2018年5月15日火曜日

糖分依存症

糖尿病 合併症で足切断も

70代の男性が「半年前から足に力が入りにくく、階段の上り下りが難しい」と病院に行きました。その男性は、10年前に糖尿病と診断されていました――。

 糖尿病の合併症には、視力の低下を起こす網膜症、腎機能を低下させる腎症の他に神経障害があります。神経障害の一般的な症状は両足のしびれや痛みです。

 糖尿病の病歴が長くなるにつれ神経障害も増え、糖尿病歴25年以上の人では、半数に何らかの神経障害が見られます。神経障害は、体の中心から遠い部位で左右両側に出始める特徴があり、多くの人が両足の指や足の裏のしびれ・違和感を訴えます。神経障害が進行すると、両足に痛みを感じる人もいるし、感覚が鈍ってしまう人もいます。両手に同じような症状が出ることもあります。血圧や胃腸を調節する神経に障害が起こり、起立性低血圧や便通異常などの症状を訴える人もいます。

 糖尿病を長い間放置した結果、足にしびれや痛みが出ている人が治療によって急激に血糖値が良くなると、しびれや痛みが悪化することがあります。「治療が逆効果だったのでは?」と心配する人もいますが、悪化は一時的なものであることが多く、長期的には血糖値が低い方が神経障害は進行しにくくなります。

 神経障害のある人は転倒しやすいことも分かっており、転倒のほとんどは歩行中に起こっています。歩行には、足裏の感覚や、足首・膝など関節の位置感覚、筋力でバランスを取ることが重要です。神経障害があるとこうした感覚が鈍くなり、また高血糖は筋肉の萎縮を早めることから、歩行が難しくなるのです。さらに、糖尿病患者に多く見られる「うつ」や「認知症」も転倒の危険性を高めます。感覚障害があると足に潰瘍を作ることがあります。血流の悪化や歩行の異常があると、できた潰瘍がいつまでも治らず、最悪の場合、足を切断しなければならなくなります。特に"喫煙者"では、足を切断する危険度が高まります。

 冒頭の男性は、症状が通常の糖尿病による神経障害と異なっていたため、神経内科へ紹介されました。検査で頸髄の腫瘍が見つかり、手術を受け、今は元気に歩いているそうです。
 足にしびれや痛みがあると生活の質を下げてしまいます。糖尿病の人は、自分の足を毎日見て触って、感覚の異常や傷の有無を確認しましょう。   
(出典:http://www.sankei.com/) 

■"甘いもの依存症"のメカニズム

米国プリンストン大学の研究などで、糖分の大量摂取は、脳を麻薬性物質を投与した時と同じ状態にし、同じような依存状態が起こることがわかっています。糖分依存症の多くは、他の事柄でも依存しやすい傾向が強くなる「交差感作」が現れます。そのため、米国などでは糖分依存から、薬物依存になりやすいという研究結果もありますので、注意が必要です。

やめられない原因はドーパミン!

酒やタバコ、麻薬性物質と同様に、糖の依存症には脳が関係しています。糖分を摂るとドーパミンを出して簡単に快楽が得られますが、不自然に大量のドーパミンを放出し続けていると、抑制が利かなくなり摂取量が増えていきます。逆にやめようとすると、イライラして落ち着かなくなり禁断症状が出ることさえあります。まさに一種の中毒です。

 糖の過剰摂取でドーパミン神経からドーパミンが放出されると、それがドーパミン受容体に取り込まれて"快楽"を得ます。この快楽を求めて糖を摂り続けるとドーパミンは増えますが(下図左)、バランスが働き過剰なドーパミンを抑えるために受容体の数を減らします(下図右)。すると今までの糖分摂取量では満足感が得られずに量が増え依存状態に進行します。そして、この状態になって急激に糖分の摂取を制限すると、ドーパミン系の神経伝達が低下した状態になるため、自覚的には不安感やイライラ感など不愉快な気分を生じます。

 ドーパミンもバランスが重要です。ドーパミンの分泌過剰は、依存症の原因の一つですが、逆に分泌が少なくなってしまうと、運動障害や精神障害の原因になります。パーキンソン病はドーパミンの減少が原因の一つとして知られています。

セロトニンが使われてしまう!

このドーパミンや、ノルアドレナリンなどの情報をコントロールし精神を安定させるのが「セロトニン」です。中毒症状の人は、ドーパミン制御のため、気付かないうちにセロトニンが使われてしまいます。すると、一種の"うつ症状"、そして"睡眠障害"なども表れやすく、改善が難しくなります。だから、糖質の節制が必要になってくるのです。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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