2014年3月29日土曜日

「もの忘れ」の原因

心配ですか、ちょっとした「もの忘れ」

 最近もの忘れが多く、認知症が心配だ、検査でも受けてみようかな・・・・と思っている人はいませんか?

「40、50代で、もの忘れを気にして受診する人もいるが、このくらいの年代なら認知症以外の原因であることがほとんど」と筑波大学附属病院精神神経科の朝田隆教授。牧野クリニック心療内科の牧野真理医師も「もの忘れが多くても、あとで『ああ、そうだった』と思い出せるなら認知症の心配はない」と言っています。
 それでは、原因は何かというと「一番多いのは、疲れやストレスなどから一時的に頭の働きが落ちているケース。疲れているうえに悩みなどがあれば、誰でももの忘れが増える」(牧野医師)。
 また、加齢も影響します。脳科学がご専門の諏訪東京理科大学の篠原菊紀教によると、「もの忘れには、複数の情報を一時的に脳にメモする『ワーキングメモリ(作業記憶)』の力が関わっている。これは普通、加齢とともに低下する」とのこと。

 そして、意外に多いのが、背後に隠れている何らかの病気が原因となることです。中でも多いのはうつ病です。「うつになると脳の血流も悪くなり、脳全体の機能が落ちる。集中力や注意力、判断力も低下するので、当然、もの忘れも多くなる。そして、女性の場合、甲状腺機能低下症によるもの忘れも多い」(牧野医師)。甲状腺ホルモンの分泌が低下して、体全体の代謝が落ちるため、体重増加、冷え、眠気などに加え、頭がよく働かない、意欲低下などの症状が出るためです。
 意外な原因には、てんかんもあります。「発作が起こると、数分~数十分間、意識がもうろうとなり、その間の記憶がなくなる。けいれんは伴わず、周りからは単にボーッとしているように見える」(筑波大・朝田教授)。
 また、栄養不足が原因になる場合もあります。脳に欠かせないビタミンB12やB1、葉酸などが不足し、ボーッとしたり、記憶力が落ちたりする」(牧野医師)。
 ほかに更年期症状の一つとして起ったり、精神安定剤や入眠剤などの薬の不適切な使い方が原因のこともあります。


■「もの忘れ」には、原因がある!

 「人の名前が出てこない」「“あれ、それ”が多くなった」「度忘れが増えた」など、「もしかして?」と心配になります。

 しかし、加齢や疲労、睡眠不足、悩み事、ハードワークなどが重なると、脳も許容量を超えて注意力や集中力が低下し、「もの忘れ」を招くことがあるのです。

 もの忘れは認知症の心配はありません。それだけ日常生活の中に多くの原因があるということなのです。


認知症ではない「もの忘れ」の原因

【ストレス・疲労】

 ストレスや悩み、疲労、睡眠不足などで頭が十分働かないために、もの忘れが増える。このタイプが一番多い。
●慢性的な睡眠不足、疲れがたまっている   ●不安や悩みを抱えている
●やることが多すぎて頭の整理ができない


【うつ病】

 うつ病のために、記憶力や集中力、注意力などの脳の働きが低下し、覚えられない、思い出せないという状態になる。
●ぐっすり眠れない   ●やる気が出ない、楽しめない   ●マイナス思考になった


【更年期症状】

 女性ホルモンのエストロゲンは脳の情報伝達にも関わっている。これが減る更年期には、もの忘れも増えやすい。
●40~50代になってから、もの忘れが増えた   ●のぼせや肩こりなどの不定愁訴もある


【栄養不足】

 ビタミンB群などの栄養素が不足すると、疲れやすい、頭が十分働かないなどの症状が。10代、20代の女性に多い。
●過度なダイエットをしている   ●食べるものが偏っている


【甲状腺機能低下症】

 甲状腺の機能が低下して、全身の新陳代謝が落ちる。記憶力低下や眠気、無気力なども表れやすい。女性に多い。
●最近、太ってきた、むくみやすくなった   ●寒がりになった、肌もカサつく
●疲れやすい、眠い


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2014年3月28日金曜日

花粉症の意外な原因

アレルギーとエンドトキシン

 アトピーは皮膚炎だけでなく、花粉症・ぜんそくなどのアレルギー疾患も含まれる総称です。この疾患は20世紀後半、先進国で激増しました。花粉症だけで4500万人以上もの日本人が患う病となっていますし、小児のアレルギー性皮膚炎は三人に一人です。急増の原因として、これまでは花粉・ダニの増加、大気汚染と考えられてきましたが、意外な原因があることがわかってきています。

 南ドイツで、農家と非農家の子供の家のホコリを集め、「エンドトキシン」と呼ばれる細菌成分の量を調べたところ、それが多い農家の子ほど花粉症とぜんそくを発症していませんでした。ヒトの免疫システムは、1歳までに決まってしまいます。乳幼児期(1歳まで)にエンドトキシンの曝露が少ないと、免疫システムが成熟できず(細菌に対する免疫とウイルスに対する免疫のバランスが取れない状況で確定してしまう)、アレルギー体質になってしまうというものです。
農家のエンドトキシンの最大の発生源は家畜の糞です。糞に住みついている細菌の死骸がエンドトキシンは発生します。つまり、糞に触れることのない清潔な社会がアレルギーを生んだとも言えます。
 日本の調査でも昭和30年生まれの人を境にアレルギー体質の人が増えてきたことと、牛や馬などの家畜との接触が減ってきたことの間に重要な関連性があることがわかってきています。
 また、一番目の子供より、二番目以降の子供の方がアレルギー体質になりにくいのは、外遊びを覚えた上の子が、屋外からエンドトキシンを持ち帰るからだといわれています。
 現在ドイツでは、子どもが生まれると1年以内にベビーカーに乗せて農家や牧場に連れて行くことが当たり前になっているそうです。

 ヒトの免疫システムが完成したのは2億年前。ほ乳類にはは虫類のようなウロコや固い皮膚がなく、外敵の攻撃を受けやすいものでした。しかし新しい免疫システムを獲得したほ乳類は、「IgE(免疫グロブリンE)と呼ばれる免疫物質によって外敵を撃退できるようになっていきました。
 そして2億年前に完成した免疫システムを、人類は自らが作り出した清潔で合理的な生活を手に入れることと引き換えに、失いつつあるという皮肉な現状を招いているのです。

「健やか牧場のホームページ」http://dryend.shop-pro.jp/?pid=14312330 も、ぜひご覧ください。


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2014年3月22日土曜日

サルコペニアは“老齢症候群”の一つ

サルコペニア、アジア版診断基準

 「サルコペニア(sarcopenia)」は、サルコが筋肉、ペニアが減少という意味で、加齢に伴って骨格筋量や骨格筋力が著しく低下する症候群です。サルコペニアの症状が起きると、転倒、骨折、寝たきりになるリスクも格段に高まります。
 2010年に欧州の老年医学の研究グループが、サルコペニアの診断基準を作りました。しかし、欧米人のデータを基にした基準値は、体格の異なるアジア人には必ずしも適さないと考えられていました。
 そこで、日本、韓国、中国、香港、タイなど、アジアの七つの国・地域の研究者が2013年から協力、改めてアジア人向けの診断基準をまとめ、今年1月、新たにアジア人の体格に合った診断基準が発表されたのです。日本老年医学会も「高齢者の健康維持を図る目安の一つとして活用したい」としています。
 診断におけるサルコペニアの定義としては、「①筋肉量の減少、②筋力の低下、③身体能力の低下、のうちのいずれかがある状態のこと」としています。
 今回できたアジア人向けの診断基準では、高齢者がサルコペニアかどうかを診断する際、①の筋肉量はCTやMRI等を使用して測定します。②の筋力としては、握力測定、ひざの屈曲筋力・伸展筋力、最大呼気流量測定。③の身体能力としては、通常歩行速度、簡易身体能力バッテリーなどで測定します。

 実際にサルコペニアと診断された人について、研究班メンバーで京都大教授の荒井秀典氏(老年医学)は、「加齢に伴う筋力低下はある程度仕方ないが、著しい低下は寝たきりなどの危険を高める。改善のため、たんぱく質をしっかり取り、適度に運動する必要がある」と言っています。
 中高年になると、生活習慣病予防のために肥満を気にする人が増えますが、「75歳以上になると、むしろ低栄養状態が問題になるケースが多い。もちろん食べ過ぎはよくないが、肉や魚、卵、乳製品など、たんぱく質を多く含む食品を毎日食べた方がよい」(荒井教授)とのこと。
 歯が悪い人や、食事をのみ込む機能に問題がある人は、介護食やサプリメントを活用をするのが有効です。

■サルコペニアは“老齢症候群”

 「老齢症候群」とは、加齢に伴う心身の機能の衰えによって現れる身体的・精神的諸症状・疾患の総称です。高齢者に多く見られ、様々な原因や症状が連鎖的に関連して悪循環を生じやすいことが特徴。主な症状に、認知症、せん妄(もう)*、うつ、めまい、骨粗鬆症、転倒、尿失禁、食欲不振などがあります。
*せん妄:意識混濁に加えて幻覚や錯覚が見られるような状態のこと。

サルコペニアの定義

サルコペニアには、世界的に統一された見解はありません。しかし、運動障害、転倒・骨折の危険性の増大、日常生活の活動能力(ADL)の低下、身体障害、自立性の喪失、および死亡する危険性の増大などが指摘されています。このように加齢に関連するサルコペニアは、現在の老年症候群の定義に一致するため、老年症候群の一つと考えられています。

サルコペニアを定義するには、筋肉量、筋力、身体能力を測定します。基準値は、筋力の測定では握力が男性26kg、女性18kg未満です。身体能力の測定は歩行速度が秒速0.8m以下。どちらか一方でも該当すると、サルコペニアが疑われます。握力の基準値は両手で各3回測り、最高値をとります。歩行速度(秒速0.8m)の目安は、青信号で横断歩道を渡りきれるかどうかです。握力か歩行速度が基準値以下なら注意が必要と考えられます。

 仮に筋肉量が基準値を超えているのに、握力や歩行速度が基準値以下なら、パーキンソン病変形性膝関節症など、他の病気が影響している可能性も考えられます。

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 鮪の赤身などには、筋たんぱく質を作り出しやすく壊れにくくする働きがある「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」が多く含まれています。
 康復医学学会の研究を元に開発された『薬膳の素』は、その鮪の赤身に昆布・椎茸を加えた、三大うま味成分素材の混合だしです。アミノ酸スコアは「100」。吸収力が高いコラーゲンペプチド**タイプの理想的なBCAA補給源です。
**コラーゲンペプチド:ゼラチン(コラーゲン)を分解し低分子化した高純度のたんぱく質。食品として摂取した場合、体内でアミノ酸に分解しやすいため、吸収性が高められる。

(参考)サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&A
 ⇒ http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/sarcopenia_EWGSOP_jpn-j-geriat2012.pdf


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2014年3月20日木曜日

寝言と病気

危ない寝言

 「春眠暁を覚えず」――春の夜は、心地よく眠ることができて朝が来たことにも気付かず、寝坊しがちです。
 しかし、“寝言”というものは自分ではなかなか気づかないものです。むにゃむにゃと楽しそうな寝言なら可愛いものですが、隣で寝ている人から「危ない寝言」を指摘されたら、対処しないと後悔することになります。

 寝言は生理的な反応です。浅い眠りの「レム睡眠」時に夢などの影響で言語中枢が刺激され、言葉として発せられるケースが多いのです。このような生理的な寝言は、小声で、短く、感情的な言葉ではない等の特徴があります。ひと言ふた言しゃべるだけで、人から「なんかゴニョゴニョ寝言を言ってたわよ」などと指摘される程度なら問題はありません。
 しかし、次のようなケースは要注意です。

 ある男性さんの場合、真夜中に「グガガガーツ!」と叫び声を上げたと思ったら、いきなり隣で寝ている妻に殴りかかったり、蹴りつけ始めました。寝ぼけているためかそれほど力は入っておらず、ケガをするような暴力ではなかったので、妻は無理に起こそうとはしませんでした。また、寝ている時に「ふざけるな!」とか「バカ野郎!」などと怒鳴り散らし、空中を殴ろうとして拳を振り回したり、布団を蹴り上げたりするようなこともありました。

 練馬光が丘病院リウマチ内科顧問の後藤眞医師は言います。
 「就寝中に大声で叫んだり、はっきりした口調で罵倒したり、隣でている人を殴ったり、蹴ったり、首を絞めたりする場合は注意してください。夢の中の行動をそのまま実行に移してしまうのは『レビー小体型認知症』『パーキンソン病』『ナルコレプシー』の前駆症状で、その症状がある人はそうした病気になりやすいという研究報告があります。いずれも脳の働きに関係する病気で、寝ている間も、脳波の異常によってそうした症状が出てきていると考えられます」

 レビー小体型認知症は、脳の神経細胞が変性・減少して起こる変性性認知症ではアルツハイマー型に次いで多く、男性の方が女性よりも2倍多いといわれています。「認知機能の低下が表れる前に、実際には存在していないものが見えてしまう『幻視』が起こり、進行ずるとパーキンソン病のような歩行障害を伴うケースが多い。やたらと大声で怒鳴ったり、暴力的になったりするタイプの認知症です」(後藤医師)。

 「危ない寝言」はさまざまな病気の前駆症状として表れることがあります。そして、その寝言の原因は睡眠障害にもあるのです。

■病気が原因の寝言

病気が原因で起きる寝言もありますので、注意が必要です。普段あまり寝言を言わない人でも、インフルエンザなどで高い熱が出ると寝言を言うことがあります。
 また、ストレスも寝言の原因になります。強いストレスにさらされると、寝言の回数や程度が増えます。

寝言に関わる主な病気

睡眠時無呼吸症候群

中高年に多い「睡眠時無呼吸症候群」でも、寝言がみられます。うめき声やあえぎ声のことが多く、はっきりした単語はあまり聞かれません。寝言にいびきや呼吸停止を伴うときは、この病気が疑われます。

レム睡眠行動障害

この病気は、夢の中での動きをそのまま現実世界でもやってしまうもので、初老期以降の男性が時々かかります。本人や隣で寝ている人がケガをすることがありますから、注意が必要です。

ナルコレプシー

睡眠障害の一種で「居眠り病」とも呼ばれています。覚醒させる神経システムが弱くなるため、一日に何度も急に耐え難い眠気に襲われて眠り込んでしまいます。 寝言の内容は感情的なものが多く、しばしば悪夢を伴います。若い頃に発症し、笑ったり怒ったりすると急に体の力が抜けたり(情動脱力発作)、寝入りばなに幻覚を見たり(入眠時幻覚)、金縛りにあったり(睡眠麻痺などの症状が表れます。

パーキンソン病

パーキンソン病は、脳の神経伝達物質ドーパミンの減少で発症します。手足の震え、筋肉のこわばり、歩行障害等の症状が特徴で、日本では20万人も患者がいるといわれています。
 ドーパミンが減少する前に、まず脳幹という部分の辺りに何らかの異変から、睡眠を調節する神経に障害が起きて「寝言」を発すると考えられています。

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 寝言が関わる病気は、脳内の神経伝達物質の分泌異常が影響し、睡眠の質の低下から進行することがあります。睡眠の質に関わる数種類の神経伝達物質は分泌のバランスが重要で、そのバランスを調整しているのがセロトニンです。
 康復医学学会が研究している「ラフマ」には、セロトニンの分泌促進に関するデータがあります。このラフマエキスを配合した商品が『アンチストレス』*です。また、深部体温を下げ、良質の睡眠が期待できるのがアミノ酸の一種グリシンです。康復医学学会のグリシンの研究から、『甘みストレスフリー』*という甘味調味料が生まれています。
*は全て和漢生薬研究所の商品です)


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2014年3月14日金曜日

心臓の病気

冠動脈の疾患「急性冠症候群」とは

「急性冠症候群」をご存じですか? 心筋梗塞、不安定狭心症、心臓突然死の総称です。これらは、いずれも原因が同じです。

 三越厚生事業団の水野杏一常務理事(日本医科大学名誉教授)は次のように話しています。
 「心臓を養う冠動脈にコレステロールなどが沈着して動脈硬化が起こり、プラークといわれる異常な組織が形成されます。何らかの刺激でプラークが崩壊したり、表面に裂け目が入ると、血小板が集まって血栓ができ、冠動脈が狭くなる。急激に狭くなると不安定狭心症、完全に詰まると心筋梗塞、この時に不整脈が生じると心臓の突然死になります」(以下、すべて水野氏)
病名は違っても、原因が同じなら対策も同じです。そのことから、急性冠症候群という総称で呼ばれるようになったといいます。

 この急性冠症候群は、全ての人にリスクがあり、加齢とともにそのリスクは上がっていきます
 「喫煙、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった要因を持っている人はリスクがより高い。しかし、だれでも加齢で血管は老い、プラークや血栓ができやすくなります。だから喫煙などの要因がゼロでも、リスクがゼロではありません」

近年、崩壊しやすいプラークと、そうでないプラークがあることが分かってきました。
 「プラークが軟らかく、プラークを覆う皮膜が薄いと崩壊しやすい。また、プラークにマクロファージ(体の掃除役を担う細胞)や炎症細胞が多いと崩壊しやすい。これらは明らかになっていますが、どういう人に崩壊しやすいプラークが多いかは、詳しく解っていません」

 自分の状態を確実に調べられないので、急性冠症候群が疑われる症状があれば、すぐに対策を講じなければなりません。
 「特徴的な症状は、胸痛息切れです。しかし、意外な症状が出ることもあります。例えば、肩の痛みで心電図をとったら心筋梗塞で、病院に着いた時には心破裂を起こしてしまった、ということもあります。肩凝り、歯痛、腹痛、腕の痛みなどの症状を訴える人もいます。これまで感じたことがない痛みがあったら、循環器科のある病院をすぐに受診すべきです」

 もうひとつ急性冠症候群が疑われる症状のポイントは、冷や汗です。
 「冠動脈の狭窄(きょうさく)で心臓のポンプ作用が弱まると、交感神経が心臓を動かそうと信号を出します。交感神経が優位に立つので、汗が出るのです」

 「症状が弱い」「しばらくして治まった」という時も、油断は禁物です。
 不安定狭心症は対処が遅れると心筋梗塞につながり、さらに対処が遅れると死に至ります。
 ただ、心筋梗塞の治療技術は向上しており、早い段階で病院に運ばれれば、病院内の死亡率は6%と低くなっています。
 心筋梗塞の死亡の半数以上は「院外死」です。
 「病院へは早く行けば行くほどいい。心筋梗塞の発症から詰まった血管を再灌流(かんりゅう)(再開通)するまでの時間によって、治療効果は大きく異なる。近年の報告では、150分の再灌流と90分以内の再灌流では、院内で死亡するリスクは150分の再灌流の方が1.7倍も高い。カテーテル治療などによる再灌流は、搬送の時間を含め120分以内に行うのが理想と考えられています」
 救急車で病院に運ばれても、検査やカテーテル治療、手術の準備などで、120分なんてあっという間に過ぎます。「あっ!と思ったら即行動」が、急性冠症候群から身を守る鉄則なのです。
(日刊ゲンダイより)

■対策:急性冠症候群

急性冠症候群は冠動脈閉塞により引き起こされます。結果は閉塞の程度によって異なり、不安定狭心症から心筋梗塞、および心臓性突然死まで様々です。症状は(突然死を除く)それぞれにおいて同様で、呼吸困難、悪心、および発汗を伴うまたは伴わない胸部不快感などがあります。

プラークの破砕から冠動脈の狭窄


 心臓の冠動脈は、他の血管と同様に、年齢と共に「悪玉コレステロール」を主とした脂質が沈着します。これを「プラーク」といいます。このプラークが何らかの原因で破けて、急にできた血栓で冠動脈が狭窄を起こすため、血流が非常に悪くなり狭心症になります。さらに、狭窄が進み血管が詰まってしまって心筋梗塞へ至ります。これが急性冠症候群です。

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 プラークの破砕から冠動脈の狭窄に至る血栓は、形成し始めると次から次へと形成されます
 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、血栓を医薬品のように血栓を溶かすことはありません。しかし、血栓形成の抑制に影響するエビデンスを持っています。

 また、ストレスを生じると、ストレスホルモンの分泌からノルアドレナリン・アドレナリンが上昇し、血小板凝集を促して血栓を形成します。その他脂質異常症、糖尿病、高血圧、喫煙、加齢などの危険因子が多い人ほど、急性冠症候群にかかりやすいといわれていますので、注意が必要です。


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2014年3月13日木曜日

冷え症の原因と対策

急増中! 「隠れ冷え症」

手足が冷たいわけでもなく、むしろ火照るくらいなのに「あなたは冷え症です」と診断される人は男女ともに少なくありません。

 冷え症といえば、手足の先端が冷えるなど、女性に起こりがちな症状として捉えられがちです。
 しかし最近は、見えにくい、感じにくい冷え症が増えているのだそうです。特に、男性に多く見られるのは、日中のほとんどをパソコンの前で過ごすために血行不良となり、そこから冷え症を誘発しているタイプです。また、胃腸が弱い人に見られる、内臓が冷えているというタイプ。このタイプは手足が温かいから気づきにくいという特徴があります。そして、過労やストレスなどからくる自律神経の乱れが起こす冷え症というのもあります。

 隠れ冷え症の特徴としては、自分の身体に触れてみても「(自分が冷え症かどうか)よくわからない」ということです。日中は活動量に比例して多少なりとも冷えが緩和されることもあるので、朝、起きたときに一度自分の身体に触れてみることが大切です。実際に触ってみて、脇の下と腰回りや太ももとの体温差がないかをチェックします。もし、腰回りや太ももの体温が脇の下より低いようなら、冷え症の可能性が高いといえます。
 また、次のような項目もチェックしてみて下さい。

・お風呂に浸かる習慣がない(シャワーのみ)
・日中、デスクワークで同じ姿勢でいることが多い
・低血圧気味で、朝起きるのがつらい
・運動習慣がない
・肩こりがひどい
・ストレスを感じている
・タバコを吸う

 いずれも、血行不良に関係しています。血行が悪いと、手足の先の毛細血管には血液が流れません。血液は酸素や栄養素だけではなく「熱」も運びます。つまり末端組織に熱が届かず冷えが生じ、疲労物質が血液中にたまって肩こりや頭痛などを起こしやすくなります。
 特にタバコの場合、急激に血管を収縮させてしまうため、冷え以外の症状が出ることがありますので注意が必要です。

 西洋医学では、冷え症が病気として扱われることはあまりありません。しかし、風邪をひきやすかったり、風邪がいつまでも長引いたり、肩こりや頭痛など病気では無いが不快な症状が絶えずあったりするようなら、血流対策を中心にして冷え症改善に真剣に取り組むことが大切です。症状を緩和する手立てになります。

■冷えは「万病のもと」

冷え症は、免疫力をも低下させ、インフルエンザなどのウイルスや菌に感染しやすくなります。また、女性の場合はお腹が冷えると婦人科系の疾患になりやすくなったり、エネルギーの代謝が低下するため太りやすくなったりします。
 「自分は冷え症じゃない」と思っていても、「体のあちこちに不調がある」「ダイエットしても効果がない」「病気がち」といった悩みがある人は、一度「冷え症」を疑ってみて下さい。

冷え症の主な原因

○皮膚で感じる温度機能の低下

冷暖房が効いた室内と温度差のある屋外を行き来するうちに、皮膚の温度センサーが混乱してうまく働かなくなってしまい、冷え症に。

○身体の司令塔、視床下部の異常

体温の調節をはじめ身体を一定の状態に保つのが、脳の「視床下部」です。ストレス、自律神経失調、月経異常、更年期、睡眠不足などで視床下部に異常が起きると体温調節に影響し冷えの原因となります。

○血流低下~酸素・栄養素不足~熱産生の低下

冷えの原因で一番多いのが、微小循環(末梢血管)血流の低下です。
 血液粘度、貧血(血液の量が少ない)、低血圧(血液を全身に送る力が弱い)、動脈硬化などが要因で低下します。また、微小循環血流が低下すると、必須栄養素、や酸素が十分に細胞に運ばれず、エネルギー産生(熱産生)の低下を招きます。

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 冷え症に多い末端の微小循環血流の低下は、生活習慣や食事などから起きる血液粘度の上昇、赤血球の変形能低下や凝集などが原因です。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、微小循環の血流改善に対して、様々なアプローチによるエビデンス(科学的根拠)を持っています。
 また、ストレスにより毛細血管の入口・出口が収縮し血流が低下している場合、その拡張には、NO(一酸化窒素)が大きく関わります。特系霊芝には、その血中NOの産生を促進させるエビデンスがありますので、冷え対策としても効果的です。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2014年3月7日金曜日

糖質制限食のメリット

日本人初の比較試験、糖質制限食vsカロリー制限食

康復医学通信でも度々お送りしてきた「糖質制限」。その後、出版物やメディアで取上げられたり、糖尿病学会が異論を唱えたりと話題が尽きません。

 1月中旬、北里大学糖尿病研究センターによる「糖質制限食vsカロリー制限食に関する報告」が、日本内科学会の英文誌に掲載されました。
 試験対象は、同センター外来に通院する2型糖尿病患者24人(平均年齢63.2歳、うち男性が12人)。平均BMIは25.8で、糖尿病の指標となるHbA1cは平均7.6%です(6.5%以上で糖尿病と診断されます)。被験者のうち12人には従来通りのカロリー制限食(体重1kg当たり25~30kcal)を、残りの12人には糖質制限食として1食の糖質量を20~40g、1日の糖質摂取量70~130gに制限してもらいました。ちなみに、糖質制限食群には、たんぱく質や総カロリー摂取量の制限は課していません。
 被験者は開始時と、2カ月後、4カ月後の3回、指導を受け食事療法の順守を確認しています。
 その結果、試験開始6カ月後に糖質制限食群でのみ、HbA1cが有意に改善しました。しかも、改善幅はカロリー制限食群よりも大きくなりました。中性脂肪値も糖質制限食群でのみ、有意に改善しています。治療満足度に差はありませんでしたが、「治療の負担感」は糖質制限食で軽い傾向がありました。

 昨年、米国糖尿病学会は従来の懐疑的な態度から一転、糖質制限食を食事療法のひとつとして認めました。糖質=主食制限による高たんぱく・高脂質食が、腎機能や脂質代謝の悪化につながるのではという懸念が払拭されたためです。
 今回の試験でも腎機能の悪化や脂質異常は認められませんでした。研究者は、長期の大規模比較試験の必要を認めながらも「現時点で、カロリー制限食に対するサブ的な食事療法として糖質制限食は安全で有効だ」と結論付けています。
 日本人を対象にした糖質制限食vsカロリー制限食の比較試験は、今回が初めてということです。

■糖質制限の食事方法とは

糖質制限は、文字通り糖質の摂取をできるだけ少なくする食事療法です。糖質さえ制限すればできるので長期に渡って実践でき、ストレスは少なくメリットの多い食事療法と考えられています。

糖質制限のメリット

○食後高血糖がほとんど生じない

血糖値を上昇させるのは糖質だけなので、脂質・たんぱく質を中心に摂取する糖質制限食なら食後高血糖が生じません。一方カロリー制限食(高糖質・低脂質食)は、1日1600kcalに制限し、ひもじい思いを我慢して頑張っても糖質を55~60%摂取するので、必ず食後高血糖を生じます。

○一日の平均血糖変動幅も極めて少ない

朝昼夕を通して、糖質制限食なら食後血糖値上昇が少ないので、食前・食後血糖値の変動幅がほとんどありません。これに対してカロリー制限食は、食前・食後血糖値の変動幅が大きく、血管内皮と身体代謝に負担がかかります。インスリン注射や薬を内服しても、カロリー制限食の場合は、食後高血糖のコントロールは困難ですし、厳格に治療し過ぎれば低血糖のリスクが増加します。

○基礎分泌インスリンがある程度保たれている段階なら、空腹時血糖値も改善する

糖尿病が発症した時点で、インスリン分泌能力はかなり低下しています。糖質制限食で膵臓のβ細胞が休養できて回復すれば、空腹時血糖値も正常になります。しかしβ細胞が一定以上死滅していたら、基礎分泌インスリンが回復しないので、空腹時血糖値が正常にまで改善することは困難です。

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 糖質は、糖尿病だけに限らず、毎日の生活で少しずつ体内に溜まっていくAGE(終末糖化産物)も問題です。これを少しでも溜めないようにするのが糖質制限の目的でもあるのですが、「甘み」に対する制限は、ストレスの蓄積を招きます

 康復医学学会の研究から生まれた甘味調味料『甘みストレスフリー』は、アミノ酸の一種「グリシン」が主成分です。グリシンの甘さはショ糖(砂糖)の約70%で十分に甘く、さらに炭水化物はゼロ(糖質も含む)です。グリシンは食品添加物として一般的に使われている成分ですので、安心して摂取できます。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ


2014年3月5日水曜日

若い女性に多い「慢性疲労症候群(CFS)」

突然、疲れが襲う! 微熱、喉の痛み、頭痛も。

 ある日突然、座っているのさえつらいほどの疲れに襲われる。微熱や頭痛が続き、朝起きることもできなくなってしまう。これらは、最近では20~40歳代の女性を襲うことが多い「慢性疲労症候群(CFS)」の症状です。

 風邪と思って病院に行くが、微熱や喉の痛みは治まらない。検査をしても疲労や筋肉痛の原因が見つからない。疲れているのに眠れず、次第に朝起きることができなくなり、会社を休む―。CFSでよく見られるケースです。
 「職場に迷惑をかけるからと休職するのですが、復職しても欠勤を繰り返し、退職せざるを得ないということもあります」(大阪市立大学医学部附属病院疲労クリニカルセンター・山口浩二医師)。

 1984年に米国で集団発生のあったCFSは、日本では現在約36万人の患者がいると報告されています。はっきりとした原因は分かっていませんが、インフルエンザやヘルペスなどのウイルス感染、精神的・肉体的なストレスなどにより、神経内分泌・免疫系の機能不全を来すことが関係しているのではといわれています。
 診断ではまず、疲労の原因と考えられる病気がないことを確認します。その上で、疲労感など診断基準となる主な症状があるか、6カ月以上続いているかを調べます。CFSでは、緊張やストレスによって高まる交感神経の働きが見られ、細胞の老廃物である血液中の活性酸素の量も増えます。

 CFSの根本的な治療法はなく、活性酸素を減らすとされるビタミンCや漢方薬などを処方したり、睡眠導入剤や痛み止めなどによる対症療法を併用しています。また、起床時に横になったままストレッチをする、ラジオ体操をするなど、続けることができる軽い有酸素運動も指導しています。
 山口医師は「CFSの患者は、ウイルスなどから体を守る免疫力の鍵となるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性数値が下がっているので、感染症には弱い。風邪やインフルエンザの予防に手洗いやうがいも大切です」と言います。

 該当する症状に悩む人は、一般内科を受診して疲労の原因となる他の病気が隠れていないか確認した上でCFSの対策を実践するのが望ましいとのことです。

■CFSは脳の機能低下が原因

肉体的な疲労で手や足、腰がだるいとしても、手足や腰の筋肉で疲労を感じているのではありません。筋肉の抹消から脳に信号が伝わり、脳で「疲れた」という感覚が生じているのです。その結果として、意欲や行動が低下すると考えられています。
 抹消組織から送られてきた信号を感知し脳内で疲労感を伝える物質の働きが「疲労の本質」といわれています。その過程は、免疫系や内分泌系もからんでいて、脳にこれらの働きを制御する、右図のような「疲労回路」があるのです。
 疲労感が長く続くCFS患者は、脳内の神経伝達物質の合成・分泌障害などが確認されていて、脳の疲労回路機能が低下していると考えられます。

原因はセロトニン神経の低下

CFS患者の脳全体を調べたところ、セロトニン輸送体の量が左図の点線部分のみで減少していました。
 これは、セロトニン終末(神経線維の末端)の数の減少を表していると解釈されます。同時にセロトニンの分泌量が減少していて、この部分でセロトニン神経が低下していると考えられています。

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 CFSのような、日常生活に支障をきたすほどの疲労に対しては、康復医学学会の研究テーマでもある「コエンザイムQ10」の効果に期待がもてます。コエンザイムQ10は、抗酸化エネルギー産生に関わるメカニズムが解明されています。

 また、同学会の研究素材の一つ「ラフマ」には、セロトニンの分泌促進のデータがあります。セロトニンは、睡眠ホルモンといわれる「メラトニン」の原料でもあり、CFSの症状の一つ“睡眠障害”の改善にも期待できます。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2014年3月1日土曜日

依存症とドーパミン

誰にでも起りうる依存症

前号で紹介した喫煙の習慣性は、ニコチンによる依存症が疑われます。
 “依存症”というのはWHO(世界保健機関)が提唱した概念で、以前は一般社会では「~中毒」などと呼ばれていました。「~がないと生きていけない」ように感じて、繰り返し行う状態を指します。
 依存症は患者数がとても多い病気です。例えば厚生労働省の推計では、喫煙依存症は日本に1300万人もいます。

3種類ある依存症

依存の対象は、「物質への依存」「プロセスへの依存」「人間関係への依存」の3種類があります。「物質への依存」の対象はニコチンやアルコール「プロセスへの依存」の対象はギャンブルやセックス「人間関係の依存」の対象は恋愛やカルト宗教などです。

各依存症の依存対象そのものには共通性がほとんどありませんが、実は人の脳の中で起る重要な共通点があるのです。それは、どの依存症も脳内神経伝達物質のドーパミンが分泌されているということです。
 ドーパミンが放出されて、脳は快感を覚えます。そしてこの結果は情報として海馬に記憶されます。このようなことが起こる物質や行為は、すべて依存症の対象になる可能性があります。つまり依存の対象になりそうなものを、アレルギー物質のように日常生活から取り除いたところで、また新たな対象に依存してしまうということも考えられるのです。

 依存症は物質だけが起こすものではなく、脳自体の病気なのです。人は最初の体験が快感とともに記憶されると、「再びあの体験をしたい」と考えるようになります。しかし、日常生活でドーパミンが放出される状況は、なんら特別ではありません。そのたびに依存症になっていたら、世の中の人はすべて依存症になってしまいます。
 そうならないように、ドーパミンその他の神経伝達物質のバランスを、脳内セロトニンが整えて、過度の反応を抑えているのですが、依存症の人の脳ではドーパミンが過度に分泌されてセロトニン作用が追い付かず、バランスが崩れてしまっているのです。


 例えば強烈な欲求があり、やめられないというだけならば毎日の食事も依存症に当たるかもしれません。しかし、普通は食事を1日3回にコントロールできます。
 もし、食事の量が極端に増え、生活費の大半を食費に使い、必要以上に食べては吐きを繰り返し、悪いとわかっていてもやめられないとしたら、それは過食症(摂食障害)という依存症なのです。

国際的な依存症の診断基準

 (1)対象への強烈な欲求・強迫感がある
 (2)禁断症状がある
 (3)依存対象に接する量や時間などのコントロールができない
 (4)依存対象に接する頻度や量が増えていく
 (5)依存のために仕事や通常の娯楽などを無視または制限する
 (6)心や体に悪いことを知っていても続けている

 上記の6症状のうち、過去1年以内に3つ以上を繰り返し経験したか、1ヶ月以上にわたって3つ以上の症状が同時に続いた場合、依存症と診断されます。

ドーパミン過剰・ドーパミン不足になると

ドーパミンは、脳の前頭前野を興奮させ、意欲的にさせる物質ですので、過剰に分泌されると・・・

 (1)興奮状態になり、時には攻撃的になる
 (2)アルコールやタバコの依存症や過食など、ある種の行動がやめられなくなる
 (3)幻覚を見たり、妄想を抱いたりする(統合失調症)

また、ドーパミンが不足すると・・・

 (1)意欲や興味、好奇心などが減退し、無気力な状態になる
 (2)パーキンソン病を発症する

などの症状が表れます。また、うつ病もドーパミンとの関係が疑われています。
 これらの病気の仕組みをよく理解して、自分へのご褒美である快楽物質をコントロールしていくことが重要です。

※『脳内麻薬』(中野信子著/幻冬舎新書)参考


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