2014年5月21日水曜日

虚血性心疾患の危険な要素・動脈硬化

突然、元大関を襲った病気

放駒・日本相撲協会前理事長(元大関・魁傑)は、1979年現役を引退後、親方として横綱大乃国を育て、八百長問題でも解決に尽力しました。「関取である前に立派な社会人であれ」と願い、愛弟子の横綱昇進の引き出物として、広辞苑を配って当時話題になりました。
 先日、その放駒前理事長の命を奪ったのは心筋梗塞でした。息子と孫の3人で行ったゴルフ練習場で、突然「気分が悪い」と言って倒れ、救急搬送されたのでした。死因は虚血性心疾患と発表されました。

 虚血性心疾患とは心筋梗塞と狭心症の総称です。心筋梗塞による死亡者は年間約19万人。およそ2人に1人は発症から数時間で亡くなるといわれていますので、今回のケースは決して他人事ではありません。

 「心筋梗塞は、血圧が急上昇するときに発症しやすい。1週間のサイクルだと月曜日、1日の流れでみると起床後1~2時間が要注意です。休んでいた状態から体を動かす状態に変わると、だれでも血圧が上がる。持病として高血圧がある方は、要注意です。また、朝のトイレでいきんだり、遅刻を回避しようと小走りになったりすると、さらに血圧が上がります。それに通勤ラッシュや社内トラブルなどのストレスが重なったりする朝は、血圧上昇の要素がたくさんあり、月曜日の午前中は特に危険です。通勤中や出社直後に発症することが多いのです」(東京都健康長寿医療センター・桑島巌顧問=高血圧外来)

 放駒前理事長が発症したのは日曜でしたが、ゴルフはスイングの瞬間に力むため血圧が上がりやすく、約30年前から患っていた糖尿病の影響も、今回指摘されています。
 糖尿病専門医で、加藤内科クリニックの加藤光敏院長は言います。
 「糖尿病は、ほかの病気以上に動脈硬化が重くなりやすい。そういう方が運動などで脱水すると、重症の心筋梗塞を起こしやすいのです。東京は5月でも夏日が続いていますから、ゴルフによる脱水の影響があったのかもしれません。脱水というと、運動ばかり注意しますが、温泉などの入浴も危ないのです」

■虚血性心疾患

虚血性心疾患の主な原因は、冠動脈硬化による狭窄です。また、冠動脈攣縮(れんしゅく)といって冠動脈が何らかの原因で強く一時的に収縮し、冠血流量を減少させるような場合もあります。冠動脈攣縮は、もともと冠動脈狭窄がある場合に多く見受けられます。

心筋酸素の不足:心筋虚血

心筋虚血は心筋に供給される酸素量よりも、心筋が消費する酸素量が多いときに起こります。心筋酸素消費量が増加、あるいは心筋酸素供給量が減少しても、心筋虚血は起こります。
 心筋酸素供給量を決定する因子には、
 ①冠動脈の状態(冠動脈の内腔の大きさ) 
 ②その中を流れる血流量 
 ③血液を押し流す圧力(血圧)
が関係します。
 冠動脈が拡張すれば、冠血流量は増加します。しかし、動脈硬化などで冠動脈内腔が物理的に狭くなった状態では、血液は流れにくくなります。

虚血性心疾患の危険な要素

虚血性心疾患の危険な要素に動脈硬化があります。男性は女性と比較して動脈硬化を起こしやすいのですが、女性でも閉経期を過ぎるとLDL(悪玉コレステロール)を低下させる作用を持つエストロゲン(ホルモン)が減少するため、動脈硬化を起こしやすくなります。

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虚血性心疾患を引起こす動脈硬化の危険因子

◆コントロールができないもの
 ○年齢(加齢)
 ○性別(男性) 
 ○遺伝(動脈硬化疾患の家族歴*
◆コントロール可能なもの
 ○病気 : 高血圧*、脂質代謝異常(高脂血症*)、糖尿病*、高尿酸血症
 ○生活習慣 : 喫煙*、肥満、運動不足、ストレス
*は特に危険な因子
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いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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