2013年5月22日水曜日

疲労とその対策⑤

“現代型不眠”の原因

 日本人の5人に1人が睡眠障害の悩みを抱えています。そして、睡眠障害は疲労や慢性疲労症候群の原因にもなります。睡眠障害は身体的疾患や心理的要因から引き起こされますが、もちろん睡眠不足に陥りがちな現代の生活スタイルと無縁ではありません

 他の先進国と比較して、日本人の睡眠時間は確実にしかも大幅に減っていて、睡眠時間が少ないといわれていますが、事実、過去50年間で減り方自体も著しく推移しています。その要因は諸説ありますが、日本睡眠学会認定医師で早稲田大学スポーツ科学学術院の内田直教授は、情報化社会との関連を指摘しています。
「例えば書類を作成するとき、現在はPC作業で直前まで修正できてしまう。資料を当たるのもオンライン化で情報が集まりやすくなった分、情報を処理する時間が必要になった。営業の人も携帯電話で縛られています。それは必ずしも効率化ではなく、情報量と付き合う時間が増えると言うこと。その結果『睡眠負債』を作りやすくなるのです」。
 実際、現代のサラリーマンは平日に比べて週末の睡眠時間が多い、というデータがあります。日頃、不足している睡眠時間を、本来余暇に充てられる週末で返済しているわけです。

 さらに、睡眠との付き合い方は中高年ほど難しくなります。よく「早起きは老化の証」と言いますが、実際のところは中高年の睡眠時間そのものが短いわけではありません。早起きなのは、体力的に衰えたぶん、昼間の活動で疲れやすくなったり、夜間の娯楽に対して興味が薄れ、床に就く時間が早まるためです。ただし、40代以降は、脳活動が高い状態のレム睡眠に比較し、副交感神経の働くノンレム睡眠が減少します。加えて、代表的な睡眠物質であるメラトニンの分泌量も減少するため「睡眠の質」が悪くなり、睡眠障害が現れます。

 熟睡できないため翌日にも疲れが残るような場合は、メラトニンの分泌を促す工夫をすることが大切です。メラトニンはセロトニンの産生量に影響されます。


特集:疲労とその対策⑤

■質の良い睡眠を作るセロトニン

人が行動を起こす時、その情報は脳の細胞から各細胞へ伝わり、情報が伝わるとき、脳の細胞からはセロトニンが出て、このセロトニンの働きで人は動いたり、食べたり、眠ったりすることができます

≪セロトニンが不足すると睡眠を妨げる!

 セロトニンは、睡眠中の呼吸量も調節しています。体内の酸素量が不足したとき、セロトニンの分泌量を増やし呼吸中枢を刺激します。また、睡眠を誘う神経伝達物質はメラトニンで、その分泌を促すのがセロトニンです。セロトニンが“質の良い睡眠”を演出します。

≪セロトニン分泌にはリズムがあります!

セロトニンは1日中分泌されていますが、睡眠中はセロトニン神経の活動は弱くなっていて、メラトニンが深い眠りを作り、朝方になるとセロトニン分泌量を増やし覚醒してスッキリ目が覚めるというリズムがあります。いつまでも寝つけない人、ぐっすり眠れない人は、慢性的にセロトニンが不足しているからです。

≪要注意!慢性的なセロトニン不足

ストレスによりセロトニン神経の機能が低下しセロトニンの分泌量が減少してしまうのですが、分泌されたセロトニンは、そのままなくなるわけではありません。再び取り込まれリサイクルしています。慢性的なストレスは、リサイクル機能のセロトニン再取り込み機能も低下させ、リサイクル量が減ってしまいます。ストレスにより分泌される量が減り、リサイクル量も減る慢性的なセロトニン不足となってしまうのです。

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 社会や生活環境上のストレスは、精神的・肉体的な疲労を伴う複合型です。そして、気力・活力の低下、睡眠の質の低下に影響します。ストレスがCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)というストレスホルモンを分泌させ、セロトニン神経に影響します。
 セロトニンの分泌促進には、昔からリラックスハーブとして愛用されている「ラフマ」の有効性が期待されています。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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