2013年1月30日水曜日

疲労とその対策⑦


★緊急報告★ 最悪の「深刻な汚染」

まずは緊急報告です。
 中国の大気汚染は、日本の国土の3倍以上に当たる130万平方キロを包み込んで、北京、天津などで、6段階の大気汚染指数で最悪の「深刻な汚染」を記録しています。しかし、北京の病院は大気汚染を原因とする患者に関する取材を拒否、上部機関から指示があったと明らかにしました。また、ぜんそくや気管支炎を発症した子どもが病院に殺到したことを伝えた中国各誌も、患者の実態については沈黙しています。
 大気汚染粒子予測サイトによると、大気汚染はすでに日本列島にも到達していて、関西、中四国、九州地区が今日(1月30日)から2月3日まで「非常に多い」と予測されています。
 しかし、黄砂の来襲はこれからです。汚染物質の発生源の中国では、情報が統制されているので個人による自己防衛策しかありません。

 康復医学学会が推奨する、大気汚染物質を防ぐ『高機能不織布マスク』と、変異ウィルスを上気道の粘膜免疫で食い止める『レイシセンダン葉のど飴』は、大気汚染物質対策上、大きな効果が期待できます。また、大気汚染にさらされる野菜や果実、その他の食品の洗浄には、公的機関でその実績データが認められている野菜洗浄剤『安心村』が有効です。
※参照:大気エアロゾル(微粒子)予測http://sprintars.riam.kyushu-u.ac.jp/forecastj.html


自身では認識していない不眠?

不眠症がうつ病のシグナルだということは過去にもお伝えしています。不眠症の人は、一般の人に比べてうつ病になるリスクが2.1~3.0倍という研究もあります。また、うつ病の人は、治ったとしても「不眠症」が残っている場合、再発しやすいこともわかっています。その他にも、不眠症は“生活習慣病に関わる病気のリスクを引き上げる”という研究結果もあります。不眠症のある中年男性が、4年後に高血圧になるリスクは一般の人の約2倍、8年後に糖尿病になるリスクは2~3倍といった具合です。

 不眠症は社会の高齢化を促進する原因にもなっています。その理由は、平均睡眠時間は高齢者ほど短くなり、65歳では6時間で十分なのですが、「それでは短過ぎる」と考えて寝床で長く過ごす人が多く、その結果、眠りが浅くなってしまって疲れが取れなくなってしまうからだそうです。加齢に応じた睡眠の量的変化にうまく対応できていなくなってきているのです。
 不眠症の芽は早めに摘んでおくことに越したことはありません。しかし、自分が不眠なのかよくわからない「かくれ不眠」という状態があります。かくれ不眠とは、「軽度短期不眠」のことです。慢性的な不眠症ではなく専門的な治療は必要ありませんが、日常生活に影響がある状態です。以下掲載の「かくれ不眠チェック」(監修:杏林大学医学部精神神経科・古賀良彦教授)で、ひとつでも当てはまる症状があれば、不眠症の前段階である「かくれ不眠」と判断できます。
 しかし、かくれ不眠は、放置し長期的になると不眠症に移行する確立が高くなるので、「かくれ不眠」の段階でケアすることが重要なのです。


康復医学の基本 疲労とその対策⑦

睡眠の重要性:かくれ不眠?

前回、睡眠調査で、実に40%を超える人に「不眠の疑いがある」という結果が出たことをお伝えしました。しかし一方で、70%以上の人が「自分は不眠症とは思わない」と回答していました。実は、この70%以上の人に潜んでいるのが「かくれ不眠」なのです。

かくれ不眠をチェック

□寝る時間は決まっておらず、毎日ばらばら
□起きたときに「よく寝た」と思えない※
□朝、思ったよりも早く起きる※
□集中力が途切れがちで、イライラするイライラする
□自分は寝なくても大丈夫なほうだと思う
□平日にあまり寝られないため、休日に寝だめする
□寝付きが悪いことが多い※
□夜中に何度か起きる※
□よく昼間に居眠りする
□面白そうなことかあってもあまりやる気が起きない
□眠れないのは異常ではないと思う
□仕事が忙しいと、寝ないで夜遅くまで頑張る

1項目でもあれば「かくれ不眠」!

上記のかくれ不眠チェックで、1項目でもあればかくれ不眠の疑いがありです。そして、かくれ不眠の特徴は、以下のようなものです。

 ●軽度かつ短期の不眠状態 ●日中の活動に影響あり ●不眠について悩んでいる ●気が付いていないケースもある ●専門医による治療までは 必要としない ●働き盛りの人の約8割が該当 

 調査で最も回答が多かったのは、「目覚めたときに『よく寝た』と思えない」などがあります。

10項目以上、又は※の症状が強いと「不眠症」の可能性!

不眠症の特徴は、以下のどれかが週2回以上1ヵ月以上持続するというものです。

 ●入眠できない(2時間以上) 
 ●途中で目覚める(2回以上) 
 ●朝早く目覚める(2時間以上) 
 ●寝た感じがしない
 ●寝られないことが苦痛 
 ●社会生活、仕事に支障あり

【かくれ不眠対策】

睡眠中は、メラトニンが分泌され深い眠りを作り、朝方になるとセロトニンが分泌量を増やし覚醒しスッキリ目が覚める、というリズムがあります。これらの神経伝達物質のバランスが悪いと、かくれ不眠の原因になります。そして、神経伝達物質のバランスを整える役割を担うのがセロトニンです。

 康復医学学会が推奨するリラックスハーブ「ラフマ」は、セロトニン神経の活性→セロトニン分泌の促進→神経伝達物質のバランス調整→「質の良い眠り」という連鎖効果に期待ができます。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年1月26日土曜日

疲労とその対策⑥


睡眠不足、経済損失は3兆円!

 睡眠は、地球上のほぽすべての哺乳類にとって生命を維持するために必要なものです。かつては「覚醒レベルが低下したため眠くなる」と受動的にとらえられてきましたが、近年の研究では脳が自ら能動的に睡眠を起こしていることがわかってきています。
 睡眠中には、生命を維持するためのさまざまなホルモンが分泌され、身体が成長する機能や疲労を回復し修復する機能が働いています。また深い眠りは大脳を休ませて記憶を定着させ、翌日の活動に備えるためにも不可欠なものです。このような働きを毎日繰り返すことで健康を維持できるのです。
 しかし、さまざまな要因で質の高い睡眠が取れないと、体と心に悪影響を及ぼします。過去、歴史的な重大な事故の中には睡眠不足が引き金となったものがあります。1979年の米国・スリーマイル島原発事故や、86年のスペースシャトル「チャレンジャー号」の爆発事故、95年の客船「スター・プリンセス号」座礁事故などは、本来起きていなくてはいけない人が眠ってしまっていたために発生した事故だったということがわかっています。
 日本国内でも睡眠不足や不眠が社会や経済活動に与える影響は甚大で、06年に日本大学医学部の内山真主任教授(精神医学)らのグループは、眠気による作業効率の低下遅刻・欠勤などの影響、交通事故の増加などの経済損失は、合計で実に年間3兆4,000億円に上ると試算しています。
 現代日本で不眠を訴える人が多いのは、24時間型社会になって、体内の生体リズムと社会の生活リズムが合わなくなっているからだという指摘は多いのですが、その中で経済が回っているとすれば、いったん作り上げた社会システムを変えていくのは容易ではありません。となれば、一人ひとりが睡眠の重要性に目覚めて、社会生活とのバランスを取りながら睡眠の質を高めていくことが求められるのではないでしょうか。
 本来人間は、体内に自らの体と心を修復する機能を備えています。その力を呼び起こすのが「睡眠」の役割だとすれば、決して眠ることを侮ることはできません。


康復医学の基本 疲労とその対策⑥

■睡眠の重要性:魔のトライアングル

【深刻にとらえていない睡眠の現状】

不眠は、その経済損失3兆円とも言われています。
「アテネ不眠」尺度というものがあります。WHO(世界保健機関)が中心になって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した、世界共通の不眠症判定法です。これを用いた調査によると、実に40%を超える人に「不眠の疑いがある」という結果が出ています。その一方で、70%以上の人が「自分は不眠症とは思わない」と回答しており、不眠をあまり深刻にとらえていない傾向が見られました。

【生活習慣病の危険因子、うつ病の9割が不眠!】

過去、不眠と生活習慣病との関係は指摘されていませんでした。しかし、近年の国内外での疫学調査などから、不眠や睡眠不足が肥満や糖尿病、高血圧、高脂血症などの危険因子になることが明らかにされています。また、うつ患者の実に8~9割が不眠に悩んでいるとされる一方で、不眠を原因としてうつ病を発症する人も多いのです。現代社会における不眠の多くはストレスなどの精神的な理由で起こっていますが、病院では、症状が1ヶ月以上続き日常生活に支障をきたしてしている場合に「不眠」と診断されます。
 不眠は左図のように「不眠」⇔「うつ」⇔「生活習慣病」がリンクしていて、“現代社会の魔のトライアングル”などと言われています。
 不眠の原因は、日常生活におけるストレスや疲労によりセロトニン神経の機能が低下し、またセロトニン分泌が抑制されてしまうことです。ストレスや疲労に対して康復医学学会が推奨しているのが「ラフマ」という昔からお茶などで楽しまれているリラックス・ハーブです。ラフマは、セロトニン神経の活性に影響し、セロトニン分泌を促し、ノルアドレナリンやドーパミンなどの他の神経伝達物質のバランスを整える理想的なハーブです。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年1月24日木曜日

疲労とその対策⑤


●睡眠は脳のメンテナンス

ストレスは、その多くが社会や家庭環境の中で起きる出来事に起因し、精神的な影響を生み出します。毎日のストレス情報量は「脳」で処理されているわけですが、一番大量に入ってくるのは「目(視覚)」からの情報です。しかも、その割合は約80%ともいわれています。
人は「目」でとらえた情報を「脳」に伝えて処理・記憶していきます。脳に異常があると目にも異常が現れてきます。当然その逆もまたしかりです。目が疲れてくると脳も疲れてくると考えられています。また、日常のストレス情報も目から入ってくる場合が多いので、疲れ目や充血、痛みなどの自覚症状がある場合は、脳も相当なストレスや疲労を感じていると考えられます。頭痛や睡眠障害などの症状が表れていればなおさらです。
 対策としては、意識的に脳に情報を入れない時間を作る、情報を遮断するということを心がけてください。アイマスクやイヤープラグ(耳栓)なども効果的です。また、「質の良い睡眠」は、疲労回復や脳のメンテナンスにはかかせません。質の良い睡眠をとると、前日脳に記憶された情報を組み合わせ整理して、思考を有効に再構築します。つまり、新しい発想や的確な判断力などの充実につながるのです。

速報! 大気汚染がやって来る!

中国では年明けから大気汚染が深刻化しています。 危険なのは、車の排ガスなどに含まれる「PM2.5」という直径2.5マイクロメートル以下の超微粒子物質です。
 大気汚染指数(100を超えると危険、300以上では人体のあらゆる部位に直ちに計り知れない危険が及ぶとされる国際基準)によると、北京市内で500以上が17ヶ所、450以上が24ヶ所を記録。市内中心地ではなんと933を記録したところもありました。“933”は即肺がんでもおかしくない数値です。さらに「PM2.5」は微細なため、通常のマスクで防ぐことは難しいのが現状です。
 山形大学の柳澤文孝教授(地球環境学)は、「危ないのは春先、温かくなりシベリア気団が弱まる時期です。一定の条件が揃うと、高気圧と共に環境汚染物質が大量に日本に飛来する可能性がある」と言っています。また、春から梅雨の季節になると、大気汚染物質が熱と光で変化し、光化学スモッグがおこりやすくなるとのことです。
 過去、大陸からの黄砂は様々な農薬汚染物質変異ウィルスを運んできましたが、さらなる大気汚染が襲来します。自己防衛策は万全ですか? 康復医学学会では、大気汚染物質に対して『高機能不織布マスク』と、変異ウィルスを上気道の粘膜免疫で食い止める『レイシセンダン葉のど飴』を推奨しています。


康復医学の基本 疲労とその対策⑤

睡眠は身体のメンテナンス! 睡眠の4大効果

(1)疲労を回復し、健康で病気になりにくい身体をつくる

睡眠不足は、生理・循環機能を低下させるため、病原菌を排除できないというリスクが高まります。よく眠っている(睡眠の質が良い)人に比べ、眠れない(睡眠の質が悪い)人は、疲労の蓄積や疾患に罹る確率が断然高くなります

(2)より良い発想と判断力がアップする

睡眠中は、大脳を休める睡眠(ノンレム睡眠)と半覚醒状態で夢を見る睡眠(レム睡眠)の繰り返しで、過去の記憶、現在の記憶が脳の中で再生され、さらに新しい情報が整理されるため、新たな発想が生まれやすくなります。また質の良い睡眠は、神経伝達物質の分泌も促進させるので、思考力、判断力も冴えてきます

(3)質の良い睡眠は、痩せやすい!

寝不足は、ストレスホルモンの一種、グレリンが空腹感を増進させます。また、代謝を高めるレプチンの分泌が二割弱も減少します。したがって、睡眠不足を解消するだけでも痩せやすい身体になるのです。

(4)老化のスピードも抑える!

睡眠中は成長ホルモンの分泌が最大になります。成人の場合、成長ホルモンは組織の修復、改善に作用するので、肌や内臓にも影響が大きいのです。十分な修復時間=睡眠時間を確保することが、ダメージを蓄積せずに、若さを保てる秘訣です。

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 社会や生活環境でのストレスは、精神的・肉体的な疲労を伴う複合型です。ストレスがストレスホルモンを分泌させ、セロトニン神経に影響 → セロトニン分泌の低下を招き、睡眠の質の低下、疲労、気力・活力の低下・・・などに陥るのです。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年1月19日土曜日

疲労とその対策④

根本的な治療法がない疲労?
 40代男性は、勤務中に急に体の異変が起きました。汗が噴き出て全身が震え始めました。微熱もあったので早めに帰宅し体を休めたが、治りません。体調不十分のまま出勤したものの、仕事にならず近くの病院に駆け込みました。診断結果は「風邪」。しかし、いっこうに良くならない。脳や肝臓などの検査は問題なく精神科でも異常は見つからず、とりあえずビタミン剤などをもらい服用しましたが、日常生活に支障をきたすほどの痛みが筋肉や関節に出始めました。ようやく診断がついたのが慢性疲労症候群でした。
「疲労は誰もが感じる。通常は休めば改善するが、この病気では強い疲労が続き、休んでもなかなか改善しない」と関西福祉科学大学・倉恒弘彦教授は解説します。日本でも30万~40万人の患者がいるとみられており、働き盛りの20~50歳に多く、身体的な症状の他、患者の多くが眠れない、集中力が続かないなどと訴えます。しかし、根本的な治療法がないため、現在は免疫力を高める薬や痛みを和らげる薬、活性酸素を減らす薬や向精神薬を使う場合もあるようですが、クスリで改善するのは約4割ということです。
 また、日本大学板橋病院心療内科・村上正人科長は「うつ病など精神疾患と見分けるのが難しい場合もある」と話します。発症時に精神的症状を訴えるのは約4割ですが、病気が長引くにつれ割合が高まるということです。
 難しい病気ですが、研究の積み重ねで発症の仕組みなども徐々に分かってきています。感染症やストレスなどで免疫力が下がると、ウイルスが働き始めます。これに対抗して免疫関連物質が多く作られ、脳や自律神経などの機能低下が、症状を引き起こしている可能性を指摘しています。この脳や自律神経の機能低下の原因こそが、神経伝達物質・セロトニンの減少と、セロトニン神経の機能低下によるものです。
 疲労には、倦怠感のような症状がありますが、実は脳がこのような症状を引き起こしているのです。


康復医学の基本 疲労とその対策④

■疲労は脳が感じる?

肉体の疲れで、手や足、腰がだるいとしても、疲労を感じているのは手や足、腰の筋肉ではありません。筋肉の抹消から疲労した信号が脳に伝わると、脳で「疲れた」という感覚が生じて、意欲や行動が低下すると考えられています。抹消組織から送られてきた疲労信号を脳内で感知し、疲労感を伝える脳内の物質の働きが「疲労の本質」といわれています。その過程は、免疫系や内分泌系もからんでいて、脳にこれらの働きを制御する左上の図のような「疲労回路」があるのです。疲労感が長く続く慢性疲労症候群の患者は、脳内の神経伝達物質の分泌の低下が確認されており、脳の機能が低下していると考えられています。

ストレスによる「疲労」のしくみ


 ストレスによる血管運動の低下→収縮は、微小循環の血流を低下させ、細胞への酸素供給不足や老廃物の蓄積から肉体的な症状の疲労を招きます。また、ストレスホルモンが長期的に過剰に分泌され、セロトニンの代謝異常などから睡眠障害→痛みを伴う疲労、慢性疲労などに至ります。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ


2013年1月17日木曜日

疲労とその対策③


ストレスの個人差

「気分が沈みがち」「いつもなんとなく疲れている」「何事もおっくう」「些細なことに腹が立つ」「他人と顔を合わせたくない」・・・皆さんはこのような状態を経験したことがありませんか?
 これは、精神的な疲労の症状です。

 疲労は大きく「急性疲労」「慢性疲労」に分類することができます。急性疲労は数分から数十分の短い時間で生じるものと、数時間単位で生じるものとで分類します。慢性疲労の場合は、1日の活動が翌日までに回復するかどうかを問題に日周性疲労と、1週間単位以上の疲労を問題にする慢性疲労に分類されます。

 精神的疲労は、複雑な計算や記憶、思考などの心理活動ばかりではなく、我慢や緊張、時間に追われて作業をすることの焦燥感やストレスなど、感情や意思の活動が過度に要求された場合に生じる疲労です。

 肉体的疲労は、一日の活動と共に強くなり、活動を終えた夜間にピークになります。そして肉体的疲労は一般的に休息を取ると回復します。これに対し精神的疲労は、朝、目が覚めた時、つまり、一日を始める前に最も大きい傾向があります。そして精神的疲労は、休息をとってもあまり疲れが取れません

 精神的疲労で問題となるのが「睡眠」です。睡眠の質の低下が原因で、疲労が1日のサイクルで処理されずに翌日に持ち越され、心身は容易に慢性疲労へと陥ることになります。慢性的な精神疲労はQOL(生活の質)を損なうばかりか、しばしば、うつなどの心の病気の引き金にもなるので、普段から十分な対策を取る必要があります。
 精神疲労の大きな原因のひとつがストレスですが、それには個人差があります。「ストレスは遺伝と性格が大きく影響しています。ストレスに弱いタイプの人は神経伝達物質の「セロトニン」が欠乏しやすい遺伝子を受け継いでいる、と考えられています」(関西福祉科学大学・倉恒弘彦教授)。
 セロトニン神経が活性化すると、ノルアドレナリン(不安やストレスが高まると分泌)やドーパミン(すべての行動を起こす動機付けになる)の働きをうまくコントロールして、心の状態を安定させます。性格でいうと、完ぺき主義者はストレスを強く感じやすい傾向にあるようです。

「最近は仕事が複雑になり、精神的な疲労が高まっているため疲れが取れにくくなっています。でも、疲れは痛みや発熱と同じ体の異常を知らせる警報。自分の体の疲労度を自覚してください」(倉恒教授)。


康復医学の基本 疲労とその対策③

■精神的疲労の特徴

現代社会の日常の疲労は肉体的疲労より、むしろ、精神的な疲労が問題になることが多くなっています。この精神的疲労は、肉体的疲労と比べていくつかの特徴を持っています。

疲れを感じやすいのは朝方

肉体的疲労は、筋肉などを酷使することが原因なので、一日の活動と共に強くなり、活動を終えた夜間にピークになるが、精神的な疲労は朝、目が覚めた時、一日を始める前が大きい

休んでも疲れが取れにくい

肉体的疲労では、休息を取ると疲労から回復できますが、精神的疲労は休息をとっても、あまり疲れが取れない傾向にある。精神的疲労は睡眠の質を低下させるため、それがまた疲労がとれない原因となる。

疲労を感じやすいとき

通常、肉体疲労は、体に負荷がかかればかかる程大きくなりますが、精神的疲労では同じ作業でもストレスのかかり具合によって、疲労感が大きくなったり小さくなったりする傾向がある。
※何が精神的疲労の原因なのかをはっきりさせる為に、どんな時、どのように疲れたかを記録しておくのもよい方法です。

精神疲労は慢性化しやすい

肉体的な疲労は通常、数日以内で回復するが、精神的な疲れは慢性化しやすい。もしも、疲労感が1~2週間以上続き、睡眠障害があったり、イライラしやすく仕事の能率が低下してしまったりするような場合には、疲労から「うつ傾向」へと進んでいる場合があるので注意が必要。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年1月12日土曜日

疲労とその対策②


疲労!一晩寝れば改善されていますか?

帰宅時に玄関を開けたと同時に「あ~疲れたぁ」「あ~しんどかった」などと言っていませんか? 疲れているので当然です。自然に出てしまいます。
 しかし、聞かされる方は嫌な気持ちになる人もいます。毎日のように聞かされると人によっては「だから何もしたくないって、遠回しに言ってるわけ? それとも何かを要求しているの?」とケンカにもなったという報告もあります。
 負の言葉が、聞かされた側のストレスになるのは確かです。その疲れも一晩寝た翌朝に解消されていれば何も心配ないのですが・・・。

 疲労には、一時的な休憩や一日休暇などを取る事によって改善する原因が分かりやすい疲労と、日々のストレスや他の病気が原因で表れる分かりにくいものがあります。休養したらすぐに改善する疲労は心配ないのですが、休養しても改善しない疲労は心配です。人のからだは、呼吸・血液循環・消化・吸収・生殖などの機能を調節する自律神経システムと、体を動かすエネルギーを作るエネルギー代謝システム、そして、病気から体を守る免疫システムの各システムが機能しています。

「疲れにくい」ということは「体力がある」ということです。活動のエネルギーが豊富ということで、エネルギー代謝のシステムが担っています。また、病気にかからないという防衛的な部分は免疫システムが担っています。そして、両者のコントロールタワーになっているのが自律神経のシステムです。このシステムが正常に機能している状態では、疲労も休養を取れば改善されます。人はストレスに継続的にさらされたり、無理をしていると、それを脳が感じ取り、脳幹綱様体→自律神経の中枢である視床下部→食欲、性欲などの本能や感情をつかさどる中枢である大脳辺縁系へと情報が伝わります。そして運動やら五感をつかさどる中枢である大脳皮質へと伝わり、中枢神経から自律神経、免疫系、内分泌系に変化をもたらして、体を正常に維持していくシステムが乱れ、疲れが取れず蓄積していくのです。

 微熱、関節痛、筋肉痛、咽頭通などの副症状を訴え6ヶ月以上継続的な疲労を感じる場合は、慢性疲労症候群の可能性があります。放置するとうつ症状をはじめとするさまざまな症状を伴ないます。

 あなたの疲労、一晩で解消されていますか?


康復医学の基本 疲労とその対策②

■「疲れたなぁ~」と感じるときは?

「疲れていると感じる時はどんな時ですか?」
 アンケートでこの質問をして返ってくるのは、下記のような答えが大半を占めています。

○朝起きても昨日の疲れが残っている  ○やる気がしない
○肩や首のコリが続いている      ○なんかだるい       
○気分が晴れない          ○朝、食欲がない
○朝起きても、ぼぉーっとしている

 上記のような疲労に対して、「一晩寝ればとれると思っていたのに翌日まで残るようになった」と思われる方は多いと思います。しかし、現代社会にはこのような疲れがなかなか取れない特有な理由があるのです。

○老化現象:

老化による代謝の低下筋肉の減少内臓機能の低下など。老化は仕方がないと思っていながら、若い頃と同じような食生活や夜更かし、加齢を気にして無理なトレーニングやダイエットなどに励んでいたら、疲れは慢性化する恐れがあります。

○社会環境:

IT化が進み豊富な情報が早く収集できるようになった現代、テクノストレスによる目や脳の疲労が注目されています。また、仕事や生活も24時間体制で稼働するようになり、夜間に働く人が増えた結果、「睡眠の質」の低下が疲労の蓄積の原因になってきています。

○ストレス:

上記のように、老化現象も社会環境も昔と今では違ってきています。当然“疲れの質”も変わってきました。
 かつては、筋肉の酷使、単なる身体の使いすぎが原因の疲れでした。だから休養をとれば身体の機能を回復することができました。しかし、現代社会における多くの人の「疲れ」は、「脳疲労」「睡眠の質の低下」「内臓機能の低下」などさまざまな症状を起こしています。そして、多くの場合、この疲れは実は“ストレス”に起因しているものなのです。

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 疲労は、肉体的・精神的なストレスから生理機能の変化が生じ、さまざまな自覚症状や作業能力の低下などを引起します。上記のような理由で、現代社会に生きる人々が訴える疲労は、「休養により容易に回復する」程度の疲労ではありません。「疲れたなぁ・・・」と感じた時の対応こそが大切なのです。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年1月10日木曜日

疲労とその対策①


康復医学の基本 疲労とその対策①

■6割の人が疲労を感じている!

「今あなたは疲れていますか?」
この問いに対して、「はい」と答える人は実に約6割にものぼります(文部科学省疲労研究班調査)。しかもそのうちの半数の人が、疲れのために作業効率が落ちていると感じています。
 近年、疲労のメカニズムは研究が進み、さまざまなことが明らかになっています。

疲労は身体の3大アラーム

そもそも疲れとは,何をどのように感じているものなのでしょうか?
「疲れがたまる」といいますが、何かが本当にたまっているのでしょうか? 
 疲労は、発熱、痛みとともに体の3大アラーム(警告)の一つといわれています。
「疲れた」と感じるのは、体からの“休め”という合図であって、そのまま休まないと最後には死んでしまうこともあります。しかし人は、休んでいるひまはないと考えてしまうので、疲れたと感じている時開か長くなってしまうのです。

疲労と疲労感

「疲労」と「疲労感」は別物です。たとえば、身体を動かしたときの疲労は、運動量によってその大きさが決まります。しかし、疲労感は運動量と必ずしも一致しません。たとえば同じスポーツで、試合に勝ったときと負けたときでは、疲れの感じ方がちがいます。また、同じ仕事量でも、自分にとってやりがいのある仕事を終えたときと、無理やり押し付けられた仕事を終えたときでは、やはり疲労感が違います。つまり、疲労感は主観的なもので、本当に治療が必要かどうかの疲労の度合いを客観的に測定することができません。疲れるたびに休んではいられない現代社会の中で、疲労を取り除くことは簡単なことではありません。

慢性的な疲労の原因はさまざま

慢性的な疲労の原因はさまざまなのです。大きな要因の一つは「ストレス」です。人が悩みごとなどでストレスを抱えていると、脳内のセロトニン神経間にある情報神経伝達物質の生合成が低下し、それらの物質の減少によって、脳内の情報がうまく伝わらなくなり、体のだるさや集中力の低下などの症状として表れてくるのです。 
 今回からは、対策を交えながら「疲労」について詳しくお送りいたします。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ