2012年12月20日木曜日

うつと睡眠障害⑤


放っておくと心配な「かくれ不眠」

「直近1カ月間で就寝することの多かった時間帯は?」という睡眠の調査で、最も多かったのは「0時台」で31.6%でした。以下「23時台」が23.4%、「1時台」が20.1%、「2時以降」が12.6%、「23時以前」が12.4%と続きます。

 調査報告では「就寝時間帯別に睡眠時間が不足していると感じる人の割合を見た場合、23時台から0時台にかけてが最も差が大きく22.2ポイント。次に差の大きかった23時より前から23時台にかけては12.7ポイントなので、0時までに就寝するのが良いようだ」と分析しています。

就寝する時間帯は早いほうがいいようですが、こんな調査報告もあります。
「私たちが調査した統計によると現代人の約80%が『かくれ不眠』です。特に、仕事に追われて睡眠を削ってしまっている人たちに多いようです。不規則な生活をしているのに、自分は寝なくても大丈夫、これは不眠ではないと思っているなど、睡眠に対して意識が低いのですね」(杏林大学医学部精神神経科・古賀良彦主任教授)。「かくれ不眠」とは、単なる寝不足と不眠症の間に位置するものです。慢性的な不眠ではなく専門的な治療は必要ないものの、睡眠の悩みや不満をかかえ日常生活に影響がある状態で、この状態に気づかないうちに陥っている人が急増しているのだそうです。古賀教授が所属する『睡眠改善委員会』では、「かくれ不眠」を5つのタイプに分類しています。中でも問題なのが、体力を過信した「自分は大丈夫」タイプと、十分な睡眠をとれず他人に当り散らす「高ストレス」タイプです。そして、かくれ不眠を放置していると・・・
「最初に肌荒れ肥満といった症状が出てきます。睡眠時間が短いとグレリンという食欲を増進させるホルモンが出てくるので食べすぎてしまうのです。それが引き金となり糖尿病高血圧にもなる。さらには心身症です。ストレスが原因で体の各臓器に病気が出てくることも。さらに眠れないと仕事でも失敗する。するとますます眠れなくなる。不眠症や、場合によってはうつ病にもなるでしょう」(同教授)。


康復医学の基本 "うつ"と睡眠障害⑤

■セロトニン神経の5大作用

セロトニン神経は、よくオーケストラの指揮者に例えられます。それは、脳全体の神経細胞に指令を送ることができるからです。セロトニン神経の働きが強いか弱いかによって、他の神経の活動が上がったり下がったりするのです。

大脳皮質を覚醒、意識レベルを調整:

人は、寝ている間は意識がなくなり、朝起きると覚醒します。覚醒時は、スッキリ状態だったり、ぼんやりだったり、不快だったりしますが、セロトニン神経が活性している時は「スッキリ爽快」の状態です。つまり気分爽爽なのです。

自律神経を調整:

心機能、血圧、代謝、呼吸などを管理する自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスをシーソーのように保ちながら、強くなったり弱くなったりを繰返しています。このシフトがうまくいくようにするのがセロトニン神経です。

筋肉への働きかけ:

セロトニン神経は、筋肉を緊張させて歩行や姿勢を保持する働きがあります。まっすぐな姿勢イキイキとした表情ができるのは、セロトニン神経が活性化している状態です。

痛みの感覚を抑制:

感覚に対しては、抑制する作用があります。特に下行性疼痛抑制系などに関わり、鎮痛効果が現れることは知られています。ひざや腰の痛み90%セロトニン不足が原因で、セロトニン神経機能が低下するために痛むと考えられます。グルコサミン、ヒアルロン酸などの効果は限定的です。

精神的バランスを保持:

人はストレスなどの外因・内因的な影響を受けて、高揚したり、落ち込んだりと絶えず変化しています。しかし、その振り幅が大きすぎたり、継続したりすると「うつ」へと向かいます。セロトニン神経は、そのバランスを整えます。
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 セロトニンは上記の作用の他にも、生体リズム・神経内分泌・体温調節などの生理機能気分障害・統合失調症・薬物依存などの病態に関与しています。
また、ドーパミンやノルアドレナリンなどの感情的な情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあります。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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