2014年6月7日土曜日

老化に関する新名称「フレイル」とは

健康と病気の中間的な段階「フレイル」

 「しんどい」とか「よれよれする」と症状を訴える高齢者が病院を受診すると、医師は一般的に「年を取ると誰でも筋力や活力が衰え、老化現象ですよ」と説明します。
 その説明に烈火のごとく怒り、「老化は分っているけど、医者に言われたくないわ!」――そう言い残して帰ってしまう高齢者がいるそうです。
 80歳でも「老化」という言葉を使ってはいけないようです。

 日本老年医学会は、高齢になって筋力や活力が衰えた段階を「フレイル」と名付け、予防に取り組むとする提言をまとめました。これまでは「老化現象」として見過ごされてきましたが、統一した名称をつくることで医療や介護の現場の意識改革を目指しています。

 フレイルは「虚弱」を意味する英語「frailty」から来ており、健康と病気の「中間的な段階」を指します。提言では、75歳以上の多くはこの段階を経て要介護状態に陥るとしています。高齢になるにつれて筋力が衰える現象は「サルコペニア」と呼ばれていますが、さらに生活機能が全般的に低くなるとフレイルとなります。
 米国老年医学会の評価法では、【①1年間で4~5kgの体重減少 ②疲れやすくなった ③筋力(握力)の低下 ④歩行スピードの低下 ⑤身体の活動性の低下】のうち、3つが当てはまる場合、フレイルと認定しています。国立長寿医療研究センターの調査によると、愛知県大府市に住む65歳以上の高齢者約5千人(脳卒中などの持病がある人を除く)のうち11%が該当したということです。

 フレイル段階になるのを防いだり、遅らせたりするには、たんぱく質を含んだ食事定期的な運動が効果的だとされます。提言を作成した荒井秀典・京都大教授は「適切に対応すれば、心身のよい状態を長く保つことができるという考えを浸透させたい。医療や介護の費用の抑制にもつながる」と話しています。
(出典:朝日新聞デジタル)

 これまでは「老いれば当然」と受け止められてきましたが、新しい考えでは、健康長寿を保つために、食事や運動などの生活習慣の中で防ぐことが重要だとするものになっています。

■サルコペニアとフレイル

高齢者の要介護の要因として、脳卒中や骨折などの急性疾患を伴うもの以外に、加齢を背景にしたサルコペニアの存在があります。上記で紹介した「フレイル」はサルコペニアが進行し多臓器機能などが低下することも要因で高齢者特有のものです。

持病の悪化や疾患で重度化

フレイルがさらに重度化していく要因としては、認知症や持病の悪化加齢による脆弱化脳血管疾患がん等、複数が関与していることが報告されています。
 特に要介護になると、低栄養や活動性低下の原因となる痛み、うつ、体調不良等により、廃用による老化、すなわちサルコペニアが一層促進されフレイルに進行します。

フレイルの予防法

① 十分なたんぱく質、ビタミン、ミネラルを含む食事を心がける
② ストレッチ、ウオーキングなどを定期的に行う
③ 身体の活動量や認知機能を定期的にチェックする
④ 感染予防(ワクチン接種を含む)を心がける
⑤ 手術の後は栄養やリハビリなど適切なケアを受ける
⑥ 内服薬が多い人(6種類以上)は主治医と相談する
(京都大荒井教授による)

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 フレイルを予防するには、前段階のサルコペニア対策が重要です。サルコペニアの要因として、筋肉量を保つたんぱく質の摂取量が不十分であることがわかっています。そのたんぱく質は、消化の過程でアミノ酸・ペプチドという小さい単位まで分解されてから体内に吸収されます。アミノ酸の投与に対する高齢者の骨格筋たんぱく質代謝の反応は、若齢者と同じであり、アミノ酸の経口摂取により、高齢者の骨格筋たんぱく質合成は若齢者と同程度に増加することがわかっています。
 康復医学学会も奨めている『薬膳の素』(和漢生薬研究所)は、アミノ酸スコア100で、吸収力が高いコラーゲンペプチドタイプ。理想的なたんぱく質の補給源だといえます。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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