2015年6月19日金曜日

加糖飲料の健康被害

加糖飲料を水や茶に変更で、糖尿病リスクが激減!

英ケンブリッジ大学のNita G. Forouhi氏らは、英国における大規模住民研究の結果、1日の総摂取エネルギー量に占める加糖飲料からのエネルギー摂取が5%上昇するごとに2型糖尿病発症リスクが18%上昇すること、1日1杯の加糖飲料を水や無糖の茶・コーヒーに変更することで糖尿病発症リスクが14~25%低下することが示唆されたと欧州糖尿病学会(EASD)発行誌Diabetologia(2015年4月30日オンライン版)で報告しました。

 今回の研究では、大規模住民調査において飲食物を摂取するごとに日誌に記録させ、さらに甘味飲料について、加糖清涼飲料水、加糖した茶やコーヒー、加糖乳飲料、人工甘味飲料、フルーツジュースに分類し、甘味飲料の種類により糖尿病への影響に差があるのかどうかも検討しました。

 Forouhi氏は「これにより、数種の異なる甘味飲料同士の比較が可能となり、加糖飲料を水や無糖の茶・コーヒー、人工甘味飲料に変更した場合の影響の検証が可能であった」と述べています。
 参加者のほぼ全例が毎日1杯以上の加糖飲料を摂取しており、10年8ヵ月の追跡期間中に847人が新規に2型糖尿病と診断されました。分析の結果、1日の清涼飲料水、加糖乳飲料、人工甘味飲料の摂取量が1杯増えるごとに、2型糖尿病発症リスクは約22%上昇しました。
 今回の研究では、1日に清涼飲料水1杯を水や無糖の茶・コーヒーに変更することで、2型糖尿病リスクが約14%低下する可能性が示されました。また、加糖乳飲料1杯を水や無糖の茶・コーヒーに変更した場合の糖尿病リスク低下は20~25%でした。一方、加糖飲料を人工甘味飲料に変更しても糖尿病リスクに統計学的に有意な低下は認められませんでした

 Forouhi氏らは、加糖飲料からのカロリー摂取を1日の総カロリー摂取量の10%、5%、2%に減らすことで、2型糖尿病の新規発症をそれぞれ3%,7%,15%減少できると推定しています。
 「1日1杯の加糖清涼飲料水や加糖乳飲料を水や無糖の茶・コーヒーに変更することが糖尿病リスク低減に有用となる可能性が示されたことは朗報である。また、加糖飲料からのカロリー摂取率を減らすことで糖尿病の負荷を低減できるかもしれないという知見は、遊離糖類の摂取制限に関する世界保健機関(WHO)の推奨を支持するものである」(Forouhi氏談)
(MT-Pro 2015年5月1日)

■加糖飲料による健康被害を警告

女子が頻繁に飲むと初潮が早まる!

米国ハーバード大学公衆衛生大学院を含む研究グループは、女子が9~14歳で加糖飲料(果糖ドリンク、加糖ソーダ)を頻繁に飲むと初潮が早くなると、生殖分野専門誌「ヒューマン・リプロダクション」のオンライン版で今年1月に報告しました。加糖飲料を飲むと代謝の変化に影響し老化を促進するため、初潮の時期を早めるとのこと。

男性の心臓病リスクが上昇する!

同じく米ハーバード大学公衆衛生大学院による医療従事者を対象とした大規模研究では、男性4万2,883人(40~75歳)を対象に、加糖飲料および人工甘味料入り飲料の摂取量が、冠動脈疾患に及ぼす影響を検討。
 その結果、清涼飲料などで単純糖質(砂糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖、果糖ブドウ糖液糖)を多く摂っていたグループでは、全く飲まないグループに比べ、心臓病の危険性が20%上昇していました。喫煙、運動習慣、飲酒習慣、心臓病の家族歴などの危険因子の影響を取り除き解析しても、糖質を多くとる人で心臓病が増える傾向があることがわかりました。

女性は子宮体がんになるリスクも高まる!

米ミネソタ大学公衆衛生学部の研究者らは、加糖飲料を多く飲んでいる女性で子宮体がんになる割合が、飲まない人の1.8倍高まると、米医学誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers Prevention」に発表。
 加糖飲料は肥満や糖尿病を招くとされ、加糖飲料に関連して年間約20万人が死亡しているといいます。このため、加糖飲料に課税する「ソーダ税」を導入しているフランスをはじめ、各国で加糖飲料を規制する動きが出ています。

タバコのような「健康警告ラベル」の動きも!

米カリフォルニア州は現在、「甘い飲み物には健康に関する警告ラベルを貼り、自動販売機にもそうしたラベルを貼る。検査で違反となった場合、50米ドルから500米ドルの罰金を支払う」という新たな健康法案を検討しています。
 また英国でも最近BBCが行った調査によると、成人の60%がタバコのように食品包装に健康に関する警告を表示することを支持しています。さらに70%が、英国の学校で甘い飲み物を禁止、もしくは特定の食品に含まれる砂糖の量を制限することを支持しているそうです。

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いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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