2016年12月7日水曜日

GMOの問題

遺伝子組み換え(GM)食品の基礎知識

「GM」は"Genetically Modified"(遺伝子組み換えされた)という意味。「遺伝子組み換え作物」のことは英語では"Genetically Modified Orgasnisms"といい、略して「GMO」と呼ばれています。人間に都合のいい特性のDNAを細胞から取り出し、遺伝子の構成や並び方を変えて別の細胞に組み込むことで、新しい特性をもった生物や植物を作る技術。1980年以降の新技術で、昔ながらの交配(かけ合わせ・品種改良)とは全く異質で、種の垣根を越えて行われるため、将来的にどんな危険を生み出すかが未知なのです。

遺伝子組み換え例

【除草剤耐性】…除草剤をかけても枯れない作物 
【殺虫性】…害虫やウイルスを殺す毒素を持っている作物 
【新機能】…「ビタミンA強化米」「花粉症緩和米」など 
【成長スピード】…2倍のスピードで成長する鮭 
【その他】…「光る糸をつくるカイコ」など

日本に輸入されている遺伝子組み換え(GM)食品

●現状は、大豆、とうもろこし、じゃがいも、菜種、綿実、てんさい、アルファルファ、パパイヤ8種類だけ 
●大豆の輸入状況(2011年度):自給6%、輸入94% ★輸入先:アメリカ64.6%、ブラジル20.0%、カナダ13.8%、その他1.6% ★GM大豆の作付面積:アメリカ94%、ブラジル83%、カナダ79% ⇒日本に流通する輸入大豆の約8割がGM!

日本のGM表示の抜け穴

現在、上記8つの農作物とその加工品にGMの表示義務はありますが、次の場合は表示義務がありませんので注意が必要です。表示の抜け穴といえます。

【抜け穴①】 
 組み換えDNAや、それによって生成したたんぱく質が含まれない場合には、遺伝子組み換えである旨を表示しなくてもよい。つまり、GM飼料で育った家畜の畜産品(肉や牛乳、チーズ)やGMOから作られた加工品(油、醤油、液糖、水飴、コーンフレークなど)には表示義務がないということ。

【抜け穴②】 
 GM原料が原材料全体に占める割合が4番目以下重量の割合が5%以下ならば表示義務がない。つまり、分量が少しであれば遺伝子組換えであることが表示されない場合もあるということ。

【抜け穴③】 
 5%以下の意図せぬ混入には表示義務はない。つまり、前回運搬したGMOが箱の隅に少しだけ残っていたような場合は「遺伝子組換えでない」と表示できるということ。

規制の厳しいEUでは、基本的に遺伝子組み換え技術を用いている食品は全て表示義務があり、表示が免除される意図せぬ混入の場合も、0.9%未満と非常に厳しい。

■GM食品の問題点

① 健康への懸念 ~三大障害「がん・腫瘍」「アレルギー」「不妊・奇形」~


◆ GMコーンを長期に与えたラットの実験(仏):腫瘍の発生高い早死率など有害性を示しました。この実験は、外国では大きく報道され大問題になりました。GM推進派が反論をしましたが、科学者側は、「GM推進側は科学的根拠なく反論している」として一蹴しています。(写真左)

◆ GM大豆を長期にマウスに与える実験(露):GM大豆で育ったマウス(A群)は発育の悪いものが多く、生後3週間までに半数が死んでいます。この実験は日本の学会で報告されました。(写真右)

 GM食品の安全性と健康への懸念について厚生労働省は「安全性に問題がない食品以外は市場に流通していない」と答弁。これに対して消費者団体は「長期に摂取したときの慢性毒性の安全の保証がない」と批判しています。

 また、国際がん研究機関(IARC)は2015年3月、米国の巨大GM企業であるモンサント社が開発した除草剤「グリホサート(商品名:ラウンドアップ)」発がん性の恐れがあると発表しました。
※モンサントはグリホサート耐性を持つGM品種を開発・販売しています。


② 環境への問題 ~生態系の破壊~

◆ GM遺伝子が花粉によって広がれば、その影響ははかり知れません。
◆ 除草剤耐性のスーパー雑草が出現して、より強力、より危険な除草剤が必要になっています。
他の生物、昆虫、鳥類などへの影響や被害も未知。
◆ 自然の喪失、多様性の喪失、在来種の絶滅など、生体系全体への影響も問題です。

③ 社会的な問題 ~増大する農家の支出、独占されるタネ~

◆ GMの種子や肥料は在来種よりも高く、「収穫量がアップする上、農薬や除草剤を使わなくて済む」という宣伝でしたが、思ったほど収穫はなく、「スーパー雑草」や「スーパー害虫」が出現して、その対策に新しい農薬や除草剤を買う羽目に。GMOに切り替えた農家の支出は増える一方です。

◆ モンサント社などのGM企業は、組み換え遺伝子は知的財産だとして特許権を主張し、契約していない畑の作物を検査し組み換え遺伝子が見つかれば、特許権の侵害で訴えています。また、特許使用料を払いGM企業と契約してしまうと、自主採種は禁止されているため、毎年、GM企業から種を買うことになり、農薬もGM企業のものを使用せざるを得なくなります。そして、毎年契約料を払い、GM企業の立ち入りも許すことが求められます。こうして、GM企業は農業の独占化を進めているのです。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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