2014年8月13日水曜日

大動脈解離

高血圧に忍び寄る危険、大動脈解離

大動脈は体の中で最も太い血管で、心臓から送り出された血液はここを通って全身に行き渡ります。この血管が裂けてしまう病気が大動脈解離です。発症すると直ちに救急車を呼んでも、病院に運ばれる前に亡くなるケースも多く、このため起きてからではなく、できるだけ予防につとめることが大切です。直接の原因ははっきりと分かっていませんが、高血圧などが関係していると考えられています。

 大動脈解離は元気に過ごしていた人が前触れもなく突然発症し、亡くなる例が多い病気です。患者は50代以降の男性を中心に、国内では年間で約1万人が発症しているとみられます。昨年末に亡くなった、歌手で音楽プロデューサーの大滝詠一さんもこの病気でした。

胸や背中が鋭く痛む

大動脈の血管壁は3層構造になっており、血液が接する側から内膜、中膜、外膜と呼ばれています。内膜の血管壁に何らかの原因で傷ができると、傷から穴が開き、血液が流れ込みます。そうなると中膜がはがれ、裂けてしまいます。これが大動脈解離です(高血圧がある人の場合は裂けるリスクが非常に高くなります)。
 大動脈の壁が瘤のように膨らむ大動脈瘤の一種として、解離性大動脈瘤と呼ぶこともあります。

大動脈は心臓から出て首に近い部分を通ってカーブし下に向かっていて、横隔膜を挟んで胸部と腹部に分かれます。解離が起きて血管が裂けているときは、その部分にこれまで体験したことがない強い痛みを感じます。

 横浜市立大学付属市民総合医療センターの井元清隆教授は「胸や背中、腰などに体が引き裂かれるような、突き刺さるような痛みを感じたと訴える人が多い」と話しています。
 まれに痛みが発生せず、意識障害や脚のまひが起きたり全身の倦怠感を覚えたりするケースなどもあります。

 大動脈解離によって起こる病態は主に3つです。
心臓に近い部分の大動脈の外膜が破れて出血すると、周囲に血液がたまって心臓が動けなくなる状態などを引き起こします。こうなると死に至る危険が増してしまいます。
 また、大動脈が枝分かれする部分に解離ができた場合は血液の流れが悪くなります。これが冠動脈で生じると心筋梗塞などを、頭へ向かう動脈で起こると脳梗塞などを引き起こすのです。血液が届かない臓器は働きがおかしくなります。さらに、大動脈にある弁がうまく閉じなくなって心臓に血液が逆流してしまう場合もあります。

 内膜が傷つき穴が開く理由は明確になっていませんが、多くは高血圧が関係していると専門家はみています。
「血管の内圧が高くなると、それに比例して内膜が引き裂かれる力が大きくなってしまうと考えられる」(井元教授)

 血管壁が弱くなる病気も、大動脈解離の発症に関係しているようです。代表的なのが遺伝が関係するマルファン症候群やロイス・ディーツ症候群など。
 東京慈恵会医科大学の大木隆生教授は「家族や親戚に解離を含む大動脈に関する病気を患った人がいたら、注意した方がよい」と指摘しています。本人が高血圧なら特に注意が必要です。

■大動脈解離の対策

大動脈解離は治療しないと高い確率で亡くなるので、すぐに対処する必要があります
 東京都内に住む会社員の男性Aさん(55)は20年ほど高血圧に悩まされ、降圧剤を服用していました。昨年8月、仕事の息抜きにアイスクリームを食べようとしたところ、肩と胸の間に激痛が走り、動けなくなってしまったのです。
 そのときAさんの頭には親戚が大動脈破裂で亡くなったことが思い浮かんだといいます。Aさんはすぐ病院に運ばれ、人工血管を入れる手術を受けました。リハビリを続け、数カ月後に職場復帰を果たしたAさんについて、東京医科大学病院の荻野均主任教授は「発症後の対応が素早くいった例だ」と話します。

予防対策(1):生活習慣を改善する

大動脈解離の予防はなかなか難しいですが、食生活などの生活習慣に気を配れば、リスク低減につながるといわれています。例えば、血圧を上げないように食塩の多い食品を避けたバランスのよい食事をとるとともに、適度な運動を心掛けるなど。
 たばこを吸っている人は早急にやめ、は適度を心がけて飲みすぎないようにするなど、生活習慣病対策と共通する取り組みが有効だと専門家は口をそろえます。一命を取り留めたAさんも、塩分の摂取量を意識するとともに、ウオーキングや体操などに取り組んでいるそうです。

予防対策(2):温度差を極力回避する

日常生活の中で血圧が激しく変動するのを避けることも大切です。例えば、冷房や暖房が効きすぎた部屋から外へ出るときなどに血圧が上がりやすいので、外気との温度差をなるべく少なくするようにしましょう。

 動脈の病気は静かに忍び寄ってきます。正しい知識を備え、日ごろから行動に気を配ることが重要です。
(出典:8月8日 日経新聞 夕刊)

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 大動脈解離は、動脈硬化を原因とすることも多く、その危険因子である高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病などに目を向ける必要があります。
 そして、動脈解離の予防には、循環器病に共通する“血流・血管の機能改善”が極めて大切です。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、高血圧対策、血管壁の血管内皮細胞の機能促進、血栓形成の抑制、微小循環の血流・環境の改善などに対するエビデンス(科学的根拠)があります。まさに大動脈解離の予防にピッタリの生薬と言えます。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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