2015年7月31日金曜日

体の錆びと焦げが老化を促進

年齢は同じでも、生物学的は大きな差が! 

暦年齢ではまだ若い、38歳の時点でも生物学的年齢にはかなりの差が生じている――。

 英・デューク医科大学の研究者らが、ニュージーランドのダニーデンの若者約1,000人を含む出生コホート研究で明らかにしました(PNAS 7月1日オンライン版)。

◆大きな健康問題はないが、生物学的年齢61歳の人も 

ダニーデン研究は、1972~73年に同市内の病院で生まれた子供1,037人を対象としたコホート研究*で、38歳時点の保持率は90%以上の高さを誇っています。今回の検討では、同コホート954例の各種バイオマーカーの経時的変化などを解析、暦年齢が同じ参加者の生物学的年齢が比較検討されました。
 米国民保健栄養調査(NHANES)で使用されたアルゴリズムを用いて、同コホートの38歳時点の生物学的年齢を推定。大部分の人は慢性疾患を発症していませんでしたが、38歳を中心に28~61歳の範囲で正規分布を示していました。
 このことから暦年齢が38歳の時点で、既に生物学的年齢に大きな個人差が生じていることが示唆されました。

◆生物学的年齢が高いと「見た目年齢」も高い

慢性疾患あるいは死亡との関連が確立されている18種のバイオマーカーの縦断的検討からは、26~38歳の12年において、全身の臓器システムの加齢に伴う変化も見られました。
 また、参加者の38歳時点の顔写真を盲検下で大学生に見せたところ、生物学的年齢が高い人ほど「見た目年齢」も高いと判定されていました。このほか、生物学的年齢が高い人ほど自分の健康に不安を感じていたこともわかりました。
 現時点の加齢医学の研究は、既に加齢に伴う疾患を発症した高齢者に着目していると研究者ら。「加齢のメカニズム解明や抗加齢医療の進展には、人生の前半でどのような加齢の進展の個人差が現れているのかを明らかにしていく必要がある」と述べています。

*「コホート研究」とは:特定の地域や集団(コホート)に属する人々を対象として長期的にその人々の健康状態と生活習慣や環境の状態など様々な要因との関係を経過を追跡する調査手法のこと。

■生物学的年齢は「サビ」と「コゲ」で加速する

●過剰な「活性酸素」が体をサビ付かせ老化させる

体内で発生した「活性酸素」には、免疫機能の一部として体内に侵入した細菌などの異物を攻撃する働きなどの役割があります。しかし、活性酸素が過剰に発生すれば、体を酸化させて老化や病気の原因になってしまいます。
 体に取り込まれた酸素は細胞内のミトコンドリアでエネルギー代謝に利用されますが、代謝の過程で1~2%が活性酸素に変化し、細胞内のミトコンドリアや核のDNA、さらに細胞膜を酸化させ傷つけます。活性酸素により酸化の連鎖反応が起こり、細胞膜は機能を失い細胞は死んでしまいます。ミトコンドリアをはじめ細胞の内外にはSODなどの抗酸化酵素が存在し、活性酸素を速やかに分解し無毒化しますが、抗酸化酵素の活性は加齢に伴って低下します。
 こうして活性酸素の攻撃と抗酸化酵素の防御のバランスが崩れると細胞は酸化により損傷し、老化が少しずつ進行していくのです。

●「糖質+タンパク質」が体をコゲ付かせ、老化を促進する

「糖質」は適量であれば体の中でエネルギー源として利用されますが、多すぎる糖はたんぱく質を糖化させて最悪のコゲ=老化物質「AGE(終末糖化産物)」を生成・蓄積させます。
 AGEは、肌や血管、骨、脳など、細胞全般を生物学的に老化させてしまうのです。

●酸化と糖化は連動している

活性酸素によって体が酸化ストレスの攻撃を受けると、たんぱく質や糖質がその影響を受
けて糖化が進み、AGEが発生しやすくなります。逆にAGEは、RAGE(AGEの受容体)に結合して、NADPH酸化酵素の発現を促し、ROS(Reactive Oxygen Species:活性酸素種)の産生を促進させ、酸化ストレスを作り出します。

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【対策】 抗酸化×抗糖化で老化に歯止めをストレス、たばこ、紫外線などは、体内の活性酸素発生量が増大しますので、老化を一段と加速させます。
 老化にブレーキをかけるには、生活習慣を見直すとともに、抗酸化物質の活性を高める運動や抗酸化食品をとり入れることが必要になります。
 また、抗酸化酵素が糖化されると活性が低下することが知られていますので、抗酸化と抗糖化を同時に行うことが大切です。

 当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、強い抗酸化作用を持つ「GHS-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)」の産生を促し、さらにHbA1c(糖化ヘモグロビン)の生成阻害作用が確認されている「2,3-DPG」の産生促進にも影響を与えます。まさに抗老化生薬といっても過言ではありません。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

2015年7月29日水曜日

食べる順番療法の効果

日本発「食べる順番ダイエット」、西洋食でも有効

日本の研究グループが2010年、米食(炭水化物)の前に野菜(食物繊維)を摂取する「食べる順番ダイエット」が2型糖尿病患者の食後高血糖を改善すると報告しました。

 この研究に着目した米・ヴァイルコーネル医科大学の研究者らは、肥満を合併した2型糖尿病患者への典型的な西洋食による「食べる順番ダイエット」でも、食後高血糖の改善が確認されたとの小規模クロスオーバー試験の結果を医学誌ダイアビティーズケアに報告しました。

 食後高血糖は2型糖尿病における動脈硬化の進展を抑制するための重要な治療ターゲットの一つと考えられていると研究者ら。先行研究において食前のホエイプロテイン摂取や多種類の食品を取ることが食後高血糖を抑制することが示されています。
 一方、食品を取る順番を変えることによる食後血糖への影響は、日本の研究グループの報告以外には、あまり検討されていないと今回の検討の背景を説明しています。

 対象はメトホルミン(経口糖尿病治療薬)使用中、肥満合併の2型糖尿病患者11例(女性6例、男性5例、平均年齢54±9歳、同BMI 32.9±5、平均HbA1c 6.5±0.7%、平均罹病期間4.8±2.4年)。食事の摂取順序による食後血糖への影響を被験者内比較のクロスオーバーデザインで比較検討しています。
 同試験では、典型的な西洋食に該当する被験食〔628kcalの等カロリー食(たんぱく質55g、炭水化物68g、脂質16g)〕を提供しました。
 参加者らは、最初に①チャバタブレッドとオレンジジュース(炭水化物)②鳥むね肉のグリル(たんぱく質)③ドレッシングやバターを使った野菜サラダ(食物繊維、脂質)の順序で食品を摂取。1週間後には③→②→①の順序で食品を摂取しました。炭水化物を最初に摂取したときに比べ、最後に摂取したときにおいて食後血糖値が有意に減少し、インスリン分泌も有意に抑制(表)。西洋食においても「食べる順番ダイエット」の食後高血糖に対する有効性が確認されました。

 研究者らは今回の予備的検討で、2型糖尿病患者に対する炭水化物の摂取順序の置き換えで食後血糖やインスリン分泌に明らかな影響があったと結論。「食べる順番ダイエット」による血糖値上昇の抑制は、食後高血糖をターゲットとした薬物療法の効果に匹敵するとの評価を示しました。

 今後「食べる順番ダイエット」の長期の有効性や影響が確認されれば、食事制限に重点が置かれている栄養指導の在り方も変わる可能性があるとの見方を示しています。

■なぜ食べる順番療法は効果があるのか

食後血糖上昇が抑えられた要因として、野菜に含まれる食物繊維が糖質、脂質、コレステロールの消化吸収を遅らせ、食後の血糖上昇を抑制したことが考えられます。また炭水化物の摂取前に野菜を摂取することによりα-グルコシダーゼ阻害薬の作用と同様に、インスリンの分泌を促すインクレチンホルモン(GLP-1)の分泌を促進したと推測されます。炭水化物を摂取する前に、野菜やたんぱく質、脂質を摂取すると、GLP-1の分泌が増加し、インスリン作用の増強および胃内容物の排出遅延、腸管の蠕動抑制作用により、食後血糖上昇を抑制し、さらに血糖変動幅の減少に寄与したと考えられます。
 長期間続けると、野菜の摂取量が増え、十分にそしゃくすることにより、脳中のヒスタミン濃度が高まり、脳の満腹中枢が刺激され、自然に最後に摂取する炭水化物の量が減ります。
 また、副食だけを食べ切るため料理の味付けが薄くなり、減塩による血圧低下作用も認められました。

 さらに、急激な血糖上昇は血管内の酸化ストレス、糖化を引き起こし、動脈硬化を進行させるだけでなく、老化も進めます。
 糖尿病、高血圧、脂質異常症は、酸化ストレス、糖化、血液凝固系の亢進などにより、相乗的に細小血管障害および動脈硬化を促進させますが、糖尿病患者だけでなく食後高血糖が認められる糖尿病予備軍、さらには健康な人にとっても、「食べる順番療法」は簡単で実行しやすい食事として有効であると考えます。


 同じ栄養量の食事を摂取しても食品の摂取順序を野菜から摂るようにするだけで食後高血糖が改善し、24時間の血糖変動幅を縮小することができます。

 さらにダイエットや抗老化のためにはたんぱく質の摂取も欠かせません。お肉はどうも‥‥という方には、当学会がメーカーと共同研究開発した3種だし加工食品『薬膳の素』があります。1包5g中に吸収率の高いコラーゲンペプチド(マグロ・スズキ由来)が2.8g含まれており、食欲がない方、偏食ぎみの方、ダイエット中の方、食事時間が不規則な方におすすめしています。


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光・愛・感謝 村雨カレン


2015年7月24日金曜日

職場のストレス→精神疾患

〝心の病〟労災自殺、最多の99人!

厚生労働省は6月25日、職場でのストレスが原因で精神疾患を発症し、2014年度に労災認定されたのは前年度から61件増え497人に上ると発表しました(申請は47件増1,456件)。このうち自殺者(未遂含む)は99人(同36人増)で、ともに1983年度の調査開始以降、最多となりました。
 同省は「精神疾患での労災に対する社会的関心が高まり、認定基準も明確化されたことが影響したのでは」と分析しています。

 自殺・自殺未遂者の内訳は、男性97人、女性2人。認定されたケースの原因としては「嫌がらせ、いじめまたは暴行」の69件、「月80時間以上の残業」の55件が目立ちます。女性で「セクハラを受けた」も27件ありました。

 職種別では一般事務の56件が最も多く、管理職員39件、商品販売34件が続いています。業種別にみると、トラック運転手などの「道路貨物運送業」が最多の41人で、「社会保険・社会福祉・介護事業」が32人、「医療業」が27人と続いています。

 一方、過重労働が原因で脳や心臓の病気にかかり、労災認定された人は277人。このうち過労死は121人で、13年連続で100人を超えました。

 死亡者は40歳代が最も多く42人。次いで50歳代も40人で、中高年が目立っています。昨年11月施行の過労死等防止対策推進法では、過労死と過労自殺の定義を「業務における過重な負荷による脳・心臓疾患を原因とする死亡」「業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺」としています。

 政府は7月中にも、過労死の防止策をまとめた大綱を閣議決定します。

■精神疾患、治療法とその課題

労働安全衛生法では、50名以上の人が働く事業所では産業医を配置しなくてはならない、と定めています。
 過労死や精神疾患が労災に認定され始め、普段の健康管理こそが労務リスクマネジメントの要である、という考え方が広く浸透してきたために、きちんと仕事をしてくれる産業医が求められています。
 しかし、うつや発達障害など治療内容は意外と偏り、セラピストの性別や医療機関の組織風土も関係治療する個人、組織の特徴に左右されているという問題も表面化しています(今年2月ペンシルベニア大学等の研究グループによる報告)。

精神疾患と診断された場合の治療薬

比較的よくみられる精神疾患としては、「うつ病」「社交不安障害(SAD)」「パニック障害」「双極性感情障害」等があり、ほとんどの病院では薬物療法と心理療法が併用されます。
 治療薬としては、SSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害薬)を中心に、補助的に抗不安薬や震え止めの薬、気分調節薬などが使われます。しかし、SSRIが発売された1999年から、その売上と共にうつ病患者が急増していることが様々な憶測を呼び、その副作用とともに世界各国で多くの物議を呼んでいます(下表参照)。

精神疾患と神経伝達物質

精神疾患は脳内の神経伝達物質のバランスが崩れている状態といえます。特にアセチルコリン、ドーパミン、アドレナリン、セロトニンが減少すると、認知症を発症する恐れがあります。
 また、普段から喫煙や飲酒の量が多い人は、快楽ホルモンのドーパミンを増やそうと喫煙や飲酒を繰り返し、結果的に依存症に陥ります。
 うつ病は、脳内ホルモンの調整作用を持つセロトニンが減少して情報伝達がスムーズに行えない状態になります。セロトニンは意欲や活力を伝える働きをしているため、意欲の低下や抑うつ症状が表れるようになるのです。

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【SSRIの弱点とラフマのメリット】 

SSRIはシナプス間隔にあるセロトニンの再取り込みを防ぎ、セロトニン濃度を仮想的に高め不足を補うとされるのですが、これは特定の神経伝達物質にしか効果がありません。
 神経伝達物質の数は多く、全体のバランスが大切です。そのバランスを調整しているのがセロトニンなのです。
 当学会の研究素材「ラフマ」には、脳内セロトニンの産生促進セロトニン神経通過性の安定に関するデータがあります。


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光・愛・感謝 村雨カレン

2015年7月22日水曜日

酵素は体内で作られる

“体内で働く酵素”を直接摂ることはできない!?

私たちの体では、さまざまな反応が常に起こっています。細胞で行われる物質の代謝によって、私たちは生きているのです。代謝とは物質の出入りのことですが、一方で物質を合成や分解も意味しています。

細胞での合成や分解といった化学反応を起こすために必要な媒介の役割を担っているものを「酵素」と呼びます。化学反応を促進する触媒のような働きを持つ酵素ですが、それぞれの化学反応に対して専用の酵素が用意されています。酵素とは一つの物質を指す言葉ではなく、膨大な種類の物質の総称なのです。

 酵素という文字には「発酵の素」という意味もあります。発酵とは穀物からお酒を造ったり、牛乳からチーズを作ったりすることですが、これらの反応は、微生物である麹菌などの働きによるものです。麹菌がこれらの反応を媒介する仕組みを研究して見つけ出されたのが、発酵の素、つまり酵素だったというわけです。

 そして、酵素は微生物だけでなく、私たちの体の中にも無数の種類が存在して、体の反応を媒介しています。たとえば、唾液に含まれる酵素はでんぷんを分解し、胃液に含まれる酵素はタンパク質を分解します。実は、酵素はタンパク質を材料にして作られています。タンパク質はアミノ酸の小さな分子が数百から数万個、鎖のようにつながって出来ています。タンパク質に使われるアミノ酸は20種類ほどあり、それが組み合わされて作られます。組み合わせ方は無数にあるので、多種類の酵素を作ることが可能です。この酵素の組み立て設計図として働いているのが遺伝子です。
 したがって、ヒトが必要とする酵素はヒトの細胞の中で作られるものなのです。体の反応に大事な酵素ですから、酵素を食品として取れば、健康に良いに違いないと思いがちです。他の動物や植物の酵素を配合した食品も市販されています。でも、残念ながら期待はできません。酵素はタンパク質でできているからです。
 タンパク質は食べ物として摂取されると、胃腸の中でアミノ酸になるまで徹底的に分解されてから吸収されます。それに、吸収されたアミノ酸を使って元の酵素を作ろうとしても、ヒトの遺伝子には他の動物や植物の酵素の設計図は書かれていません。
 酵素そのものを摂ることはほぼ不可能と言えるのです。日本で販売されているほとんどの酵素液や酵素サプリも同様です。

■代謝酵素と消化酵素は体内で作られる

「体内(代謝)酵素を補うため」ということなら、生野菜や果物、発酵食品を食べたり、酵素飲料を飲んでも、全く意味はありません。“体内で働く酵素”を外部(口)から直接補うことはできないからです。
 まず、理解したいのは、現在、多くの方が「酵素」と思って飲んでいる「酵素飲料」(ペースト状、カプセル状含む)は、野菜や果物を発酵させたもので、ビタミンやミネラルなどの栄養素は補えても、「酵素」そのものを補うことはできないということ。
 日本で販売されている、ほとんどの酵素製品も同様です。しかし、各メーカーは、「酵素は生命にもっとも大切」「酵素を補おう!」と商品PRをし、また、にわか酵素解説者たちがネットなどで誤った酵素談義を展開し、多くの人が「酵素を飲んだり、生食で酵素は補える」と思いこむようになってしまったのです。

食物酵素は“事前消化”には役立つが‥‥

直接代謝酵素を補うことにはなりませんが、食物酵素の多いものは非常に大きな意味があります。それは、“事前消化”です。
 口にした食物は、本格的な消化活動の始まる前に胃の上部にしばらく留まり、食物の持つ酵素によって事前消化が進みます。事前消化がしっかり行われれば、すい臓は余分に消化酵素を作り出すという重労働から解放されますし、消化酵素作りに必要なエネルギーや原料(アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど)の消耗は抑えられ、他の代謝に支障がなくなります。
 ただ、生の食物が含む食物酵素は、自己消化はするものの、他の食物を分解することはしません。加熱品を食べた場合、事前消化は進みませんし、加工品の多い現代人には、事前消化してくれる別の酵素が必要になるのです。
 事前消化のために外部から補うことのできる唯一の酵素が「消化酵素」です。米国で「酵素サプリ」といえば消化酵素を指しますが、日本では事情が違います。日本には独得の法規制があり、消化酵素はサプリとしては販売できません。
 日本の「酵素サプリ」は野菜や果物の発酵液がほとんどで、米国の酵素サプリとは、まったく別物。事前消化のための酵素は補えないのです。

 市販の多くの酵素液は“砂糖漬け”による発酵法で作られています。そこから抽出されたエキスはそのままだと飲めるような味ではないため、その後再び大量の糖分を加えて製品化されています。ほとんどの酵素液は約60%が糖分だといわれています。


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光・愛・感謝 村雨カレン

2015年7月17日金曜日

「免疫」(生体防御システム)の働きを高める

実体を伴わない「免疫力」という言葉

昨今、テレビや書店で「免疫力」という言葉をよく目にします。「免疫力アップ」とうたった健康食品も多くあります。
 「免疫力を高めれば、病気にならない」と言われているのですが、違和感がぬぐえません。実は医科大学でも「免疫力」を教えていませんし、医学辞典にも免疫力の項は存在しません。

 そもそも免疫という言葉は、疫病(流行病)にかからないで済むという意味です。周りの皆が同じ病気にかかっているのに、ある人だけかからないというような事例から、ヒトには病原体から体を守る仕組みが備わっているという事実が認識され、それを免疫と呼ぶようになったのです。その後、免疫の仕組みは様々な異物、有毒物質から体を守るために働く生体防御システムであるということが明らかになってきました。ですから免疫システムがきちんと機能していれば、病気にならないと考えることは無理な話ではありません。

 しかし、この免疫システムは、現時点では客観的な計測ができません。免疫システムにはたくさんの種類の細胞の働きが関わっており、その代表が白血球です。では、白血球が増えれば免疫力がついたのかというと、全く違います。白血球が増えるのは、病原体を攻撃するために白血球が動員されている、まさに病気の状態だからです。白血球数は正常範囲にあることが健康を意味します。

 では、免疫力が高いことを示す数値はあるのでしょうか。通常、体内に生じたがん細胞が増える前に撃退する役割がある細胞の一つにナチュラルキラー細胞(NK細胞)があり、その数や細胞の活動度が免疫力につながるという仮説があります。これも、免疫システムのある一面にすぎませんし、NK細胞が関係しない免疫反応も多いので、免疫の代表としては扱えません。NK細胞が増えているのは、すでにがんや病原体の存在を意味している可能性もあり、むしろ危険信号かもしれません。

 つまり「免疫力」とは実体を伴わない概念に過ぎないということです。免疫力が上がった、下がった、というための客観的根拠は全くないのです。
 「○○を食べて免疫力アップ!」「××運動をすると免疫力が上がる!」などのうたい文句はすべて科学的根拠がないと考えられます。
 もちろん、将来研究が進み免疫力の客観的評価が可能になるのかもしれませんが、現状では難しいとお考えください。

■“免疫=生体防御システム”の機能を高める

  「免疫力」という言葉に実体がないということはわかりました。つまり様々な病気に対してそれぞれの免疫機能が働いているので、一つの食べ物や運動では病気予防はできないのです。

 しかし、病気を“予防する知恵とカラダ作り”や“病気・怪我からの回復力”という視点から、考えれば、いくつかのポイントが見えてきます。

 康復医学学会では以下の4つのポイントを明示しています。

1)血流(血液を流す)

酸素栄養素を届け、老廃物二酸化炭素を回収します。特に抹消の血流が悪いと薬の成分も届きませんし、酸素も行き届きません。
血液は全身の臓器や細胞に
 酸素が運ばれない場所には病巣が生じ、がん細胞は増殖します。
 また、熱の伝達も血液の役割です。冷え性の方は抹消で血流が滞っているのです。抹消血管は一層の細胞でできていますから温めても広がりませんし、血液は流れません。

2)睡眠(正常な睡眠をとる)

睡眠の目的は、心身の休息という意味ばかりではありません。記憶の再構築など高次脳機能にも関わっていますし、成長ホルモンは睡眠中に下垂体前葉から分泌されます。子供の成長をはじめ、傷の治療肌の新陳代謝促進なども睡眠時に行われます。
 また、睡眠を調節している自律神経のうち副交感神経が優位になることで、消化・吸収された食べ物をカラダに必要な栄養素に変えていきます

3)体力(エネルギーを作り出す)

ヒトの活動エネルギーは細胞内のミトコンドリアで産生されます。エネルギー産生が低下すると、細胞は分裂・代謝ができなくなり、酵素や神経伝達物質(ホルモン)、免疫物質など生命維持に必要な様々な物質を作ることができなくなってしまいます。
 免疫細胞が正常でないと免疫機能も正常に働きません。

4)環境(病気の要因を遠ざける)

病気の要因として考えられるのは、①ストレス、②電磁波、③有害化学物質、④重金属、⑤細菌・ウイルス・寄生虫――の5つです。
 特に①のストレスは、すべての病気の引き金になります。ストレスを溜め込まないよう自分なりの発散方法を見つけましょう。
 また、②~⑤の要因は日常生活の中でのちょっとした意識や生活習慣の改善で、ある程度は避けられるものばかりです。農薬、添加物を意識し、食べすぎに注意して、バランスの良い食生活を心がけましょう。タバコやジャンクフードは論外です。やめましょう。

 そして何よりも、マスコミの情報に振り回されずに、ご自身で納得できる正しい知識を身につけることが大切です。

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●現状、抹消血管を改善する薬はありません。当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には微小循環血流改善に関するデータがあります。
●ストレスがあるとセロトニンが不足し、眠りのホルモン・メラトニンの産生が低下します。睡眠の改善作用が認められている「ラフマ」には抗ストレス作用のデータもあります。
●脂肪や糖を燃やしてエネルギー産生効率を高めるには、十分な酸素と燃焼のための着火剤が必要です。着火剤「コエンザイムQ10」は年齢と共に減少しますので、サプリメントによる補給が必要です。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

2015年7月15日水曜日

脂肪肝の対策

暴飲暴食を続ければ〝脂肪肝〟に

肝臓には、消化吸収された糖質や脂肪を蓄積し、必要に応じて全身へ送り出す役割があります。また、必要に応じてアミノ酸からタンパク質を合成したり、アミノ酸や脂肪から糖質を作り出したりします。
 食事をして腸に達した食べ物から、糖質、脂質、たんぱく質とアミノ酸が吸収されます。吸収に要する時間は1食につき4~5時間です。その間、吸収された栄養素は次々と肝臓に運び込まれます。貯蔵、加工、配送と、肝臓は大車輪の活躍となります。

 肝臓の働きは栄養素の吸収だけではありません。空腹時に栄養素の吸収がなくなると、全身のあらゆるところで栄養素不足が起こる恐れがあります。そこで、肝臓は貯蔵していた栄養素を血流に乗せて全身に分配します。不足があれば、栄養素を合成します。空腹のときも肝臓は働き続けるのです。
 こうして肝臓は私たちが眠っているときにも忙しく働いているのです。

 食事の量が多くなると、肝臓にかかる負担が飛躍的に大きくなることは、容易に想像できます。とりわけ糖質の吸収量が多くなると、肝臓は余った糖質を脂肪に変えて脂肪組織で貯蔵するように調整します。同時に吸収された脂肪も脂肪組織で直接貯蔵されます。こうして、脂肪組織は大きくなり、肥満となります。
 過食が進み、余った糖質は肝臓で脂肪に変える一方で、脂肪組織に脂肪がたくさん溜まると、肝臓から脂肪を送り込みにくくなります。行き場を失った脂肪は、肝臓の細胞の中に溜まり始めます。脂肪が溜まった肝臓は、それまでの赤い色から、白っぽい色に変わってきます。この状態を脂肪肝といい、肝臓がオーバーワークに陥っていることを示す変化です。

 脂肪肝は過食以外でも起こります。代表的なのは飲酒です。飲酒の際に食べ過ぎるためと勘違いされやすいのですが、飲酒を続けていると肥満になっていなくても脂肪肝になってしまうのです。アルコールを代謝すると生じるアセトアルデヒドが肝細胞を傷つけて、そのために脂肪が蓄積すると考えられています。ですから、暴飲暴食が続ければ、間違いなく脂肪肝になります。
 脂肪肝自体は痛くもかゆくもありませんが、放っておくと、肝細胞が脂肪の存在によって破壊され、肝炎や肝硬変につながります。

 健診で脂肪肝を指摘されたら、早急な対処が必要です。まずは、食事の節制と禁酒、そして運動です。

■脂肪肝の原因とその対策

脂肪肝は、全肝細胞の30%以上が脂肪化している状態をいいます。肥満と診断された人の20~30%に脂肪肝がみられます。肝臓は沈黙の臓器と称されるように、脂肪肝もほとんど自覚症状がありません。生活習慣病のひとつで、食生活の欧米化に伴い増加しています。
 脂肪肝 ⇒ 脂肪性肝炎 ⇒ 肝硬変 ⇒ 肝がん へと進行することがあります。

【原因1】 アルコールの飲みすぎ

アルコールが原因の脂肪肝を「アルコール性脂肪肝」といいます。
 毎日3合以上の日本酒(ビールなら大ビン3本以上、ウイスキ一ならダブル3~4杯以上)を飲む人の多くに脂肪肝が認められます。元来体内に入ったアルコールのほとんどは肝臓で解毒され、体の外へ排出されていますが、この解毒の過程で、また肝臓の働きに異常が生じることにより、肝臓中に脂肪が増えてたまっていきます。

【原因2】 肥満、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)など

アルコールが原因でない脂肪肝を「非アルコール性脂肪肝」といいます。
 肥満や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの人は、インスリンの働きがにぶくなっています。インスリンの働きがにぶいと、肝臓に脂肪がたまりやすくなるため、脂肪肝になりやすいのです。
 近年、糖尿病では肝硬変で死亡する率が高いことが分かり、これまで深刻に考えられていなかった脂肪肝が、あなどれない病気であると認識されました。ただ日本人における軽度の脂肪肝は、肥満体型ではない人にもみられます。運動不足とファーストフードなどによる不規則な食事で、たった2~3キログラム体重が増えただけで肝臓へ脂肪がたまる可能性もあります。
 日本では100万人近くがすでに「非アルコール性脂肪性肝炎」になっていると言われており、飽食の時代の肝臓病として懸念されています。

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対策】 軽い脂肪肝なら、生活習慣の改善で脱却も可能

アルコール性脂肪肝は何よリ"禁酒"が一番

肝臓の腫れが禁酒でみるみるうちに縮みます。これは肝臓内に溜まっていた脂肪や水分が血液中に放出されるからです。肝硬変など重篤な症状に進行する前に禁酒を心がけ、心身の過労や睡眠不足を避けましょう。

バランスのよい食事と適度な運動を

生活習慣を改めることで、原因となる肥満や糖尿病を改善しましょう。カロリー制限や運動による減量が効果的です。自覚症状がなくても、手遅れにならないうちにきちんと医師の治療を受けることが大切です。生活習慣改善の効果も確認してもらいましょう。


 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には、肝臓への保護作用に影響するデータがあります。
(→http://www.koufukuigaku.org/kenkyu_reishikounou_08sonota.htm)


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光・愛・感謝 村雨カレン

2015年7月10日金曜日

糖尿病と死亡リスク

糖尿病あると全死亡リスクが大幅にアップ!

日本の中年糖尿病患者では非糖尿病患者に比べて全死亡リスクが男性で60%、女性で98%高いことが、多目的コホート研究であるJPHC研究(厚労省がん研究班による指定研究班)の参加者約10万例の解析から明らかになりました。
 死因別の検討では、特に女性で虚血性心疾患脳血管疾患などの循環器疾患による死亡リスクが非糖尿病患者に比べ約2.5倍に達することも分かりました。
 これまでにも糖尿病が死亡リスクやさまざまな疾患のリスクに関連することは多くの研究で確認されていましたが、そのほとんどが欧米で実施されたものでした。研究の詳細はフィオーレ健診クリニック・国立国際医療研究センター糖尿病研究センターの加藤昌之氏らが「BMJ Open」(2015年5月)で報告しました。

 糖尿病の有病率は世界的に上昇傾向にありますが、日本でも問題は深刻化しており、2型糖尿病の推定患者数は2002年の740万人から2012年には950万人に増加しました。
 一方、糖尿病は早期死亡リスクに関連するとの報告が複数ありますが、そのほとんどが欧米からのもので、日本人を対象にこの関連を検討した研究は少ないものでした。しかし、日本人と欧米人には遺伝的・環境的な違いがあり、主な死因も異なることから、加藤氏らは今回、日本の一般住民が参加する大規模な研究で、糖尿病と早期死亡リスクの関連について検討しました。

 対象は、ベースライン調査時に40~69歳の9万9584例(男性4万6017例、女性5万3567例)。主要評価項目は全死亡リスクおよび死因別の死亡リスクとし、2010年12月31日まで追跡しました。
 追跡期間(中央値17.8年)に男性8223例、女性4640例が死亡しました。ベースライン調査時に男性の6%、女性の2.8%が糖尿病と診断されていました。解析の結果、糖尿病患者では非糖尿病患者に比べ全死亡リスクが高く、男性では60%、女性では98%のリスク上昇が認められました。

 死因別に検討したところ、糖尿病患者では非糖尿病患者に比べ、特に循環器疾患による死亡リスクが高く、男性では76%上昇。また女性では同リスクは非糖尿病患者の約2.5倍に達しました。
 一方、がんによる死亡リスクの上昇はより緩やかでした。なお,循環器疾患やがん以外の原因による死亡リスクは男女ともに高いという結果でした。

■糖尿病からくる合併症と対策

日本で糖尿病の可能性が否定できない人は、約2,300万人います。しかも、糖尿病が疑われる人の約4割はほとんど治療を受けたことがありません。
 糖尿病ははじめのうち、痛みなどの自覚症状がないため、検査で血糖値が高かったり、治療が必要といわれたことがあっても、そのまま治療を受けない人が多いようです。

 私たち現代人は基礎代謝の低下と同時に、ジャンクフードやインスタント食品の普及によって、知らず知らずのうちに糖質過剰の食生活を送っています。
 タンパク質・糖質・脂質の3大栄養素の正しい知識を身につけて、糖尿病対策をすることが重要な時代になってきています。

糖尿病を放っておくと‥‥

糖尿病で抗血糖状態が続くと、血流や血管(特に微小循環)への負担が高まり、さまざまな合併症が出てしまいます。
 中でも「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」3大合併症と呼びます。これらは糖尿病に特有の合併症で、血糖コントロールをしないでいると、糖尿病発症時から10~15年で症状が表れてきます。

糖尿病対策

糖尿病治療の本来の目的は、合併症への対処です。それにはやはり、"微小循環の改善"が基本となります。末端までしっかりと酸素を送り届けることが大切です。

 康復医学学会の最重点研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、全身の細胞への酸素供給量を促進させる2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)の産生に影響を与えます。また、2,3-DPGには、HbA1c生成阻害作用も確認されています。
 さらに糖化タンパク質で等の影響で障害された血管内皮細胞は、血管の柔軟性・拡張性を保持するNO(一酸化窒素)の産生が低下し炎症を起こしやすく血栓が形成されやすくなりますが、HM-3000のNO産生促進作用により、改善が期待できます。


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光・愛・感謝 村雨カレン

2015年7月8日水曜日

喉頭がん

声門上の喉頭がん、手術をしないという選択も

進行した声門上部の喉頭がん。手術すべきか、それとも手術をしないで治療か――。このほど、手術ではない治療を選択肢として考えられることが分かりました。

 これは、米国のケースウエスタンリザーブ大学を中心とした研究グループが、ジャマ(JAMA)オトラリンゴル・ヘッド・ネック・サージャリー誌で2015年5月7日に報告したものです。
 研究グループは、声門上喉頭にできた進行した扁平上皮がんの手術の治療成績を検証しました。高度な医療を扱う3次医療機関で1990年1月から2013年6月までの声門上喉頭の3期または4期の扁平上皮がんの治療を受けた人の過去のカルテを分析。手術をした場合と手術をしない治療をした場合の違いを比べています。

 また、生存率(OS)のほか、無再発率(FFR)、発声や飲み込む機能の維持について調べています。結果は、手術は無再発でいる可能性では優れていたものの、生存率での優位性は認められませんでした。
 具体的には、5年間の無再発率は手術をすると75%だったのに対して、手術をしない治療の場合は55%でした。
 生存率については、5年間で手術をすると52%、手術をしない治療でも52%。喉頭を保っておける割合は、手術をしている場合には42%だったのに対して、手術をしない治療だと83%でした。
 発声機能については治療から5年間は常に手術をしない治療の方が優れていました。
 飲み込む機能は2つの治療の間で差はありませんでした。

 研究グループは、手術をした場合と比べると、喉頭を保つ治療として手術をしない治療は再発率が高くなるものの、生存率では同等であるため、進行した声門上喉頭がんの治療の選択肢にはなる、と説明しています。

 難しい選択ではありますが、手術で悩んでいる人には選択肢の一つとして参考としたい研究報告になります。

■喉頭がん最大の要因は「タバコ」

日本の喉頭がん罹患率は人口10万人あたり約3人と、同じ気道系の癌である肺がんに比べるとその発生率は低いと言えます。喉頭がん患者の96.5%は喫煙者で、非喫煙者は3.5%に過ぎません。「喫煙さえしなければよい」という最も予防しやすいがんの一つです。喉頭がんは10:1(声門がんでは18:1)で圧倒的に男性に多いがんです。これは喫煙との関連が大きく、逆に言えば喫煙女性は発がん率が高くなると言えます。
 年齢的には20~30歳代には少なく、60歳代後半に発病のピークがあります。病理組織学的には扁平上皮がんという種類のがんがほとんどです。
 またアルコールの多飲が声門上がんの発生に関与すると言われています。

声門がん・早期がんの増加

従来日本人の喉頭がんは声帯よりも上(声門上)に発生する癌が多いとされてきましたが、喫煙の影響から声帯に発生する声門がんの比率が徐々に増加し、最近では喉頭がん全体の2/3を占めるようになってきました(部位別では声門がん60~65%、声門上30~35%、声門下1~2%)。
 声帯に発生する癌は早くから“声がれ”が生ずるため、早期がん(Ⅰ・Ⅱ期)が70%を占めるようになってきました。これは、喉頭がんに対する社会的な認識が向上したと同時に、“声がれ”から早い時期に受診される方の割合が増加したためと考えられます。
 転移は頸部のリンパ節転移がほとんど。遠隔転移は末期など除いては少なく、そのほとんどは肺にきます。

がんリスクの指標、「ブリンクマン指数」

喫煙が人体に与える影響は、吸い込んだタバコの煙の総量と密接に関係します。喫煙習慣は喉頭がんや肺がんの最大のリスク要因です。
 その危険度を数値化した指標を「ブリンクマン指数」といい、がん患者の統計から割り出したものです。「1日の喫煙本数×喫煙年数」で出します。これが400を超えると「要注意域」、600超で「高危険域」です。20歳から毎日一箱(20本)吸ってきた50歳の人は、20×30で600になりますから、もう高危険域に入っています。
 過去の研究から日本人について出されている数字を見ると、男性の喉頭がん患者の大多数は1000以上に達しています。これは、非喫煙者と比べると女性で約6倍、男性は約8倍という数値です。

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 タバコを一服吸っただけで、たちまち体内には活性酸素が発生し始めます。喫煙で喉頭の粘膜の毛細血管が傷つきポリープが生じます。
 喉頭がんや肺がんの予防には、まずタバコをやめることが前提ですが、その後は毛細血管(微小循環血管)の改善が必要です。
 当学会の研究主要テーマは「微小循環の改善」です。「HM-3000(特系霊芝)」4つの効用(血液循環への影響免疫系への影響抗酸化作用鎮静作用に期待できます。


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光・愛・感謝 村雨カレン

2015年7月3日金曜日

肥満による免疫機能低下

肥満は感染症の危険因子になる!?

肥満が、感染症発症の危険因子でもあることが様々な研究で明らかになりつつあります。肺炎などの重篤な症状を引き起こすこともあるといい、専門家は「肥満は様々な病気のリスク要因であることを改めて認識してほしい」と呼び掛けています。

 日本女子大の佐藤和人学長(家政学部食物学科教授)らのグループは15年前から肥満と免疫に関する研究を続けてきました。その中で、高脂肪食を与え高度の肥満状態にしたマウスと普通食を与えたマウスの比較実験を行ったところ、前者の免疫機能が後者に比べて多様に変化していることが分かりました。

 同実験を指導した佐藤学長は「肥満によって免疫機能の調節をするサイトカインという生理活性物質のバランスが崩れ、免疫機能に変調を来した」と分析しています。

 免疫機能の変調は、さまざまな病気につながる恐れがあります。例えば、免疫機能が低下し過ぎると肺炎などの感染症を引き起こし、過剰になるとアレルギーの原因になります。特に小児のぜんそくの危険因子になることが指摘されています。

 2009年に世界的に大流行した新型インフルエンザでは、死亡者や重症者に占める肥満の人の割合が高かったとする論文が昨年、発表されました。肥満による免疫機能の低下が原因でインフルエンザに対する防御力が落ちたことが要因とのこと。
 また別の論文では、内臓脂肪蓄積型肥満の人が大腸がんの術後、肺炎になったり、傷が化膿しやすくなったりすることが報告されています。人工関節を入れる手術の後、関節に炎症が起きやすくなることも分かりました。
 さらに、内臓脂肪蓄積型肥満の人は、脂肪細胞が肥大化して脂肪組織内で炎症を起こし、感染症を悪化させる可能性があるそうです。
 海外の研究では、がんを引き起こすリスク要因となっていることも指摘されています。

 佐藤学長は「内臓脂肪蓄積型の肥満は認識不足のため放置されていることも多い。正常な免疫機能を維持するためには食事療法と運動療法による肥満の予防と改善が一番」と指摘。「高度の肥満になった人は専門医に相談するといい」と助言しています。

肺炎が再び増加、死因3位に

感染症のリスクで怖いのは、子供や高齢者で重症化の恐れがある肺炎です。抗菌薬の進歩と公衆衛生の向上により日本では制圧されたと思われていましたが、近年は再び増加傾向にあります。
 2011年の人口動態統計によると、日本人の死因で肺炎は、がん、心疾患に次ぎ、脳血管疾患を抜いて第3位に浮上。2013年も同じ順位でした。
 高齢化の進展により誤嚥性肺炎などが増えていることが主な原因ですが、肥満の人の増加も一因とみられています。
(150505_産経ニュース)

■肥満に関係する2つの善玉ホルモン

脂肪には大きくわけて、皮下脂肪内臓脂肪があります。皮下脂肪は一番とれにくく、最後の手段として体がエネルギーを使う脂肪です。それに比べ内臓脂肪は一時的に体が蓄える脂肪で、比較的とれやすい脂肪です。

動脈硬化や糖尿病を抑制する「アディポネクチン」

アディポネクチンとは、体の脂肪(脂肪細胞)から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)の一種で、動脈硬化や糖尿病を防ぐ善玉ホルモンです。
 生理活性物質の多くは肥満に伴って脂肪細胞からの分泌が亢進しますが、内臓脂肪が増えれば増えるほど、脂肪細胞が肥大・分裂し、悪玉物質がたくさん分泌される一方で、アディポネクチンの分泌量は大幅に減少(血液中の濃度が低下)してしまいます。
 したがって、肥満を改善し内臓脂肪を減らし、アディポネクチンの分泌を正常化させることが大切になります。

満腹信号を脳に送る「レプチン」

レプチンは、アディポネクチンと同じ脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンです。
 このホルモンは、食事を始めてから20~30分後に分泌され始まります。血液中にレプチンが流れ出して、血中のレプチン濃度が上がると、脳に対して“満腹信号”を発信します。内臓脂肪が増えるとレプチンの働きが低下します。つまり、なかなか満腹感が得られないので、つい食べ過ぎてしまうのです。食事は30分以上かけてゆっくり摂ることが重要です。
 一方で、レプチンは自然免疫細胞を刺激して炎症性サイトカインを産生させ、獲得免疫ではIFN-γを産生するTh1というTリンパ球の働きを増強して、多発性硬化症の病態を悪化させてしまいま
す。

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 肥満は高インスリン血症、インスリン抵抗性などの内分泌・代謝異常を伴い、その長期の合併症として脳動脈及び冠動脈疾患、高血圧、高脂血症、2型糖尿病の頻度が高いことが知られています。
 一方、肥満者では、感染症や種々の癌の発症率も高いことが報告されており、これには肥満によって生じる免疫機能の低下が関与していると推測されています。
 どうやら肥満に関連したホルモンは、免疫機能を変化させ、炎症を促進する傾向にもあるようです。感染症、アレルギー、がんの予防としても、体重のコントロールが大切になってきます。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、生体の免疫バランスを保ち、生体機能恒常性の維持に有効な作用があります。肥満やメタボによる免疫機能変化の抑制、および脂肪組織内でおこる炎症対策にも期待できます。
 


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光・愛・感謝 村雨カレン

2015年7月1日水曜日

薬剤耐性赤痢菌

海外から薬剤耐性菌が流入、深刻な事態に!?

ヨーロッパ人が新大陸にやってきたとき、そこにはすでに先住民(インディアン)が大勢住んでいました。ヨーロッパ人とインディアンの壮絶な戦いにヨーロッパ人が勝利し、現在のような形になった、というのは真実ではありません。
 インディアンは戦争に負けたのではなく、病原菌に敗れたのです。インディアンに免疫がなかった天然痘、腸チフス、コレラなどの感染症がヨーロッパ人によって新大陸に持ち込まれ、インディアンが激減したと言われています。
 これは昔話で、科学の発達した現代ではあり得ない、と言い切ることはできません。

 1928年、イギリスのフレミングが偶然世界初の抗生物質ペニシリンを発見。この発見により、結核、腸チフス、パラチフス、赤痢などの感染症対応ができるようになりました。もしインディアンが抗生物質を持っていたら、現在のアメリカはなかったかもしれません。
 しかし、抗生物質を使い続けるとそれに耐性をもつ耐性菌が登場します。米・疾病予防管理センター(CDC)によると、世界では毎年少なくとも200万人が耐性菌の感染症に苦しみ、2万3000人以上が死亡しているといいます。これは発展途上国だけの問題ではなく、米国内でもペンシルバニ
ア、マサチューセッツ、ニューヨークで耐性を持つ赤痢発症が大きな問題になっています。CDCによると、14年5月から15年2月の間に、強い抗菌力をもつ殺菌性で一般的によく使われるシプロフロキサシンに耐性のある赤痢のケースが157件ありました。
 カナダでは2009年には耐性のある赤痢のケースは5%程度でしたが、5年後の2014年には14%に増加していました。
 世界では毎年1億人ほどの人が赤痢にかかり、60万人ほどが死亡しており、現在でも恐ろしい疾病のひとつです。最近の米国内の赤痢の場合、その約半分のケースは海外旅行者由来でした。つまり、外から米国内に耐性菌が持ち込まれたのです。
 グローバル化が進むことにより、人の往来が大変スムーズになりました。日本も毎年多くの人が海外旅行をし、外国人が日本に来ます。2013年の訪日外国人旅行者は1,036.4万人、日本人海外旅行者数は1,747万人(観光庁)です。
 日本感染症学界では、早くも2020年の東京オリンピックに向けて、東京都のみならずオールジャパン体制での感染症対策の重要性を指摘しています。

■「赤痢」の特徴とその対策

 赤痢(細菌性赤痢)は、経口感染する急性腸炎です。赤痢菌が初めて発見されたのは日本(1898年:東京)で、以降日本の赤痢患者数は、戦後しばらくは10万人を超え、2万人近くもの死者を出していました。その後日本の赤痢患者数は、戦後しばらくは10万人を超え、2万人近くもの死者を出していましたが、1965 年頃から激減し、1974 年には2,000人を割り、以降1,000人前後で推移しています。

 しかし赤痢は世界的にまん延しており、米国では「薬剤耐性赤痢菌」も確認されています。海外との接触が増えてきた昨今、日本でも発展途上国への渡航者に対して感染の注意が必要です。

赤痢の感染経路

感染する動物は、主にヒトや一部の霊長類です。それらに汚染された手指、食品、水、ハエ、器物を介して直接、あるいは間接的に人から人へ感染をするので、国内で発生することも少なくありません。
 保育園や学校、福祉施設、宿泊施設などでは、人と人の接触が多いため集団発生になることがあります。感染力が極めて強く、少量の菌でも感染するこの菌は、便とともに排出されるので、感染者の手指や食品がほんの少し汚染されていても、口から体の中に入って感染します(経口感染)。また、小児では接触感染があります。
 感染経路のひとつに食品がありますが、直接手指が触れる食品群(にぎり寿司等)からの感染率が高く、さらに、生水による感染や、乳幼児がおもちゃ等を口に含んだりすることによる物品からの感染(二次感染)も報告されています。

赤痢の症状

潜伏時間は1~5日(多くは3日以内)で、全身の倦怠感、悪寒を伴う急激な発熱、水様性下痢を呈します。発熱は1~2日続き、腹痛、しぶり腹(テネスムス)、膿粘血便などの症状を見ます。

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【予防と対策】

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予防の基本は感染経路を遮断することにあります。上下水道の整備と個人の衛生観念の向上(特に手洗いの励行)は、経口感染症の予防の原点です。
 海外から入ってくることが大半を占めますから、汚染地域と考えられる国では生もの、生水、氷などは飲食しない事が重要です。特に海外では薬剤に耐性のある細菌性赤痢が増えていますので、海外に出かける人は現地での感染を防ぐことが大切です。

 康復医学学会が研究している「ホタテ貝殻焼成カルシウム」は、優れた除菌・抗菌作用があります。薄めた水溶液での日常の手洗いやうがいはもちろんですが、海外旅行へ行くときには粉末の
分包を持っていくことをおすすめしています。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン