2012年6月1日金曜日

こんな自覚症状に潜むこんな病気②


一過性脳虚血発作

 70代のある男性は、自宅で談笑中に突然左手に力が入らなくなりました。腕の中でガラスが砕けるような痛みだったのですが、痛みは数分後にうそのように消えたそうです。
そして約3週間後、彼は病院で検査を受けて驚きました。彼の頸動脈は、血や脂の塊で9割詰まっていて、いつ脳梗塞を起こしてもおかしくない状態だったのです。彼の症状は「一過性脳虚血発作」というものでした。脳梗塞の症状が一時的に出ても、24時間以内におさまる状態です。ほとんどの症状は数分から十数分で終わります。症状としては、体の片側の手足がしびれたり、ろれつが回らなくなり、急に片側の目が見えなくなったりと様々です。

一過性脳虚血発作を起こした後、2~3割の人が脳梗塞を起こすといわれています。その確立は起こした直後ほど高く、すぐに治療を始めることが大切です。一過性脳虚血発作は、頸動脈などにできた血栓が脳内に運ばれて詰まることで起ります。

心臓の血管にできた血栓が脳内の血管で詰まることもあります。しかし、血栓が小さかったり血栓の詰まり方が弱いと、いったん詰まった血栓は自然に溶けて再び血液が流れるようになるため、症状は消失します。しかし、2週間以内に4回以上の発作がある場合や、2週間以内に頻度、持続時間、重症度が急速に増している場合には早期入院が必要です。

医療現場では、英国の医師らがまとめた尺度(左図)が使われていて、7点満点で点数が高いほど、発作後に脳梗塞を発症する確立が高くなっています。一過性脳虚血発作と診断された約4800人を対象にした調査では、6点以上が全体の2割以上を占め、うち8.1%が発作から2日以内に脳梗塞を発症していました。


■こんな自覚症状には、 こんな病気が潜んでいる!②

普段の生活の中で起るちょっとした自覚症状には、思いもよらない病気が潜んでいる場合があります。えっ、と驚くものもあります。
「いつもすぐに治まるから大丈夫」と思わないで注意してみて下さい。

【口やのどの自覚症状】

○ろれつが回らない、言葉が出にくい

このような場合、まずは脳梗塞を疑います。しかし、症状が短時間で治まるときは、脳梗塞の前兆である一過性脳虚血発作かもしれません。一時的に脳の血流が悪くなるので、その後近いうちに本格的な脳梗塞が起る可能性があります。高齢者にみられるような、口が勝手にモゴモゴ動く症状や口の左右が歪んでいる状態も、脳梗塞のシグナルの場合があります。口をイーッと横に開いてみて、左右対称になっていないようならば要注意です。




○口の中に白い部分がある
これは多くは口内炎の場合が多いようです。しかし、痛みがないもの、口の一部が白いようなときは、白板症という病気の疑いがあります。40代以上の男性に多くみられ、2割弱ががんに変わってしまうという症状で、煙草アルコールなどの刺激物が原因の一つです。

【目の自覚症状】

○まぶたの裏(結膜)が赤い
健康な結膜はピンク色をしています。しかし、かゆみや痛みがないのに結膜が赤いという場合、赤血球が増加する「多血症」かもしれません。多血症は40歳以上の男性に多く、結膜が真っ赤になるほか、頭痛やめまいが伴います。多血症の人の血液は粘り気が強いので、脳卒中や心筋梗塞の引き金になることがあります。早めに医師に相談しましょう。

○めまい
喫煙や高血圧などで、50歳以上の男性がめまいを訴えた場合、まず小脳の異常が疑われます。また、天井が回る、吐き気を伴うなどのめまいがある場合、大きく二つの原因が考えられます。一つはストレス疲労から起るもの。そしてもうひとつは小脳梗塞小脳出血脳幹梗塞を起こした場合です。この場合も非常によく似ためまいが起ります。これらを見分ける方法は、自分で歩けるかどうかです。小脳や脳幹に異常があると、つかまり歩きさえもできなくなってしまいます。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ




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