2017年5月2日火曜日

食事と健康

不健康な食事で年間40万人の死亡!

アメリカでは、不健康な食生活によって年間40万人以上が心臓病と関連疾患で死亡している恐れがあるとの研究結果が、3月9日に発表されました。

研究によると、アメリカ人は、塩分、脂肪、糖分などを多く含む食品を摂り過ぎており、一方で、果物、野菜、全粒穀物などは足りていないのだそうです。研究結果は、オレゴン州ポートランドで開催の米国心臓協会(AHA)の会合で発表されました。

 研究を率いたワシントン大学 保健指標評価研究所のアシュカン・アフシン助教(国際健康学)は、「ナッツ、野菜、全粒穀物、果実などの健康的な食物の摂取不足と塩やトランス脂肪酸などの不健康な食事成分の摂り過ぎとの組み合わせは、米国での循環器疾患による死亡の主要原因となっている」と指摘しています。

「アメリカでの循環器疾患による死亡の半数近くが、食事の改善によって回避できる可能性があることを、研究結果は示している」とアフシン助教は述べ、食習慣を変えることで、多くの命が救われる可能性があると説明しました。

 今回の研究は、アメリカ全国健康・栄養調査(NHANES)や国連の食糧農業機関(FAO)などによる、1990年代までさかのぼる各種調査で収集されたデータに基づいています。

 アメリカでは全死者の4人に1人、年間60万人以上が、心臓病が原因で死亡しています。個人が心臓病を発症する確率には、喫煙、肥満、食事、運動、遺伝などの要因のすべてが関与している可能性があります。

 研究チームは今回、アメリカの2015年の循環器疾患による死亡に関するデータの調査から、"食事の選択"が、男性22万2100人と女性19万3400人の死亡に関与していることを明らかにしました。

 AHAの専門家らは、果物、野菜、ナッツ、豆、全粒穀物、低脂肪乳製品、魚、鶏肉などが豊富な食事を摂取するよう推奨しています。一方で、摂取を避けるか摂取量を制限するべきとされているのは、脂肪分の多い肉や加工された赤身肉、砂糖入り飲料、塩、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸などす。 
(c) AFP

■江戸の食と健康

【発酵食】

世界中に昔から伝わる発酵食ですが、日本にもたくさんの発酵食品があります。特に、栄養点滴に匹敵する発酵飲料の「甘酒」、酵素や酵母の働きでできる脂肪酸エチルががんを引き起こす物質(変異原)の力を失わせると言われる「味噌」、脂肪を分解し、コレステロールの過剰を抑える「漬け物」など、健康と結びついた食品が特長的です。

【煮物】

夏にきゅうりをかじったりするほかは、生野菜の摂取が少なかった日本人ですが、漬け物や添え物(薬味)として、また煮物として食べられています。中でも重要なのが煮物です。ジャガイモなどの穀物や野菜の食物繊維に多く含まれているケイ素(シリカ)は、私たちの皮膚、毛髪、骨、血管、細胞壁など体内の様々な部位に含有し、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、コンドロイチンなどを構成する物質として結合組織を丈夫にします。しかし、野菜を生で食べる場合、整腸作用など食物繊維としての働きは得られますが、含有するケイ素はそのまま排泄されてしまいます。そこで、ケイ素を摂るには時間をかけて煮込んだ野菜が必要になります。食物繊維の細胞を壊し、中のケイ素が得られるのです。

【魚】

良質なたんぱく源として、昔から私たち日本人の健康を支えてきた魚介類。近年は食生活の欧米化によって肉食が増えるとともに、「調理が面倒」「食べにくい」などの理由から、摂取量が年々減っています。しかし、魚介類は、体に欠かせない栄養素を豊富に含んでいます。たんぱく質をはじめ、カルシウムなどのミネラルやビタミン、とくに最近注目されているのが青魚に多く含まれている多価不飽和脂肪酸(DHAとEPA)です。 そもそも「青魚」とは、背が青または黒で、腹側が白い魚の総称。イワシ、サンマ、サバ、アジ、カツオ、ブリ、マグロなどです。DHA・EPAは血液中の中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増やし、血栓の形成を抑えて、血液をサラサラにします。動脈硬化をはじめ、脳血栓や心筋梗塞といった生活習慣病の予防にも効果が期待できます。また、DHAの摂取が少ないと、うつ病や視力への影響など慢性的な疾患を招く恐れがあるとされ、高齢者では認知機能低下の予防やアルツハイマー病の予防効果も知られています。

【雑穀】

一般に主食となる主穀(米、小麦)を除く穀類を「雑穀」と呼んでいます。主穀よりもカロリーが低いだけでなく、ビタミンやミネラルが豊富です。例えば蕎麦は小麦より高たんぱくでアミノ酸の構成も良質。中でもビタミンPの一つ、ルチンが極めて多く含まれています。ルチンは毛細血管の透過性を正常に維持する重要な作用を持っています。

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出汁生活のすすめ

江戸の健康食は、調理の出汁文化とともに育ちました。食生活の西洋化で病気が増え続ける現在、再度、滋養になり養生してくれる日本の食と出汁文化を見つめなおしてみませんか。康復医学学会が協力して商品化された『薬膳の素』(和漢生薬研究所)も健康生活のお手伝いをいたします。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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