2014年9月27日土曜日

食欲不振

その食欲不振、病気が原因かも?

味覚の秋、脂がのった魚など旬の食材に舌鼓を打つのを楽しみにしている人も多いと思います。しかし、好物を目の前にしても食欲がわかない、近ごろ食が細くなったなどと悩む人もいます。
 食欲不振の原因はさまざまで、心身が疲れていたり、病気が隠れていたりします。原因を突き止め、障害を取り除くことができれば、食を楽しめるようになります。

 食欲は人間の基本的な欲求で、健康のバロメーターです。食が進まない場合、何らかの不調を抱えているかもしれません。食欲不振では「食べたい気持ちはあるのに食べられない」「食べたい気分にならない」といった状態が続きます。

 食欲は脳の視床下部という場所で調整されています。食べるのを促すのが摂食中枢で、満腹になると満腹中枢が働いて、それ以上食べるのをやめさせます。この調整がうまくいかなくなると、食欲低下などにつながるのです。また、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスの乱れから食欲不振になるケースも多いようです。

 食欲不振の原因はさまざまですが、悲しい出来事や緊張感、疲れなどによって、食事が進まなくなったという経験は誰にでもあるものです。この場合、数日たてば食欲が戻るケースが大半で、あまり心配はいりません。

●腹部の異常やうつ

問題なのは、何らかの病気がもとになって食欲不振を招いている場合です。代表的なものでは胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなど消化器系の病気のほか、腎不全、甲状腺機能低下症などがあります。

 風邪やインフルエンザなどで食欲が減退するのもよく知られています。東都クリニック所長の野本一臣医師は「食欲不振がしばらく続いたら医療機関を受診した方がよい」と助言します。

 うつ病統合失調症などの精神的要因も考えられます。
 東京都内に住む40代の男性会社員のAさんは日常的に残業するなど多忙な日々を送っていました。次第に食事のときに腹痛を感じるようになり、食事の量が減ってしまいました。さらに寝付きが悪くなり、早朝に急に目が覚める症状も現れたのです。
 Aさんは病院で腹部の検査などをしましたが、異常は見つからず、いろいろ調べてもらったところ、軽いうつ状態と診断されました。抗うつ剤を服用しながら、仕事や生活スタイルを見直したところ、食欲も少しずつ戻ったといいます。

 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の安藤哲也ストレス研究室長は「個人差や状態にもよるが、食欲不振や体重減少のほか、憂鬱な気分、意欲の低下、睡眠障害などが続くとうつ病を疑う」と話します。こうしたケースでは、早めに治療を始めることが重要です。

 病気でなく日常の生活スタイルでも食欲不振は起こります。原因となるのは精神的なストレス運動不足過労睡眠不足飲み過ぎなどです。
 野本医師は「年を重ねると足腰が弱ったり、食べ物をかみ砕く能力が低下したりする。独り暮らしで孤独を感じてストレスが増す人もいる」と、特に高齢者に対して注意を促しています。

 一方、女性は妊娠初期のつわりでも食欲が落ちやすくなります。また、“やせたい”との思いから、自分がやせすぎだと認識できない、体重増を恐れて食べられなくなる、といった摂食障害が思春期などに出やすいものです。最悪の場合は死に至ることもあります。

●規則正しい生活を

それでは、日常生活でできる食欲不振対策にはどんなものがあるのでしょう。まずは不要な夜更かしなどをせず、できるだけ規則正しい生活を心がけることです。適度に運動し、酒は適量に抑えることが大切です。

 ただ、ストレスをなくすのは難しいことです。酒でストレスを発散する人も多いですが、趣味など酒以外で自分なりのストレス解消法をみつけることが重要です。悩みを抱えたときに相談できる相手がいると心強いものです。

 食べ方の工夫も有効です。消化がよく食べやすい物などを少しずつ食べるとよいでしょう。野本医師は、豆腐サンドイッチヨーグルト果物などを勧めます。
 国立健康・栄養研究所の高田和子栄養ケア・マネジメント研究室長は「消化器に問題がある人は、消化吸収のよいものを第一に考える。刺激物を避け、煮物でもいつもより軟らかめにするといった工夫をしてほしい」と提案しています。

 最近はゼリーなどの栄養補助食品や飲料タイプの流動食もあるので、利用するのもよいでしょう。ただし、吐き気があるときは無理をしないこと。また、東海大学の新井信准教授は「漢方は胃腸の具合を整えるのに向いている」と話します。必要なら漢方に詳しい医師などに助言を求めるのもよい方法です。

 食欲が低下すると、活力や行動するためのエネルギーも落ちて悪循環に陥りやすくなります。何かおかしいと思ったら、早めの対処が重要です。
2014/9/21 日経新聞

■ 病気が隠れている食欲不振

食欲不振になる原因は、食道や胃、腸のように直接食べたものが通る場所の病気だけでなく、肝臓や膵臓などの消化器の病気、慢性腎不全、うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患など腎臓、心臓、呼吸器の病気、脳血管障害などの脳や神経の病気、甲状腺機能低下症などのホルモンの病気、関節リウマチなどの膠原病、糖尿病、さまざまな感染症(結核や肺炎など)、悪性腫瘍など、体のあらゆる部位の病気によって、食事が進まない症状になることがあります

心理的ストレスも原因に

心理的なストレスが長く続いたり、葛藤が解決されないままでいたりすると、心身症として睡眠障害や疲労の症状とともに食欲不振が現れてくることがあります。 また、うつやアルコール、薬物依存、認知症などの精神疾患でも食欲不振の症状がみられることもあります。

心理的な食欲不振は自律神経の乱れが原因

自律神経には交感神経と副交感神経という2つの神経があります。交感神経と副交感神経は対照的な働きをもっていて、ほとんどの器官はこの2つの神経が働くことで維持されています。しかし、ストレスがかかると交感神経の活動は亢進しますが、逆に副交感神経の活動は低下します。消化器系の臓器(食道・胃・小腸・大腸)は、全て副交感神経の支配によって働くので食欲不振の症状が現れるのです。

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 交感神経と副交感神経のバランスが体の恒常性を維持しています。このバランスを保つのがセロトニン神経です。セロトニン神経から分泌される神経伝達物質・セロトニンは、同じ神経伝達物質のドーパミンやノルアドレナリンをコントロールし、交感神経と副交感神経のバランスを整えます

 康復医学学会の研究テーマ素材「ラフマ」には、セロトニンの分泌を促進する働きに関するデータがあります。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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