2012年12月7日金曜日

うつと睡眠障害①


ストレスとうつの関連性!

「イヤなことがあっても、一晩寝たら気分がスッキリして悪い感情が薄らいでいる。そんな経験は誰にでもあるはずです。しかし、不眠症になると目覚めても疲労感から解消されず、『今日もよく眠れなかった』『今朝も調子が悪い』と朝から気分が沈んでしまうことが続き、結果、うつ病へと進行してしまうこともあるのです」(日大医学部精神医学系主任教授・内山真氏)。
 不眠症は日中の生活にさまざまな悪影響を及ぼすこともありますが、うつ病との相関関係が極めて強いのです。そして、昨年厚労省は、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病の4大疾病に、精神疾患を加え「5大疾病」とする方針を決定しています。「日本人のうつ病の生涯有病率は、6.7%。100人いたら6~7人が一生のうちに1度はうつ病を発症することになります。統合失調症の場合が約1%ですから、その発症率の高さがお分かり頂けると思います」(内山教授)。
 また、近年では、低年齢化や症状の多様化が進み、“うつの時代”とも言われます。そして、その背景にあるのがストレスなのです。内山教授は言います。「うつ病発症のメカニズムは完全に解明されていないのが現状です。しかし、うつとストレスに強い関連性があるのは間違いない。精神と肉体に過度のストレスがかかったとき、そのストレスを回復する機能が働くわけですが、そこに何らかの不調をきたしたせいで憂鬱感が続く。これがうつ病の中核なのです」。例えば重症のうつ病患者では、ストレスがかかると分泌されるコルチゾール(副腎皮質ホルモン)の調整機能が破綻しているといった所見が確実にみられます。過労、人間関係、将来や雇用への不安、事故や災害など、現代社会はストレスに囲まれています。何をストレスと感じ、どう解消するかは、個人の性格や価値観、家庭や職場の環境によって大きく変わるとはいえ、知らない間にストレスの影響を受けている可能性は高いのです。
 また、うつは他の傷病などが原因でも発症し、傷病後のQOL(生活の質)に影響を与え、再発や合併症をも招く恐れがありますので要注意です。


康復医学の基本 "うつ"と睡眠障害①

■「うつ」潜在的な患者は未知数

 現代社会において「うつ」が国民病であることに異論を挟む人はいないでしょう。
 右グラフのように、気分生涯患者の数は年々増え続けています。中でもうつ病の患者数は大幅に増えています。しかもこの数字は、あくまでも“心の不調”で医療施設を利用した患者数ですので、潜在的なうつ病患者の数はこの数倍にも上るといわれています。

日本人は睡眠の質が低い!

製薬会社の調査では、不眠症の疑いがありながら70%以上の人が「自分は不眠症と思わない」と回答し、不眠を自覚していない、もしくは不眠であっても病気だと認識していない人が多く、そのことが病院での診断を遅らせています。
 睡眠は「何時間眠ったか」にばかりこだわってしまいがちですが、大切なのは時間ではなく、その睡眠の“質”です。2002年に「最も長生きができる睡眠時間は7時間(米国医学誌「アーカイブス・オブ・ゼネラル・サイキアトリー」)と発表されました。日本人の平均睡眠時間は十分に満たされているにもかかわらず、不眠を訴える人が多いのは、まさに“睡眠の質”が十分でないことがその要因です。(右表)。
うつの初期症状として不眠は重要なサインです。睡眠時間が短いうえに眠りが浅く、覚醒しやすいというのが、典型的なうつ病による不眠の症状です。同時に倦怠感や身体的な愁訴が続くという特徴もあります」(慶應義塾大学医学部呼吸器内科講師談)


いつもありがとうござます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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