2013年5月18日土曜日

疲労とその対策④


疲労と睡眠の関係

現代の情報化社会は、想像を絶する量の情報が世界中を飛び交っています。
 このような多大な情報や日常のストレスによってオーバーヒートした脳は、かなり疲労しています。脳の疲労は、身体にさまざまな自覚症状として現れます。そして、脳は眠ることによって初めて休むことができ、機能を回復するのです。
 昼間に蓄積した脳疲労はその晩、適度の睡眠によってほぼ回復できるようにできています。深夜まで起きていたり、中途覚醒などで睡眠時間が短くなると疲労が回復せず、翌日に持ち越されます。それが積み重なっていくと慢性的な疲労状態に陥ってしまいます。疲労を回復するには睡眠は必須なのです。

 人のからだの反応は、とても多くの要因がからみあった結果起こるものです。睡眠導入へのメカニズムも同様です。人は冬眠するほ乳類のような「寝だめ」ができません。しかし、睡眠不足が続いても、ある程度生活(覚醒)を継続することができます。その寝不足分は不足時間を寝ることで解消するのではなく、睡眠の質によって解消されます。

 疲れて眠くなることは誰もが経験していると思いますが、睡眠のメカニズムとしては、実は脳内で分泌するホルモンが影響しています。大脳辺縁系に存在する神経細胞には、セロトニン、メラトニンなどの神経伝達物質があり、その活動によって覚醒や睡眠のリズムが変化します。他の脳内ホルモンも含めて、これらの神経伝達物質の影響を調整しているのもセロトニンの働きなのです。
 睡眠不足は疲労感の増幅だけではなく、作業能率の低下、注意力の低下、脳の血流活動の低下、そして『やる気』にも影響を及ぼします。さらに、血圧の上昇免疫力の低下など、様々な疾患の原因にもなります。


特集:疲労とその対策④

■疲労と睡眠~セロトニン神経のはたらき~

セロトニン神経は、脳内セロトニンを分泌し、睡眠を司るメラトニンの分泌を促す作用があり「質の良い睡眠」を作り出しています。それ以外にも以下のようなさまざまな働きがあります。

大脳皮質を覚醒させ、意識のレベルを調整

人は、眠っている間は意識がなくなり、朝、目覚めると覚醒します。覚醒時は、スッキリ状態もあれば、ぼんやりだったり、不快だったりしますが、セロトニン神経が活性している時は「スッキリ爽快」の状態です。

自律神経を調整

心機能、血圧、代謝、呼吸などを管理する自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスをシーソーのように保ちながら、強くなったり弱くなったりを繰返しています。このシフトをうまく保っているのがセロトニン神経です。

筋肉へ働き

セロトニン神経は、筋肉を緊張させて歩行や姿勢保持の筋肉を動かす働きがあります。まっすぐな姿勢やイキイキとした表情ができるのは、セロトニン神経が活性化している状態です。

痛みの感覚を抑制

感覚に対しては、興奮ではなく抑制する作用があり特に下行性疼痛抑制系などに関わり鎮痛効果が現れることは知られています。ひざ・腰の痛みもセロトニン不足が原因で、セロトニン神経の機能低下が関与していることがあります。

精神的なバランスを保つ

人はストレスなどの外因的、内因的な影響を受けて、高揚したり、落ち込んだりと絶えず変化しています。しかしその振り幅が大きすぎたり、継続したりすると「うつ」へと向かいます。セロトニン神経は、そのバランスを整えます

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 セロトニンは上記の作用の他にも、生体リズム・神経内分泌・体温調節などの生理機能や、気分障害・統合失調症・薬物依存などの病態に関与しています。また、ドーパミンやノルアドレナリンなどの感情的な情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあります。セロトニンはいわば“脳内の総合指揮者”の役割を担っているのです。

 康復医学学会が研究テーマの一つに掲げているリラックスハーブ「ラフマ」は、このセロトニン神経の働きに影響し、セロトニン分泌の促進に期待されているのです。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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