2018年3月28日水曜日

人獣共通感染症

猫とキスをするのは危険?

2016年に野良猫にえさやりをしていた60歳代の女性が呼吸困難の症状を呈して死亡するという出来事がありました。この女性は野良猫にえさやりを行なっており、猫からコリネバクテリウム・ウルセランスが感染したと考えられています。 この菌はジフテリア菌の仲間で、よく似た症状を起こすことがあります。古くから牛などの家畜が持っていると言われてきましたが、近年では犬や猫からも検出された報告があり、人への感染源になっている可能性があると言われています。
 猫も犬と同様に社会性の高い動物です。友好関係にあるお互いの存在を確認することで安心感を得ます。群や親子の絆の形成に親愛の情を示すコミュニケーションは必須です。母猫からの仔猫への、舐めたり、毛づくろいをしたりなどのグルーミングは大人になっても残る行動です。また、猫の口周りや顎、耳の付け根にはアポクリン腺という汗の1種を分泌する部分があります。この部分の匂いを嗅いだり舐めたりすることで縄張りをアピールしたり、仲間同士の挨拶をするのです。飼い主を仲間と思ってキスをしてくるのでしょう。
 人の感染症はおよそ1500あると言われています。しかしその半分以上が本来人以外の動物を宿主としている病原体と言われています。このように、本来は人以外の動物にいるはずの病原体が人に感染して病気を起こす感染症のことを「ズーノーシス(zoonosis)」と呼び、日本語では「人獣共通感染症」あるいは人畜共通感染症」と呼びます。先ほど話題にしたコリネバクテリウム・ウルセランスも人獣共通感染症の一つです。
 猫のキスで感染する可能性のある感染症として、代表的なものは、パスツレラ症、トキソプラズマ、コリネバクテリウム・ウルセランス症、猫のクラミジア性結膜炎などです。
 猫から猫へ感染するときにくしゃみや接触などで感染するため、猫から人へも同じように感染する可能性があると考えられています。猫から人に感染したという国内での報告はまだありませんが、アメリカやイギリスで数例の報告があります。猫にくしゃみや鼻水がみられる時は、動物病院に連れて行って治療を受けさせましょう。
 猫から人に感染する病原体はさまざまなものがありますが、排泄物を片付けたり触ったりした後には必ず手洗いをするなど、衛生的な状態を保つようにすれば予防できるものが多いです。病気への正しい知識を得ることで適切な予防策をとって、猫と楽しい生活を送りましょう。                           
(出典:https://mainichi.jp/) 

■ペットから感染する人獣共通感染症

 ペットを室内で飼うことが多くなって互いに接触する機会が増えたこと、住宅の気密性が高くなって病原菌が繁殖しやすくなったこと、ペットを家族のように扱い濃厚な接触をする人が増えたことも原因と考えられています。
■パスツレラ症 
 犬や猫が噛む、ひっ掻く、舐めることで感染。犬の75%猫の100%近くが口内に病原体を持っているため、飼い主が最も注意しなければいけない病気。傷の周りが赤く腫れて激しく痛む。鼻や口から感染し、せきなど風邪に似た症状が出て、副鼻腔炎気管支炎になることもある。重症になると肺炎髄膜炎を起こし死亡した例も。

■ネコひっかき病
 猫や犬が噛む、ひっ掻く、舐めることで感染。ひっかかれた部分の皮膚が赤く腫れ、その近くのリンパ節が腫れて痛む。微熱、倦怠感などが現れる。通常は2~3週間で治るが、重症になると脳症をひき起こすことも。ノミが原因となることが多い。

■カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症
 犬や猫に咬まれたりひっ掻かれたりすることで感染・発症。免疫機能の低下した人において重症化する傾向のある感染症。主な症状は、発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛などで、重症例では、敗血症髄膜炎を起こし、播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血性ショック、多臓器不全に進行して死に至ることも。

■イヌ・ネコ回虫症 
 犬や猫のフンに含まれる虫卵が口に入ることで感染。「公園の砂場が危ない」と話題になった感染症。人の体内に入った回虫が体内を移動して内臓や目に入ることで様々な障害をひき起こす。子どもに多くみられ、内臓に入ると発熱、ぜんそく、肺炎など、目に入ると視力障害視野障害が起こる。

■トキソプラズマ症 
 ネコのフンから感染。加熱が不十分な豚肉から感染することも。抗体を持たない妊婦が初めて感染すると、まれに胎児に影響する。胎児が感染した場合、死産や流産を招いたり、神経・運動障害をひき起こすことも。

■皮膚糸状菌症(真菌症)
 白癬などともいい、皮膚病(糸状菌症)にかかっている犬や猫、ハムスターなどと接触することで感染し、発疹、かゆみ、化膿などを起こす。通常は抗真菌薬を塗れば治る。ペットの治療によって感染源をなくすことが重要。

■レプトスピラ症
 犬の腎臓で増殖する菌が、尿が排出されるときに一緒に出てくる。人が発症すると、悪寒、発熱、倦怠感、結膜炎などの症状が出る。重症になると、尿たんぱくが出て、出血と黄疸症状が出る。適切な治療を行わないと致死率は20~30%になる。

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 康復医学学会では、人獣共通感染症の予防に対して「ホタテ貝殻焼成カルシウム」の水溶液による手洗いやスプレーをおすすめしています。塩素系の消毒剤と比べ、持続性があり、天然素材の原料なのでペットや赤ちゃんにも安心・安全。そのうえ消臭効果も期待できます。
 触れあった後は手洗いなどを確実に!


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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