2015年5月8日金曜日

心因性腰痛

ストレスと腰痛の関係

一見何の関係もなさそうに見えるストレスと腰痛ですが、整形外科医の間では「当たり前」の間柄なのだそうです。

――Aさん(男性45歳)は10年来の腰痛持ち。一日中パソコンに向かっているうえに、自他ともに認める“悪姿勢”。イスに浅く座るか、反対に猫背になるかの両極端。次第に腰の痛みは激化し、日によっては歩くのもつらいほどの激痛に襲われることもある。
 腰の痛みで車の運転ができず、しかたなくバスと電車を乗り継いで出勤することもある。電車では、席が空いても座れない。一度座ってしまうと、立ち上がるのに大変な労力を要するからだ。なのに職場の仲間は、「健康的でいいじゃない!」と笑うだけ。腰痛に対する深刻さの度合いに、当人と周囲の間に大きな温度差がある。Aさんが「死ぬほど痛い」と訴えても、周囲は「腰痛では死なないから大丈夫」と取り合わない。彼のストレスは無限大だ。――

 「そのストレスが腰痛を悪化させている可能性がある」と語るのは、帝京大学溝口病院整形外科教授の出沢明医師。その仕組みをこう解説します。

 「何らかの要因で腰痛が起きると、脳の側坐核が反応して報酬・快楽物質であるドーパミンという物質を出します。ところが精神的ストレスが多いと側坐核が正常に働かなくなり、痛みのコントロールができなくなるのです。腰痛に対する周囲の無理解などは、まさにその典型的な例です」

 出沢医師によると、ストレスが原因で痛みが増強している人の場合、いわゆる痛み止めの薬ではなく、抗うつ剤などの精神症状に対して使われる薬を服用することで、症状を緩和させられることも多いとのことです。心の悩みと腰の痛みが“深い仲”だということは、やはり本当だったのです。

 自分の腰痛のひどさ、つらさを訴え続けるAさんと同じ悩みを抱いている人は、一度病院に行って診てもらいましょう。

■心因性腰痛と下行性疼痛抑制系

腰痛の中には、ストレス、不安、うつなどの、心の不調が原因の一つとなって起こるケースがあります。こうした腰痛は「心因性腰痛症」と呼ばれ、ストレスの多い現代社会においてとてもよく見られるようになりました。

心因性腰痛の特徴

ストレスや不安などの“心理・社会的要因”が絡んだ腰痛では、以下の様な特徴が見られます。

○腰が痛いのに検査をしても異常がない:
 X線(レントゲン)やMRIなどの画像検査を行っても、腰の骨、椎間板、筋肉、神経などの組織に異常がみられない。

○治療の効果がない:
 色々な治療法を試しているのに治らない、鎮痛薬もあまり効かない、手術をしても痛みが消えない、一度治ったり症状が和らいでもすぐに再発する、など。

○腰痛以外の症状がある:
 腰だけでなく、全身のあちこちに腰痛以外の不調がみられることが多い(肩こり、不眠、胃の不快感、吐き気、動悸など)。

痛みを抑えるシステム「下行性疼痛抑制系」

人間の脳には、身体の損傷部分から神経を伝わってくる痛みの信号を抑制するシステムが備わっています。これを「下行性疼痛抑制系」といいます。
 下行性抑制系にはセロトニン系ノルアドレナリン系の二つの系があります。

セロトニン系の痛み抑制作用

痛みの信号が脳神経系に伝わる途中で、セロトニン神経は鎮痛効果を発揮します。一つは感覚神経が脊髄に入るところで起こり、次に痛みの情報がストレス反応に変換されるところで起こります。さらに、ストレス情報が恐怖や不安などの情動を起こすところでも抑制作用が現れます。このように、痛みの情報が順次処理されていく過程で、セロトニン神経は抑制作用を発揮します。

=============================

また、ストレスの蓄積は「自律神経」のバランスも崩れます。自律神経が過敏になると痛みを感じるセンサーが強く働くようになり、少しの症状でも強い痛みを感じるようになります。
 セロトニンには、ドーパミン、ノルアドレナリンなど他の神経伝達物質の過剰な働きを抑制する作用自律神経のバランスを整える作用があるので、セロトニン不足になるとうつ状態やパニック発作、摂食障害などを引き起こします。
 当学会の研究素材「ラフマ」脳内セロトニンの増加及びセロトニン神経通過性の安定に作用します。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

0 件のコメント:

コメントを投稿