2014年2月21日金曜日

腹筋運動ではお腹はへこまない

お腹をへこませる近道は?

「お腹が少し出てきた」「お腹回りのたるみが気になる」と感じている方は多いと思います。お腹をへこませるための運動といえば「腹筋」が定番ですが、実は、腹筋運動はお腹をへこますことに全く向いていないトレーニングだったのです。

男性のお腹が出てくる原因は、そのほとんどが内臓脂肪が付くことによるものです。「お腹の筋肉が減少したから」ではなく、「内臓脂肪が付いたから」お腹が出てくるのです。そして、その内臓脂肪を燃焼させるためには「有酸素運動」をする必要があります。

 有酸素運動で効率よく脂肪を燃焼させるために重要なのが「筋肉量」です。筋肉量の少ない人が有酸素運動を行っても、脂肪燃焼量が低く効率的ではありません。内臓脂肪を燃焼しやすくするには、まず全身の筋肉量を増やすことが重要です。すなわち、筋肉量の増加が“お腹をへこますための近道”となるのです。

「腹筋運動でも筋肉量を増やせるのではないか」と思われる方もいるでしょう。もちろん増えないとはいいませんが、腹筋運動だけで基礎代謝量をアップさせるほどの筋肉量を増やすことは、とても困難なのです。

●なぜ腹筋運動で筋肉量が増えない?

腹筋群は足や腕などの筋肉とは構造が大きく異なり、お腹の周囲を覆う膜のような形をしています。一見大きく見えますが、薄い膜の集合体のような形なので、総重量はさほど多くはありません。ですから腹筋運動をいくら頑張ったとしても、基礎代謝量が増えるほど筋肉量は増えないのです。

 それに比べて足や背中、胸の筋肉ならキロ単位で増やせます。筋肉量を1キロ増やすことができれば、基礎代謝量が50kcalアップするといわれています。お腹を凹ますためには腹筋よりも大きい筋肉、特に「下半身の筋肉」を鍛えることが有効なのです。

 普段運動をしていない人の筋肉量は、20歳前後をピークにして年間約1%ずつ減少していくといわれています。特に下半身の筋肉量は上半身と比較するとその減少が顕著です。「下半身の筋肉量の減少」が「基礎代謝量の低下」につながり、「内臓脂肪の増加」という結果を招いています。つまり、年をとったからお腹が出てきたのではなく、「筋肉量の低下」にその原因があるのです。

 では、下半身の筋肉量を増やすにはどうすればよいのでしょうか。

●運動が苦手な人でも「筋肉量」を増やせる方法とは?

お腹が出てくるのは「摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまっている」ことも要因の一つです。加齢による筋力低下や運動不足によって消費カロリーが減少しているのにも関わらず、以前と同じ食生活を続けていると、男性であれば主に内臓脂肪が増加し、お腹が出てきてしまいます。

 でも、男性にとって食事制限はなかなかハードルが高いものです。しかし、普段の生活を少し変えるだけでも、減少してしまった下半身の筋肉量を増やすことができます。

日常生活で簡単に始められ、効果的なのが「階段」。駅構内ではエスカレーターを使わない、オフィス内の移動ではエレベーターを避ける、信号待ちをせずに歩道橋を渡る、というように、積極的に階段を選ぶことで下半身の筋肉量は増やせるのです。階段を使う生活を3カ月間続けることができれば、下半身の筋肉が強化され、脂肪が燃焼しやすい体になるでしょう。
 
「階段を使うことや徒歩での移動は時間もかかるし疲れる」という方もいるでしょう。しかし必要な筋肉量を維持するためには、普段の生活の中で筋肉を使って“肉体を疲れさせる”ことが必要なのです。「疲れるから歩かない」「疲れるから座る」だとますます筋肉量が減り、さらに疲れやすくなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

 ただ、逆の発想をすれば、今までエスカレーターやエレベーターばかりを使ってきた方のほうが、階段に切り替えた場合の効果は高いともいえます。「また階段だ、ラッキー!」と思えるくらい思考を転換できればベストです。通勤電車で座らなかったり、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段で移動したりしても、仕事ができなくなるほど疲れることはありません。お腹回りが気になる方は、まず「日常の移動」を見直すことをおすすめします。

●「ラクラク」をうたうトレーニングは疑ったほうがいい

「もっとラクにお腹がへこむ方法を教えてほしい」という人も多いと思いますが、残念ながらラクなトレーニングでは筋肉が付かないので、基礎代謝量は増えません。筋肉量を増やすには筋肉に負荷を与えて損傷させないといけないので、もし「ラクラク」とうたっているトレーニングがあれば、その効果を疑ったほうがよいと思います。

 繰り返しになりますが、お腹をへこますためには腹筋運動ではなく、下半身の筋肉量を増やすトレーニングが効果的です。どうしても6つに割れた腹筋を手に入れたい方は腹筋運動を行う必要がありますが、お腹が出ている状態で腹筋運動を行っても、出ているお腹の上に割れた腹筋が付くことになってしまうのです。

 まずは筋肉量をアップし、基礎代謝を上げる。そしてお腹がへこんだ後に腹筋、特にお腹を覆っている腹横筋とそれを補助している腹斜筋を鍛えれば、割れた腹筋も夢ではありません。

(中野ジェームズ修一:フィジカルトレーナー/米国スポーツ医学会認定ヘルスフィットネススペシャリスト)

動物性の良質なたんぱく質をしっかり摂る

康復医学学会では、筋肉量を上げて基礎代謝量を増やすために、「良質のたんぱく質をしっかりと摂る」ことを重要視しています。

 1日に必要な摂取たんぱく質量は、体重の1000分の1です。体重60Kgの人なら60gになります。すごく少ないように思えますが、これは純粋なたんぱく質の量であって、食材の重さではありません。豆腐などはほとんどが水分ですから、たんぱく質量は微量になります。60gのたんぱく質を摂るにはおよそステーキ2枚分ほどが必要です。

また、摂るべきたんぱく質量の3分の1はコラーゲンたんぱく質であることが重要です。そしてコラーゲンたんぱく質は動物性でしか摂れません。植物性たんぱく質だけではだめな理由がここにあります。コラーゲンたんぱく質は、ふだん私たちが食べない部位に多く含まれています。魚なら骨・目玉・ひれ・うろこ・内臓など、動物なら骨・皮・内臓など。現代の日本ではなかなか取りにくいものばかりです。昔は「にこごり」という良質のコラーゲン食材がありましたが、若者にいたっては名前すら聞いたことがないというのが現状です。
 どうしても不足しがちになるので、サプリメントなどを利用して補給するとよいでしょう。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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