肪分の過剰摂取となり、動脈硬化心臓病・痛風を招いたり今回のような結果にもなります。

そこで推奨されるのが、同じ動物性たんぱく質の「魚」です。「魚介類は健康的な食事の重要な一部をなすものである。魚介類は、高質なたんぱく質及びその他の必須栄養素を含んでおり、飽和脂肪酸が少なく、オメガ3脂肪酸を含んでいる。色々な種類の魚介類を含んだバランスの良い食事は、心臓の健康、子供の良好な成長及び発育に貢献する。特に、女性や小児は、多くの栄養上の利益から食事には魚介類を含めるべきである」。(農水省のホームページ「魚介をたべることの利益」より)

草食系は、最近の男性によく見られるタイプのようですが、健康に関しては「魚食系」がよさそうです。


サルコペニア⑬
■ 気がつくと摂りすぎている「肉食」

肉や魚にはアミノ酸スコアが100のものが数多くあります。たんぱく源としてはどちらも良質なのですが、「肉」の食べすぎによるコレステロールや脂肪分の過剰摂取が心配です。また、肉は、料理の主材料として使われる事が多いため摂取量が多くなりがちです。

「魚介系」、三種混合だし『薬膳の素』は
       理想的なたんぱく質補給源です!
【鮪】アミノ酸スコア100のたんぱく質が豊富で、栄養素が集中している。
魚類の中でも良質なたんぱく質が豊富なのが“まぐろ”です。中でも必須アミノ酸のBCAA(参照:11/14サルコペニア⑧)動物性たんぱく源の中ではダントツです。また、必須脂肪酸の不飽和脂肪酸を多く含みます。


【椎茸】低カロリーで食物繊維が豊富
椎茸は低カロリーで、たんぱく質、ビタミンBやD、ミネラル、食物繊維を豊富に含み、椎茸特有の成分(エリタデニン)が血中コレステロールを排泄する役目をしますので、生活習慣病の予防に期待がもてます。


【昆布】トップクラスのアルカリ性食品
現代の食生活では肉や加工食品を多く摂るようになって、身体が酸性に傾きがちです。昆布はアルカリ性食品で、低カロリーミネラルが豊富なうえ、アルギン酸、フコイダンという食物繊維も豊富です。さらに昆布に最も多く含まれる「ヨウ素」甲状腺ホルモンを作る材料になっているほか、子どものカラダや知能の発育を促進させる働きがあります。

“だし”で摂るうま味成分の健康効果
たんぱく質を日常的に補うには、三種混合だし、和漢研の『薬膳の素』が効率的です。『薬膳の素』をだしとしてうまく取り入れれば、料理で使う油や砂糖、塩分などを減らすこともできます。そして、必要な栄養素も摂取できます。また、「うま味成分」のグルタミン酸は“昆布”イノシン酸は“鮪の赤身”グアニル酸は“椎茸”に多く含まれています。これらの「うま味」が凝縮していて満足感を得られます。そして、吸収力が高いペプチドタイプでアミノ酸スコア100の状態で吸収できます。(参照:11/22サルコペニア⑪)


和漢研の『薬膳の素』は理想的な“健康うま味だし”です。


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愛・感謝 五月雨ジョージ